18億人の力:未来を変革する若者たち-世界人口白書2014発表
2014.11.18
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- ジョイセフコラム
2014年11月18日に、2014年の『世界人口白書』が世界同時発表されました。今年のテーマは、「若者たち」。世界の総人口73億人の約25%である18億人を占める大きな人口集団となっています。もし、適切な投資が若者にされたならば、若者たちが、未来を変革する集団となります。この白書に関しては、若者たちを10歳~19歳の思春期人口(adolescent)と15歳~24歳の若者人口(youth)を併せて、10歳~24歳の人口集団を青少年(young people)とし、白書ではそれらを総称して「若者たち」と呼称しています。
今年の白書は、人口転換がもたらす人口配当(人口ボーナス)と結び付けて広く議論しています。かつて日本も、戦後の高度経済成長を成し遂げた人口集団は若者たちでした。日本は人口ボーナスを有効に活用した経験を持っています。その意味から、われわれ日本人からみれば、人口の4分の1を占める多くの開発途上国での若者たちの活用やその若者たちへの投資が重要であることは、喫緊の課題であることは明白です。
若者への、保健サービス、質の高い教育、職業訓練などをはじめ雇用の促進、企業環境を作り出す健全なガバナンスの確保等を提言しています。そして、これらの投資を怠った場合、または少ない場合は、経済成長が遅れるばかりではなく、若者たちの不平不満が、不平等への怒りが蓄積され、政治的不安定につながりかねないとも、白書では言っています。
途上国で若者を取り巻くさまざまな障害としては、人権の侵害(FGM、性暴力、児童婚など)やセクシュアル・リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の情報やサービスへのアクセスの不足、ジェンダーによる差別などの課題が白書で指摘されています。
これらの背景をもとに白書は、政策、投資、人口転換を連動させることを各国政府に提言しています。若者たちを中心に据えた持続可能な開発の構築を、ポスト2015の新たな開発の枠組みにも組み入れることを提案しています。人口ボーナスを獲得するためにもポスト2015に若者たちを中心におくことが必須であることが強調されています。
ジョイセフとしても、若者たち、とりわけ女性の課題を中心にしっかりと向き合い、引き続き取り組んでいく所存です。
(2014年11月、東京にて)