ブックタイトル開かれ活力ある日本を創る

ページ
10/26

このページは 開かれ活力ある日本を創る の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

開かれ活力ある日本を創る

考える包括的な性教育の機会が十分とは言えない。そのため、青少年層の望まない妊娠、人工妊娠中絶率や性感染症率がなかなか減少しなくなっている。性行動から遠ざけるだけの性教育では、現在の青少年のニーズに的確に応えることができないだろう。青少年の健全な育成に役立つような年齢や成長に合わせた包括的な性教育を推進することが、スムーズな成人期への移行につながるものと考えられる。◆男女のパートナーシップや出産を支援する社会づくり人工妊娠中絶を行った女性への、なぜ中絶をしたかという質問で、最も多かった理由が「相手と結婚していないので、産めない」(30.2%)であったことを見る限り、日本では出産は婚姻があってのことであるという意識が依然として強いのがわかる(第6回男女の生活と意識に関する調査、2014、日本家族計画協会)。欧米先進諸国では、全出生に占める婚外出生の割合は増加傾向にある。スウェーデンでは、1980年の婚外出生は39.7%であったものが、2012年には54.5%となっている。同じくフランスでは11.4%から55.8%へと大幅に増加した。デンマークでは33.2%から50.6%へ、少ないとされるイタリアでも、4.3%から28.0%へと約6.5倍の増加である。しかるに日本では、0.8%から2.2%へと変化の胎動があるものの、婚外出生を受け入れる社会環境を整えるべきであると考えられる。約5倍に伸びたフランスでは、合計特殊出生率も1993年の1.66から2012年には2.0にまで回復している。つまり先進工業国の中で比較的出生率が高い国では、出生に占める婚外出生の割合が高いという傾向がみられる。(厚生労働省『人口動態統計』、Eurostat)男女のパートナーシップや出産・育児と結婚制度との関係については、社会における幅広い議論が求められる。婚姻の有無にかかわらず社会的、経済的に不利益のない、出産をサポートする社会制度の整備が必要であると言えよう。?提言2:男女共同参画と女性の地位向上◆まえがき長期的には女性の高学歴化が進み、4年制大学卒の比率が上昇しており、男女比においても近年は、大きく縮小しつつある(『文部科学統計要覧』〈平成26年版によれば、2013年に男子30.9万人対女子25.0万人)。その結果として女性の社会進出が進み、日本の女性の就業率も着実に向上している。今や、女性がいなければ日本の経済活動は成り立たないとも言8