第47回国連人口開発委員会
2014.5.9
- お知らせ
ジョイセフは、国連経済社会理事会(UNECOSOC: United Nations Economic and Social Council)の諮問機関としての資格をもっているので、このような会合の場での活動ができるのです。人口開発委員会は、47カ国の加盟国で構成され、人口の変化とそれが経済や社会に与える影響について研究し、経済社会理事会に助言を与えるものです。
その主要な責任は1994年の国際人口開発会議(ICPD:International Conference on Population and Development)で採択された行動計画の実施を評価することにあります(注)。
2014年は1994年の国際人口開発会議からちょうど20年の節目の年であり、またミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)の達成年まであと1年ということもあって、ICPD行動計画の達成に向けた各国の活動内容、進捗状況、課題について報告されると共に、ポストMDGsを見据えた議論が交わされました。
各国の報告内容は1994年当時のICPD行動計画に掲げられたテーマを反映して多岐にわたり、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」、「女性のエンパワーメント」、「ジェンダー平等」、「女性に対する暴力」、「人権」、「教育」、「若者」、「高齢化」、「慢性疾患」などの課題が取り上げられていました。とりわけ、1994年当時からの世界的な人口構造の変化や新興国の台頭を受けて「高齢化」、「慢性疾患」、「都市化」などの新たな課題が多くの国々から聞かれたことは時代の変化を感じさせるものでした。
また、世界各国から人口問題に関わるNGOが参加しており、「中絶の合法化」、「包括的な性教育の推進」、「同性愛者の権利」、「若者の権利」等を声高に主張していました。
ジョイセフは、東京連絡事務所を務める国際家族計画連盟(IPPF)と協力し、日本を含むアジア・大洋州の26カ国による合同ステートメントに「包括的な性教育の推進」、「各国の法律に基づいた安全な中絶へのアクセス」など、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第6回アジア太平洋人口会議で合意された内容を盛り込むことができました。ステートメントが読み上げられた時は会議場内に歓声が沸き起こり、5日間の会期中で最も盛り上がった場面のひとつでした。
今年9月にはICPD行動計画フォローアップの国連総会特別セッション(Special Session of the General Assembly on ICPD beyond 2014)が開催されます。ここでは2014年以降の人口と開発課題の取組みの方向性について報告されます。現在、ポストMDGsの開発枠組づくりも進められています。2014年は人口と開発課題の今後を決める上で重要な一年となります。ジョイセフはIPPF、NGO、外務省、国連機関、企業などとともに、女性の健康と権利の推進を目指して開発枠組づくりにかかわっていきます。
(注)国際連合広報センターホームページ
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/population/