第4号(Vol.4) 
6月10日発行
発行元:(財)ジョイセフ
E-mail: tarte@joicfp.or.jp
Web Site: www.joicfp.or.jp
 たるとdeトーク - 「それは男の問題だ」 by Masakazu Honda -
 ハテナdeわーるど - スペイン生まれの「Piropo」 -
 カフェ・アヴェイユ - 「少子化と人口増加を考える」編  -

1994年のカイロで開催された国際人口開発会議(ICPD)で、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)」という概念が国際的に認知されました。「たると」は、この「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」を、わかりやすい形で取り上げて配信するメルマガです。この「たると」をきっかけに、誰もがかかわる大切な問題だと認識してもらえたら・・・。そんな願いを込めて、毎月2回(第2・第4木曜、2004年限定)配信していきます。
「たると」で、あなたの「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」について、考えてみませんか? そして一緒に語ってみませんか?






「それは男の問題だ」 〜 マッチョ=男根主義をぶっ飛ばせ 〜

  人権。それは当たり前に、そこにあったのではない。「跳ね上がり」とか「変わり者」とか「異端児」とか「反抗分子」とか、さまざまな名で呼ばれてきた「先覚者」たちの不屈の精神と、人類の長い歴史の闘いの中で、勝ち取られてきたものだ。人権を最初に持っていたのは、税金を納める「大人の男」たちだった。それが「男」全般に広がった。それから長い時間をかけて、ようやく女も「人間」と認められるようになった。最後に人権を持つ「市民」となったのは、「奴隷の女」だった。近代はそうしてようやく「近代」となっていった。しかし、この地球上、今なお、あまねく「近代」が存在しているわけではない。

  子どもを産むか産まないか。いつ何人産むか。人生のパートナーをどう選び、そのパートナーとどのような社会単位を作っていくか。要するに、どう生きていくかを決める自己決定権は、その当事者、つまり個人とカップルにある−−この権利が地球上のあらゆる人々にあることを確認するために、人類は何と長い道程を歩んできたことか。

  1994年、カイロで、その権利の名がリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)と名付けられ、95年北京で、「女性の権利は人権である」と再度確認され、高らかに宣言されたとき、深い感動とともに、私は「もう歴史はあと戻りはしまい」と確信した。

  なぜ「女」の人権なのか? これは「女」の問題なのか? 断じてNOだ。黒人差別が白人の問題であり、朝鮮人差別が日本人問題であり、部落差別が天皇制と権威主義の問題であるように、貧困問題が実は「金持ち」の問題であるように、少年非行が大人の犯罪であるように、リプロ・ヘルス/ライツも女の人権も、実は「男の問題」なのだ。

  いまだに「男女平等を認めるとイエや家族の価値が破壊される」と信ずる男たちは、「夫婦別姓は家庭の価値を壊す」と信ずる日本人男性同様、世界各地にいる。しかし、だ。いまの日本社会を見ると、これは一体何なのだ。いかに保守的なメディアとはいえ、全国紙が一面トップで、「赤ちゃんが性交(セックス)によって生まれる」ことを中学生に教えることを、まるで「犯罪」のように非難する。ジェンダーフリーを「過激なイデオロギー」とし、「男のくせに泣くな」「女の子はしとやかに」というしつけは「社会に出て恥をかかないために必要」と社説で説く。セックスを教えずに、避妊もエイズ予防もどう教えるというのか?

  性教育への攻撃、「女の人権」へのバックラッシュ(逆回転)には、すさまじいものがある。だが、これらも、90年代の「人権の前進」に恐れをなした人々の、自信のなさだと考えると合点がいく。だからマッチョなオジサンたちにはもっと優しく、接してあげよう。「心配しなくていいですよ。黒人解放は白人の解放だったのですから」と……。            本田雅和 (ジャーナリスト)






スペイン生まれの「Piropo」

  もともとスペインで生まれたピロポ(Piropo)の習慣。しいて日本語に訳すと「ナンパ」といったところでしょうか。道行く女性たちに男性たちが声をかけます。都会ではすたれつつありますが、現在でもスペインと中南米の一部でその習慣が残っています。男性たちのせりふは、「セニョリータ、きれいだね。デートに行こう。」といったものから、「君の瞳はぼくの心までとかしてしまうよ・・・」といった凝ったものまで様々。この時の女性の見事な仏頂面が見もの。「私がきれいなのは当たり前よ!」とばかりにつんとして足早に通りすぎます。挨拶のようなものなので、いちいち相手にしていたらきりがないのでしょうね。このピロポ、男性は強く、たくましく常に女性を満足させる存在でなければならないという「マチズモ(Machismo、男性優位主義)」の産物とも言えますが、女性側のたくましさ、動じなさもなかなかのものだと思いませんか?                               by Kuni







「少子化と人口増加を考える」編 


ミッチ)   [ハッチに電話する・・・]  ハッチ、今日出産予定日だよね!?電話に出るということは(まだなのかぁ)・・・。もうそろそろって感じがする?

ハッチ)  いやぁー、まだ出てこないのよ。それが。ぜんぜん気配なし。

ミッチ)  初産は遅れることが多いっていうから、ハッチもきっとそうなんだろうね。 気長に待ってくださいな・・・。ってまるで他人事だね(笑)。

ハッチ)  いやぁーもう不安で、不安で。妊娠初期は「自然」に近い方法で産もうなんて意気込んでいたけど、後期になればなるほど、「陣痛って痛いんだろう」とか「産まれたら母乳を3時間おきに夜中もあげるなんてできるのかな?」なんていう不安に襲われて。

ミッチ)  それって、いわゆる「マタニティーブルー」の一種? 簡単じゃないよね、やっぱり。酒井順子さんの『少子』という本で、少子化の理由に「痛いから」とか「体形が崩れる」からとか一見するとゲッ!と思うことが書いてあったけど、本当にそういう個人レベルの意識が、マクロのレベルで少子化というにつながるんだよね。

ハッチ)  本当に「少子化の背景と実際」を個人のレベルで体験しているという感じです (苦笑)!

ミッチ)  でも、「子宝」というポジティブな言葉もある。けれど、開発途上国ではいろんな意味で根深い問題だと思う。

ハッチ)  多くの開発途上国では、乳児死亡率が高いからたくさん産んでおかないと「子宝」を確保できないし、もうほしくないと思っても避妊の普及も上手くいっているとはいえないし、「子どもを産んで一人前の女性になる」なんていう価値観もあって、いわば、子どもを産むことをいろいろな要因から強制されていると思う。そして、マクロのレベルで言えば、「人口増加」を引き起こしていると言われちゃう。

ミッチ)  さらに、たくさん子どもを産むということは、女性の身体には大きな負担を伴う。「子宝」を得るために、女性が命を落とすのはやりきれないね。  

ハッチミッチ)  だから、やっぱり、目指す方向としては、途上国でも先進国でも「産む、産まない。産むならいつ、何人を産むか」を自分で決められる「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の実現が大いに認識されるべきだと思いませんか!!






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