ジョイセフ・カレッジTOHOKUレポート -3-
2013.11.1
- 東北の女性支援
- 実施レポート
- 9月7日(土) 講師:向田麻衣さん
この日の講師に迎えたのは、化粧品の力を使って、人身取引の被害にあった女性たちのエンパワーメントを行うCoffret Projectの代表の向田麻衣さんです。 震災後には、株式会社Lalitpurという自然派化粧品の会社も設立されました。ネパールで、現地のハーブを使ったソープなどを製作し、本社を石巻市に設立することにより、ネパールと石巻の雇用を促すことに貢献しています。
向田さんは、高校時代に単身でネパールへ行く程の行動力の持ち主。ネパールで出会った女性たちを「助けてあげたい」という思いではく、「一緒に何かをしたい。人を喜ばせたい・・・」という思いで、Coffret Projectを立ち上げられました。そして、震災後に起業されたお話の中には、起業の事務処理から、協力者を探すこと、資金収集などの初めての作業を手探りで始めたことなど、アドバイスと共に苦労したことも淡々と笑顔で話されました。助成金や支援金の申請方法など、起業したいと思う受講生に役立つ、具体的な情報も教えていただきました。
また、これまでの「ビジネス」というのは、権力だったり虚栄心だったりと、男性の思考で作られてきているのが現状。でも、これからは上場を目指すだけではない、女性的な考えのビジネスもあるのではないか、ということも加えていました。
資金やネットワーク、専門知識もあまりなかったところから、「やりたい」という強い思いを原動力としてプロジェクトを立ち上げ、自分の信じる思いをミッションに起業に至った向田さんのお話は、受講生にも勇気や自信を与える講義でした。
受講生たちの声
- 「『やりたいことをやる・計算しない・嘘をつかない』、そんな向田さんの情熱が形になっているのだなと感じました」
- 「私がなかなか公に口にできずにいた、やりたいことをお話しする機会をくださり、本当にありがたかったです。やっていいんだなという安心感をもらいましたし、いろんな方法があるんだと知りました」
- 「『自分が腹の底からしたいこと、自分が本当にやりたいことをやっていく』。このことが“どんなノウハウよりも一番大切なこと”というのが、麻衣さんの講義から伝わってきました」
- 9月8日(日) 講師:遠藤幹子さん、ユーゴさん
この日の講師はお二人でした。まずは一級建築士であり、ジョイセフのザンビアのプロジェクト地で建設したマタニティハウスの設計、指揮監督も担った遠藤幹子さん。そして、お二人目の講師は、布ナプキンなどを制作し、販売している、touta.の代表であるユーゴさんです。この日は、遠藤さん、ユーゴさんに、お二人のそれぞれのこれまでの歩みからお話から始まりました。
まず遠藤さんには、オランダに留学していたときのこと、そして娘さんを出産して、その後一級建築士として働きながら苦労したこと、また挑戦してきたことについて話していただきました。次にユーゴさんには、彼女が現在の会社を一から立ち上げた経緯や、苦労、自分がなぜ布の端切れで布ナプキンを作り始めたかなど、熱い思いについて語っていただきました。
お二人とも、現在は成功しているように見えますが、これまでの道のりは平坦な道のりではなく、現在も、様々な紆余曲折があるとおっしゃいます。でも、共通して点は、「野望はどんどん口に出していく」ということです。自分の夢を口に出していくことで、それに共鳴してくれる人や、助けてくれる人が現れたりすることもあるとのこと。「こうあるべきじゃないか」「こうなって欲しい」ということを、絵に描いたり、お二人でよく「野望会議」も開いたりするそうです。ただ、描くだけではなく、その野望に向かって、努力をすることは絶対に必要で、そうすれば実を結ぶ時がくるとのこと。
この流れを受け、この日の後半は、「野望会議」の決行です!それぞれの野望を吐き出して発表していく会議です。野望が叶うか、叶わないかは後回し。自分の叶えたい野望を書き出し、皆で共有をしていく作業です。大きな盛り上がりの中、受講生たちの、たくさんの野望が出てきました。
受講生たちの声
- 「なんとかなる!声に出すこと、考えること。また、大変、労力、努力が必要という言葉は、やって来た人だからこそ、真実味があって胸に響きました」
- 「まずは口に出すこと。それをワークショップの中でなかば強引に引き出されたのは自分がこう思っているんだ、ということを気づくよいきっかけになりました」
- 「とりあえずやってみたいことをやってみるかぁ~!!!と思いました。野望を口にしてコミットすることで、他者にも自己にも確認作業ができ、その立ち位置につくことができると思いました」
- 「『入口はかわいい』『わ、なにこれ、楽しそう~おもしろそう~』を大切にすること、という気づきをいただきました。私も、女性のもつ『細やかさ』をこれからの時代に発信していく一人でありたいです」
- 「野望は口にすべし、描きまくるべし、言い続けていれば、仲間とチャンスが寄って来る!そうだと思いました。心に持ち続けていても、誰にも気づいてもらえないけれど、口にしていれば、人が寄って来て、きっかけになる…。真似したいと思います」