国連新人口推計:2100年の世界人口は112億人へ増加、その時日本人口は8300万人に減少

2015.8.31

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2015年7月29日国連経済社会局は新しい世界人口推計を発表しました。
依然として、世界人口は増加し続けることとなります。
2050年には約97億人、今世紀末の2100年には約112億人になると推計されています。現在2015年の世界人口が73億人ですから、2100年には、世界人口は現在の約1.53倍に増大します。
世界の人口順位も変わります。
現在第2位のインドが2022年にはトップになり、2100年には16億6000万人へ、中国が2位になり10億400万人へ、そして、ナイジェリア、米国、コンゴ、パキスタン、インドネシア、タンザニア、エチオピア、ニジェールが続きます。10位までにアフリカから5カ国が入ることになります。そして、その時、日本は8300万人で世界第30位となります。
世界人口の高齢化はさらに進展します。
世界の平均寿命は現在のほぼ70.5歳が、2095年~2100年には83.2歳になる見通しで、
日本は、83.3歳から93.7歳に延伸するとしています。
寿命が延びるのは人類の夢のひとつであったと思いますが、単純に年齢が延びることではないと思います。
健康寿命をどのようにして延ばすかということだと思います。
人口推計は多くの課題を私たちに提示しています。
わたしが、特に気になるところは、地球の扶養する力です。
水は、食糧は、石油等エネルギーは大丈夫なのか。
都市化の問題は、環境の問題等はその時までにしっかりと対策がとれるのでしょうか。
多くのことが頭をよぎります。
1974年の世界人口会議の時には、限られた資源と人口増加のバランスが世界中で大きく取り上げられていました。「人口爆発」や「宇宙船地球号」などのキーワードが使われていました。しかし、それ以降、このテーマに触れることが減ってきています。
人類はそれらの課題をすでに解決できたのでしょうか。
心配しているのは私だけではないと思います。
人類の知恵は今までも多くの問題を解決してきましたが、21世紀の最大の課題は、増大する世界人口なのかもしれません。そして、それにどのように対応するのかが、人類に試されているといえます。
一方、日本の人口は相当の勢いで超少子超高齢社会に入っていきます。
ある程度安定した人口が欲しいと思う人も多いと思います。
しかし、その前提条件として、女性の就業、出産や育児環境の抜本的な改善が行われなければ少子化を好転させることは相当難しいと思われます。
日本は世界のマクロの人口増加を見つめながらも、足元では、丁寧な女性支援、出産・子育て支援の家族政策をしっかりと打ち出していかなければならないと思います。
日本のリーダーたちの英知に期待します。
(2015年8月、東京にて)