カンボジア:「再生自転車ワークショップ」開催
2012.1.12
- レポート
- カンボジア
MCCOBA(再生自転車海外譲与自治体連絡会)は、これまでカンボジアに対し約3000台(1997年から2010年まで)の再生自転車を譲与してきましたが、すべて組立て済みの完成自転車だったため、1回の輸送で最大で165台しか寄贈できないという経費と効率性の課題がありました。
これらの課題を解決するために、MCCOBAでは、2011年からは分解した自転車のパーツを送り、現地で組み立てる方式を採用しました。これにより、1回の輸送で450台分の自転車のパーツを贈ることができるようになります。
ここで、ポイントになってくるのが、分解したパーツからの自転車の組立てです。
今回450台の分解自転車を輸送するにあたり、MCCOBAでは、2011年11月15日から17日の3日間、再生自転車を組み立てる技術者を養成するためのワークショップをカンボジアの首都プノンペンで開催しました。
オープニングセレモニーでは、MCCOBAより、ジョイセフのパートナー団体のIPPFカンボジア(Reproductive Health Association of Cambodia(RHAC))と行政の関係者らに対して、再生自転車海外譲与事業の母子保健支援の目的と役割、安全性を届けるための仕組みについて紹介しました。
その後、10名の研修生は、日本から派遣した技術者から再生自転車の組立てとメンテナンスの技術を習得しました。
ワークショップ参加者からは、「自転車の組立てがこんなに大変だったなんて知らなかった」といった苦労話から、「これまで自己流で組立てしたことはあったけれど、ノウハウとメンテナンスの技術を学べてよかった」などなどのコメントが寄せられました。
今回ワークショップに参加したIPPFカンボジアのスタッフから他のスタッフへ更に技術移転がなされることを期待しています。
母子保健ボランティア
MCCOBAの再生自転車は、IPPFカンボジアの母子保健ボランティアに寄贈されます。
母子保健ボランティアは、家族計画や母子保健、また疾病予防に関する知識や予防接種の情報について村人に伝えるために、再生自転車に乗って村の家々を訪問します。また、住民が集まる場所に出かけて行って、健康教育も行います。
日本から贈ったMCCOBAの再生自転車のおかげで、「健康にとって大切な情報をすぐに村人に伝えられるようになった」と母子保健ボランティアのルーンさん(55歳)。
「命を救う足」として、母子保健ボランティアは再生自転車を活用し、安全な妊娠と出産、そして村人たちの健康を守っています。