ピア・エデュケーターやコミューン関係者とのワークショップを開催

2014.9.30

  • レポート
  • カンボジア

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2014年9月にジョイセフから専門スタッフを派遣し、前月に基礎研修を終えたばかりのピア・エデュケーター17名とコミューン関係者5名の計22名を対象に、コミュニケーションをテーマに2日間のワークショップを公益財団法人JKAの補助金により開催しました。

ワークショップ1日目は、妊娠や出産を含め性と生殖に関する体のしくみをしっかりと理解できるように、マギーエプロン(エプロン型リプロダクティブヘルス教育教材)の使い方を説明し、実践してもらいました。

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2日目は、ピア・エデュケーター自身がコミュニティで啓発活動を行う際にうまく答えられるかどうか不安に感じていたり、疑問に思っていたりする性と体に関する質問、つまり教科書やマニュアルにはのっていない「そこが知りたい!」の質問を各グループから出し合ってもらい、IPPFカンボジアの専門スタッフの指導も得ながら、望ましい回答案をみんなで検討しました。

最終的に10個に絞った質問と回答は、参加者自らがスゴロクゲーム (若者の保健に関する知識を楽しく学ぶためのゲーム)に記入しました。できあがったスゴロクゲームは実際に体験してもらい、楽しんで学ぶ方法について学びを深めました。
完成した10個の質問と回答は、若者視点の情報としてウェブサイトにもアップし、カンボジア全国の若者たちに発信していきます。

若者が主体となる取り組みを成功に導くためには、周囲の大人からのあたたかなサポートづくりが不可欠です。そこで、ワークショップには、コミューンの代表や高等学校の先生、政府の施設である保健センターの看護師など、コミュニティの大人にもオブザーバーとして参加してもらいました。
自分たちの発言にじっくり耳を傾け、また時には助言をしてくれるコミュニティの大人たちからの期待と声援は、ピア・エデュケーターにとって大きな刺激になったと思います。

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例えば、避妊の話。
避妊方法の種類はたくさん知っていても、なぜ、そしていつ避妊をしなければならいのか説明するのは簡単ではありません。月経や妊娠などの体のしくみと関連付けるだけでなく、自分やパートナーを大切に思う気持ちや将来の夢や希望の実現とも結びつけながら包括的に説明することが大事になります。

ピア・エデュケーターは、ジョイセフスタッフから説明を受けた後、まずはそれぞれのグループで、四苦八苦しながらもマギーエプロンを使いながら説明を練習し、その後参加者みんなの前で発表を行いました。


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ワークショップに参加した若者たちからは、新しい知識を身につけることができて自信がついたといったコメントの他、ピア・エデュケーター同士の交流を深めることで団結心が養えたといったコメントも多く寄せられました。

コミュニティの若者たちの命と健康を守るピア・エデュケーターのこれからの活動に期待をしたいと思います。

(※)2014年度のピア・エデュケーターの育成研修や活動などは、公益財団法人JKAの競輪の補助金を受けて実施しています。