(最新版)「妊産婦死亡の動向1990-2013」発表: 世界の妊産婦死亡数は年間28万9000人

2014.5.13

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  • ジョイセフコラム

2014年5月6日、世界保健機関(WHO)、ユニセフ、UNFPA、世界銀行、国連人口部により、『妊産婦死亡の動向:1990‐2013(Trends in Maternal Mortality:1990-2013)』が発表されました。
前回の発表は2010年の数値でしたが、今回は2013年の推計値をもとに作成されています。

 前回よりも、妊産婦死亡数は、28万7000人(2010年)が28万9000人(2013年)に微増しました。これは、世界で、一日に約800人が妊娠と出産が原因で死亡しているという計算になります。

1990年の54万3000人と比べると45%の減少となっています。
ただし、ミレニアム開発目標(ゴール5)の妊産婦の健康改善でターゲット5.Aで提示された「2015年までに妊産婦死亡率を1990年の水準の4分の1に削減する」はいまだに達成されていないのが現実です。

 サハラ以南の地域が全妊産婦死亡数のうちの62%にあたる17万9000人を占め、南アジア地域が24%の6万9000人を占めています。

妊産婦死亡率(MMR)は、世界平均では、1990年に出生10万対380であったものが、2013年には210に改善されていますが、開発途上諸国だけを見ると230で、先進諸国(16)の約14倍となっており、特に、サハラ以南地域が最も深刻で、510と報告されています。

 妊産婦死亡率で最も高い国は、シレラレオーネで1100、以下MMRが500を超える16カ国は下表の通りです。16カ国はすべてサハラ以南の国々で、他の地域では、アフガニスタン(400)とハイチ(380)などが依然としてMMRが高いと報告されています。
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依然として妊産婦死亡率の削減が遅れている国々は、経済的にも最貧国のグループで、貧富の差や都市と農村などの地域間格差の大きいところであり、さらには内戦、政治的混乱などを抱えた国々に多いことも分かります。

 ジョイセフとしても妊産婦の健康改善のために、さらなる尽力をしてまいります。

 (2014年5月7日、東京にて)