第15号(Vol.15)
11月25日発行
発行元:(財)ジョイセフ
E-mail: tarte@joicfp.or.jp
Web Site: www.joicfp.or.jp
 たると de リプロ - 自然環境保全とリプロダクティブ・ヘルス/家族計画 -
 一口たると - 12月1日は、「世界エイズデー」 -
 カフェ・アベイユ - 「リプロダクティブ・ライツについて考えてみる」編 -

1994年のカイロで開催された国際人口開発会議(ICPD)で、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康/権利)」という概念が国際的に認知されました。「たると」は、この「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」を、わかりやすい形で取り上げて配信するメルマガです。この「たると」をきっかけに、誰もがかかわる大切な問題だと認識してもらえたら・・・。そんな願いを込めて、毎月2回(第2・第4木曜、2004年限定)配信していきます。
「たると」で、あなたの「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」について、考えてみませんか? そして一緒に語ってみませんか?




自然環境保全とリプロダクティブ・ヘルス/家族計画

世界各地の途上国では、貧しい人々が周辺の森林や天然資源に依存して生活しているため、人口増加と環境保全の問題が直接的に結びついています。例えば、フィリピンでは、高出生率による人口増加に伴って人々が内陸部に入植し、これまで手付かずであった自然を乱開発することによって、さらなる森林破壊を引き起こしています。これらの森林は、絶滅危惧種であるフィリピン鷲や現地固有種のオオゴマダラ蝶(写真左下)などの様々な生物の生息地となっており、ある種の生物が絶滅すると生態系上に思いもかけない負荷をかける可能性があります。

また、その結果進む環境破壊により、人々の生活がさらに困難になる可能性があるのです。ゆえに、人口増加率の高い地域では、人々が天然資源を持続可能な方法で利用すると同時に、リプロダクティブ・ヘルス/家族計画についての情報やサービスを提供し、自然への負荷を軽減していくことが大切です。



コンサベーション・インターナショナル(CI)は、フィリピン・ルソン島北部で、地域のコミュニティの助産師を対象に、リプロダクティブ・ヘルス、家族計画、環境保全についてのトレーニングや、ラジオ番組やポスターを通じた教育および意識向上キャンペーンを行っています。







マダガスカルでは、リプロダクティブ・ヘルスや母子の健康管理などを含めた総合的なヘルスケアサービスの提供を目指しています。

(文・写真:コンサーベーション・インターナショナル提供)





世界エイズデー
〜エイズの予防と、エイズ患者・HIV陽性者への差別と偏見をなくすために〜

12月1日は、「世界エイズデー」です。

「世界エイズデー」は、WHOが1988年に世界的レベルでのエイズまん延の防止と患者・HIV陽性者への差別と偏見の解消を図るために12月1日を世界中で一斉に啓発活動を実施する日として提唱しました。1996年より、WHOに代わって、国連のエイズ対策の総合調整を行うこととなったUNAIDS(国連エイズ合同計画)がこの活動を継承しています。

エイズは、HIVというウイルスに感染することで起きる病気です。HIVのことを「エイズウイルス」という場合があります。
感染経路は限られており、日常生活では性行為以外で感染することはほとんどありません。
感染経路が確立すれば誰でも感染の可能性はあります。性行為をする場合はコンドームを正しく継続的に使用すれば感染を予防できます。性行為をしないという選択肢ももちろんあります。
HIVの感染を知るには検査を受けるしかありません。自分のため、恋人のため、家族のためにも検査を受けましょう。

よく間違える HIV陽性者とエイズ患者

HIV陽性者って?
何の自覚症状もなくHIVに感染している以外は普通に日常生活をおくることのできる人です。

エイズ患者って?
HIVによってからだの免疫の働きが壊され、低下することによって健康なときには罹らない感染症(日和見感染症)になったり、癌になったり します。このような状態になり、エイズと診断された人です。

毎年増え続けるエイズウィルス(HIV)感染者は、世界ではこの1年間で160万人増えて、3940万人に。そのうちサハラ砂漠以南のアフリカ地域での感染者が65%を占め、年間230万人が亡くなっています。(2004年11月23日UNAIDS発表)

開発途上国におけるエイズによる被害の拡大防止と、HIV陽性者への差別・偏見をなくすことを目的に、ジョイセフは「終わらないサヨナラ」という紙芝居を使った啓発教育活動を、途上国の村人と一緒に展開しています。そして、このたび、12月1日の世界エイズデーを機に、「エイズ紙芝居キャンペーン」を始めます。ジョイセフはもっと広く、多くの支援を呼びかけていくことにしました。詳細をご覧の上ぜひともご協力ください。>>詳細はこちら





  「リプロダクティブ・ライツについて考えてみる」編

ハッチ) 最近、障がい者の女性が取り上げられている記事を読んでなんともいえない気持ちになったんだよね。

ミッチ) へぇー?どんな話?

ハッチ) 36年前に脳性マヒの女性が強制不妊手術を受け、今も精神的にも身体的にも苦しんでいて、国や病院、医者に対して、事実の証明と謝罪を求める運動をしているという話。

ミッチ) 強制不妊手術って?強制的に不妊手術をされたってこと?

ハッチ) そうなの。当時の優生保護法のもとで多くのハンセン病患者や女性の障がい者が強制不妊手術を受けてきたという事実を聞いてはいたけど、その女性の「できることなら拾い集めて自分のからだにもう一度納めたい。なんでかねぇ、子どもに執着してしまうんよ。子どもが好きだから、どんなもんか子どもを育ててみたくて。女は子どもを産む道具じゃないいうのはわかっとるんじゃけど、執着しとるなぁ」(ふぇみん 2004年11月15日 第2742号)という発言にじーんときちゃった。

ミッチ) えぇ!? ということは、その女性は同意してなかったってこと?!不妊手術だっていうことは一切知らされずに、手術を受けさせられたってことなんだよね。なんてひどすぎる話!

ハッチ) うん。20歳の時に更正施設に入るために「痛くもかゆくもない手術」だといわれて受けて、後日、施設で同室の人から妊娠できなくなったんだと教えられたそう。放射線照射という方法だったらしい。

ミッチ) なにそれ?!悲しすぎる・・・。ハンディキャップのある女性は子どもを産んじゃいけないなんて。そんな人権無視で残酷な話が戦後の日本でも起きてたなんて、ぞっとする。しかもこういう話って、なぜか闇の中に隠されてることが多いよね。過去にそのような不妊手術の対象となった人たちがいるなんていうことも、ほとんど世間に知られてないし(現にミッチは知らなかった!)。ほんの数年前まで存在していた優生保護法(1948年に制定)に基づく合法で行われてたなんて。女性のライツなんてかけらもなかったんだね。

ハッチ) 優生保護法も現在は母体保護法(1996年に制定)に変わって、差別的な内容が減ったかもしれないけど、まだまだリプロダクティブ・ライツに関する日本の法律の問題は解決しているとはいえない感じ。 現在、日本では条件付で人工妊娠中絶が法律的に許可されているよね。けれども、かたや刑法には堕胎罪がある。そういうこともあんまり日常的に話題にならないし。私の場合は、たしかに、こういうことって自分が今の年齢になってやっと身近な関心事になったかな。

ミッチ) アメリカの場合、先日のあの大統領選を見ていても、政治とリプロダクティブ・ライツの問題に対する国民の関心が高いということがいろいろな意味でわかるよね。

ハッチ) うん。リプロダクティブ・ライツはまさに女性の人生を大きく影響する人権だから、日本でももっと身近な話題にしていきたいね。




※ 次号(Vol.16)のたると配信は、12月9日(木)・・・最終号です。

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