冨永愛さん、岩手県釜石市と大槌町へ
2011.6.25
- 東北の女性支援
- お知らせ
6月10日、冨永愛さんがジョイセフスタッフとともに岩手県釜石市・大槌町を訪問しました。
3月11日の震災から3カ月、冨永さんがジョイセフのアンバサダーとして現地を訪れた目的は大きく次の3つでした。
- 被災地の復旧の状況を視察すること。
- 被災から3カ月、休みなく勤務してきた保健医療従事者を励ますこと。
- 被災女性、妊産婦、母子と語り合い、現在のニーズを確認すること。
冨永さんの志に賛同した写真家のレスリー・キーさんや、Mゼロのヘアアーティストさんたちも、被災地の保健医療従事者や、女性たちにほっと一息できる「癒しタイム」をお届けするために同行しました。
9:00 岩手県立釜石病院(釜石市甲子町)のすぐ近くにある美容室「羽音(バズ)」に一同到着。
羽音のオーナー・阿部夫妻は、「東京からはるばる釜石まで応援に来てくれてうれしい。困っているときはお互いさまと思っていたけど、本当にうれしいです。ありがとうございます」と仰って、ヘアアーティストさんたちがカットする場所を提供してくださいました。
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甲子町は釜石市の内陸側に位置する町。震災後3日間、電気、水道、ガスが止まるという被害はあったが、津波や火災による被害はなく住居の崩壊が少なかったため、ここに住む親戚、友人を頼りに、他地域で家をなくした母子が避難していた
9:30~ カフェアッサム(釜石市甲子町)にて助産師、被災母子との座談会
県立釜石病院の助産師さんたちに囲まれる冨永愛さん。
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釜石市と周辺の市町村(大槌町、遠野市、山田町)には、産婦人科医がいません。県立釜石病院には、産婦人科はありますが、院内助産システムといって、16人の勤務助産師が中心になって、外来の妊婦健診(助産師外来)から、お産・産後の手当て、育児相談など継続的なケアを行っています。
ジョイセフスタッフがこのカフェで出会ったお母さんたちは、ほとんどがこの釜石病院で出産していました。
「熱心でやさしい助産師さんたちばかりだから、安心できる」
「初めてのお産だったけど、助産師さんたちが明るく楽しく勇気づけてくれて緊張が解けた」
「病院に乳児健診に行くと必ず笑顔でお話ししてくれるから、子どもも助産師さんのことが大好きなの」
とみなが助産師さんたちのことを、第二の母のように慕っていたのが印象的でした。
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IBC(岩手)放送の電話インタビューを受ける冨永愛さん
11:30~ 釜石市役所、保健福祉センターにて職員の皆さんと
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昼夜、復旧活動を行う市役所や町役場の職員の皆さんも被災者です。津波に襲われ、命からがら泳いで逃げた、家族を失った、家が流された、そんな経験をしていても、住民の命を守るために休みなく働いていました。「弱音を吐いている時間などなかった」と皆さんがそう話してくれました。
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保健師の洞口さん、「冨永さんが職員に会いに来てくれるなんて。うれしい。みんな3カ月頑張ってきた甲斐があったよね!ここまでがんばった神様からのご褒美だ」と涙
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迷っていたけど、やはり来て良かった。私は、ここ被災地とつなぐ橋になる」と冨永さん
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震災直後に、雪が降る中、懐中電灯片手に薬を持って山を越え避難所に向かった保健師の松田さん。震災後は1日たりとも休まず働いていて、冨永さんに会えるのを楽しみにしていました。この日は松田さんはじめ16人の保健センターの職員がヘアカットのサービスを受けました
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保健師から「被災後で不安を抱えている妊婦さんを励ましてほしい」との依頼を受け、市役所の窓口に母子健康手帳をとりに来た妊婦さんに話しかけていた冨永愛さん
14:30 大槌町 城山体育館(避難所)到着
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避難所の方々も冨永愛さんのサプライズな登場を喜んでれました
待っていてくれたのは大槌町職員の黒澤さんと、助産師さんたち。
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被災地の女性たちのケアやサポートをする町役場の職員や保健医療従事者の皆さんが、誰よりも気丈で明るく、前向きであることに感銘を受けました。その姿勢に被災女性たちがどれほど励まされているか、胸を打たれました。今も、片時も休まず被災女性、妊産婦、母子の健康のために励んでいることでしょう。彼女たちの活動をサポートすることは、ジョイセフの重要な支援活動のひとつだと改めて痛感しました。
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「私また絶対ここに来る。今日私が感じたことは東京に帰って伝えたい。それが私の”橋”の役目」との言葉を残して被災地をあとにした冨永さん。
一刻も早く、被災地の皆さんが震災前の暮らしに戻れるよう、ジョイセフは、アンバサダーの冨永愛さんとともに支援の呼びかけをし、地元の助産師さん、保健師さんとともに、引き続き支援活動を続けていきます。