草の根の啓発活動-地域ボランティア育成とドラマを通じた行動変容-
2014.4.16
- ガーナ
- レポート
母子保健や家族計画などのサービスの利用を促すため、プロジェクトでは1年目からプロジェクトスタッフが村を回ってRHに関する映画上映を通して住民との集会を行い、RHセンターやサービスの紹介、なぜ利用するべきなのか、RHの重要性や正しい知識などについて啓発活動を行っています。また保健スタッフが村へ巡回診療する際にも健康教育を行い、より多くの住民に知識を伝えるとともに、身近にできた保健施設でのサービス利用を勧めています。またプロジェクト2年目の2013年には、各地域から選ばれた地元の住民、計87名を地域ボランティア(CBSA: Community based Service Agent)として育成しました。彼らはそれぞれの地域へ戻って家庭訪問、個別面談、グループセッションなどを通じて、他の住民にRHに関する情報や保健施設サービスの利用、家族計画の重要性を伝える活動を始めています。またコンドームを配付したり、RHセンターの利用を促したり、時には不安を感じる住民に付き添って保健施設へ同行したりもします。毎月1回集まって、活動報告や課題などを話し合う場を持ち、活動継続への動機付けにつなげています。
この地域ボランティアは、今後、診療所の保健スタッフや地域保健運営委員会と連携し、保健サービスと地域住民をつなぐ担い手として地域での保健増進活動を推し進めることが期待されています。彼らにはムコーバ(再生自転車海外譲与自治体連絡会)を通じて譲与された再生自転車が提供され、地域で活動する際の移動手段として活用されています(詳細はhttp://www.joicfp.or.jp/jp/activity/how/commodities/recyclebicycle/)。
この地域ボランティアは、今後、診療所の保健スタッフや地域保健運営委員会と連携し、保健サービスと地域住民をつなぐ担い手として地域での保健増進活動を推し進めることが期待されています。彼らにはムコーバ(再生自転車海外譲与自治体連絡会)を通じて譲与された再生自転車が提供され、地域で活動する際の移動手段として活用されています(詳細はhttp://www.joicfp.or.jp/jp/activity/how/commodities/recyclebicycle/)。
こうしたRHセンターからの巡回診療および映画上映会、そして地域ボランティアによる啓発活動の結果、2013年は年間でのべ1万6000人以上がプロジェクトによる啓発活動に触れました。
1年目に作成したBCC(Behaviour Change Communication 行動変容のためのコミュニケーション)計画策定の中で、一般住民にとってはラジオが重要な情報源であること、また地方歌劇団による寸劇も効果的であることが挙げられました。そこで、これらの方法を使ってメッセージを伝えることにしました。また住民への聞き取り調査の結果、住民がRHサービスを利用する上では、保健施設へのアクセスの問題に加えて、夫からの理解や協力の不足、また家族計画に対する誤解や偏見なども阻害要因になっていることが分かりました。そこでジョイセフの持つ「開発コミュニケーション」の専門性を生かし、カウンターパートとともに、これらの3つの障害を乗り越えるためのドラマを作り、地元で活動する歌劇団に青空演劇(コミュニティドラマ)として指導を行いました。この青空演劇を通して、地方歌劇団が村の各地での冠婚葬祭など人が多く集まる機会に演じ、見る人が楽しみながら自然にメッセージを受け取ることで、意識や行動の変化につながることを狙っています。また同じ台本を使ってラジオドラマも制作してコミュニティの有線放送等で放送し、より多くの住民にメッセージを届けられるよう努力しています。
さらに地域の児童が描いた太陽とお母さんの笑顔の絵をモチーフに、ロゴ(コモンモチーフ)を制作しました。地域の中で、複数の、人目につく場所に掲示することで、統一されたイメージによるプロジェクトの宣伝効果につなげることが狙いです。
- 目的
- 安全な妊娠・出産に焦点を当てた、質のよいリプロダクティブ・ヘルス(RH)サービスの提供と、住民に対する草の根の啓発活動を通した、対象地域の妊産婦の健康の改善
- 実施地域
- イースタン州コウ・イースト郡ヴォルタ川地区
- 実施期間
- 2011年11月~2014年12月
- 支援機関
- 外務省(日本NGO連携無償資金協力事業)
- 現地協力団体
- ガーナ家族計画協会(IPPFメンバー団体)・ガーナ国家保健サービス