GIRL meets GIRL College 第8回 Hope Tomorrow 電通ギャルラボ、浅村里紗(ジョイセフ人材養成グループ) 「ドリーム・アクション・プラン発表+修了式」
2014.7.22
- イベント告知
- 実施レポート
従来の途上国支援の効果的手法として用いられてきた、人びとの義務感、正義感に訴えかけるものとは全く発想を変え、「カワイイ」「楽しそう」から女の子の心を動かし、アクションへとつなぐことはできないかと考え、始まったGIRL meets GIRL プロジェクトのこと。また、そこから生まれた「チャリティーピンキーリング」や女の子のための教科書『世界女の子白書』のことなど、チャリティにはまったく興味のない層を取り込む電通ギャルラボならではのユニークな仕事観が展開されました。
電通ギャルラボの小川さん曰く、人に行動を起こしてもらうためには、ターゲット(誰に?)、行動(何を?)、気持ち(どんな気持ちで?)、目線(誰目線で?)、入口(何をきっかけにして?)の5つのファクターの選定が重要とのこと。GIRL meets GIRLプロジェクトでは、徹底してターゲットを「女の子」に絞り、「知る、考える、寄附をする」の行動を起こしてもらうために、「ワクワク、楽しい、キュンキュン」の気持ちを通して、「対等な目線」のもと、「ファッションや恋愛、ビューティー」といった楽しい入口をきっかけに始められる「社会貢献」の提案を行っています。そこに込められる願いはただひとつ。「世界のすべての女の子がしあわせになりますように」との真摯な想いに他なりません。
広告会社によるマーケティング手法のお話が中心でしたが、「人を動かすためには?」とのすべての業種に共通するストラテジー満載のお話だっただけに、受講生たちもメモを取りながら真剣に聞き入っていました。
続いて、ジョイセフの浅村が「ジョイセフの根っこ」と題して、冒頭で、2人の運動家について紹介しました。加藤シヅエとマーガレット・サンガーは、まだリプロダクティブ・ヘルスという言葉もなかった頃から、日本とアメリカと異なる場所で、それぞれに家族計画によって女性の健康と権利を守る活動に力を入れていました。94年前の2人の「GIRL meets GIRL」は、やがてサンガーを中心にスウェーデンのオッテセン・ヤンセンやインドのラマ・ラウなどの賛同者を得て設立された国際家族計画連盟(IPPF)を核として、二人が目指したビジョンはジョイセフの活動の礎となって、受け継がれています。
しかしながら、世界には今なお毎分152人の割合で女性が望まない妊娠をし、その結果、安全でない人工妊娠中絶によって、多くの命が失われています。だからこそ、ジョイセフはリプロダクティブ・ヘルスがすべての人の権利として認められる社会を目指し、日本の経験が散りばめられた住民主体による手法によって、プロジェクトを展開していることなどを訴えました。
最後に浅村は、「すべての人が自分の体をコントロールできることにより、自分の人生を導くことができること」「子どもを産むか産まないか、いつ産むか、何人産むかを自由に自己決定することができ、生涯を通して心身ともに健やかに、望まない妊娠や性感染症におびえることなく、性生活を安心して営めること」の2つの目標を掲げ、「これからも住民同士が手を携え、ともに向上していける社会づくりのために、ジョイセフは人と人をつなぐ役割を果たしていきたい」と話し、講義を閉じました。
ここで、「ドリーム・アクション・プラン」の発表の前に、ちょっとブレイク。考えてきてもらったプランをもとに、想像のピンキーリングを作るワークショップに挑戦してもらいました。まだ何色にも染まっていないリングが書かれた紙を渡し、自分のプランが「誰の、そして何のために行うプロジェクトなのか?」、また「プロジェクトを達成したときの自分の気持ち」に加え、それぞれの気持ちに対するイメージカラーを考えてもらい、自分だけの“ドリーム・アクション・リング”を書き出しました。叶えたい夢からイメージされた2色のカラーで作り上げた世界にたった一つのリングについて、グループ内で共有する受講生の顔は、これまでで最高の輝きを放っていました。
- 久保希梨子さん
- 女性がジェンダーにとらわれることなく、主体的に考え、責任を持ち、自由に生きていける社会づくりに貢献する。
- 大社明花さん
- 母となり、家族や仲間にとって居心地のよい、何か発信していける存在になる。
- 田所夕奈さん
- 若い世代が幸せな恋ができるように、気軽に性教育や恋愛相談ができるカフェをつくる。
3人の力強いプラン発表は、会場のすべての受講生から拍手が湧きあがりました。
受講する女の子と途上国の女の子が一緒にエンパワーしていくことを目的に始まった今回のGIRL meets GIRL College。それぞれに描いていた漠然とした夢が、いま鮮やかな色をつけ、スタートラインにつきました。これからは、受講生一人ひとりが夢の達成に向け、誰のために、何のために、そして達成されたときの自分の気持ちを意識しながら、歩き出すこととなります。
「夢を叶えようとする皆さんの指には、ドリーム・アクション・リングがついていると思います。これからもそのリングのことを折に触れて思い出し、夢を達成してくださいね」と浅村。
約2カ月にわたるカレッジが終了しました。
その他の講義はこちら
http://www.joicfp.or.jp/jp/2014/03/31/22267/