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避妊を男性任せにしてはいけない
2002年11月にわが国の産婦人科医グループが十代で人工妊娠中絶を求めて来院した女性に対して実施した調査結果が手元にあります。「今回妊娠したとき避妊はしていたか」との摩訶不思議な質問が向けられています。避妊は妊娠をしないための手段であるわけですから、「妊娠したってことは、避妊をしなかったってことですよね」で終わるべきなのに、腟外射精24.4%、コンドーム19.0%という回答が返ってきました。しかし、このような結果をもってしても、私は彼らを責める気にはなれませんでした。なぜなら、この避妊法選択は、彼らの身近にいる教師や親たちの避妊法そのものだからです。彼らは日本の大人達のマネをしているに過ぎないのです。
世界に遅れること40年。1999年9月に低用量経口避妊薬(Oral Contraceptives:OC)が発売されてから5年が経ちますが、依然としてOC普及の兆しが見えてこないのはとても残念なことです。国連が発表した「世界の避妊法選択2003年」によれば、生殖可能年齢の女性のうち、ドイツでは58.6%、オランダ49.0%、フランス35.6%がOCを使用している一方、わが国は1%程度に過ぎません。OCが最も理想的な避妊法であると強調するつもりは毛頭ありませんが、貧困から女性を救済するには避妊が重要であるとして、投獄を覚悟で「女の謀反、No Gods No Masters」とまで叫んだあのMargaret Sanger(1883-1966年)が、OC開発の発案者であることを知るにつけ、OCにこだわらずにはおれないのです。
「男性に依存していては確実な避妊はできない。女性が主体的に取り組めて、しかも高い避妊効果を期待できる避妊法の開発を」と叫んだSangerの言葉が脳裏から離れません。このように避妊の歴史を紐解くと女性解放の歴史と合致することがわかります。人工妊娠中絶手術を受けることが宗教的・文化的に困難であった多くの国の女性達が、望まない妊娠の回避のために、日本人は人工妊娠中絶に寛容な風土に甘えてきたのではないかと考えずにはおれません。
男性には妊娠が絶対にあり得ないのだから、日本の女性には「自分で守れ、君のカラダ、君の人生」(拙著『ティーンズ・ ボディーブック』、扶桑社)のメッセージをおくりたい。もちろん、男性が避妊に無頓着であっていいわけではないが・・・。
北村邦夫 (社)日本家族計画協会常務理事・クリニック所長 Site:
『Dr.北村のJFPAクリニック』
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