Think globally, act locally. Think locally, act globally

2012.8.27

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  • ジョイセフコラム

最近、私はこの言葉の重要さを再考しています。
とりわけ、国際的なアドボカシー(政策提言)活動や現場での国際協力活動をともに実施する者としては、「座右の銘」としておかなければならない基本的な考え方であると思っています。
私たちジョイセフは、開発途上国での地域に根差した母子保健活動を長年行ってきています。私自身もその役割を長年果たしてきているつもりです。それは、現場で知り得る地域や人々の状況や、改善しなければならない課題をもとに、その地域やそこに住む人々の生活や健康などのニーズに応える協力とは何かを考え、地域の人々とともに活動を計画し実行する(協働する)ことにあります。そして、それを実行に移した場合は、常に、地域の人々とともに、その活動をモニタリングし改善し、当初の目的を達成できるか否かを、ともに検証し、次のアクションにつなげていくという「計画→実施→モニタリング」活動の連鎖であると思っています。
また、私たちの役割は、でき得る限り、それを世界的なアドボカシー(政策提言)にまで持っていき、ローカルのニーズに応えるために、より良き戦略を組み立て、国際的な支援をさらに拡大していくというプロセスが続きます。現場の状況をどのように国際社会に伝えて、理解してもらうのか、また、どのようにしたら相応しい政策や支援ができるのか。また、そのためにどのようにしたら必要なリソースが獲得できるのかを、考えなければならないと思うのです。
当然、上から下への押し付けがあってはいけません。グローバルな考え方が常にローカルに相応しいとは限りません。あるいは、新しい価値観がその地域の人々によって受け入れられるためには、相当の時間をかけなければならないことも多いと思います。時間をかけることも私たちの使命なのです。とりわけ保健活動は意識や行動変容につながっており、時間を要するのです。
常に、私たちは、グローバルな視野で考えて、ローカルで行動する。ローカルで考えてグローバルに行動する。この両方からアプローチがなければならないと思います。現場からの声を具体的な政策にし、政策はまた現場からのフィードバックによりさらにより地域に根差した政策に改善されていかなければならないと思うのです。
また逆に言えば、ジョイセフのように、妊産婦や女性の命と健康を守る地域活動を行っているNGOだからこそグローバルとローカルの両方からのアプローチができるのではないかと信じています。アジアやアフリカの農村と国際社会を直結できる立場にジョイセフは常にいると考えます。
(2012年8月、東京にて)