持続可能な開発目標(SDGs)(2016~2030)
新たな地球規模的チャレンジへ

2015.10.23

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  • ジョイセフコラム

多くの報道が伝えているように、去るニューヨーク時間の9月25日の国連特別総会(国連サミット)においてSDGsが国連加盟193カ国の全会一致で採択されました。

ミレニアム開発目標(MDGs)の後継開発目標であり開発の新たな指針(アジェンダ)として、各国および国連・国際機関が過去3年の月日を費やし議論してきたSDGsがここに採択されました。まずは今までの各人の努力を賞賛し、採択までこぎつけたNGOも含めた多数の関係者に心からの敬意と謝意を表したいと思います。

さて、ご存知の通り、SDGsは2016年から2030年までの15年間に国際社会が達成すべき開発目標であり、国際社会の新たな指針となる重要な目標です。今後はそれぞれの目標をいかに実践し、計画通りに成果を上げるかに焦点が移ります。アクションが問われています。

SDGsの特徴としては、それ以前のMDGsの8目標から大幅に増え、ほぼ倍増の17目標となったことが挙げられます。

17の目標の中には、目標8のように経済成長や雇用に着目したものあれば、目標13のように気候変動への対策などと、新しく掲げられた開発目標が含まれています。

どの目標もひとつひとつが20世紀の終わりの10年に開催された国際会議それぞれ一回分の重さと内容を含んでいると言っても過言ではありません。17目標がそれぞれのターゲットを持ち、ターゲット数では合計で169となっています。

私の記憶では、8ゴール・21ターゲットのMDGsも、各国で実務者レベルにまで浸透するのに相当の時間が必要でした。それが今回はその2倍のゴール数、8倍のターゲット数となりました。理解するだけでもさらに時間や労力がかかるであろうことは十分想像可能です。もちろん、すべての人にすべての目標やターゲットが必要ではないと言えばそれまでですが、全体像の中の連携協力部分を知りたければ、まずは「森」を見なければならないとも思います。

また、数だけの問題ではなく、今回は、地球と人間に係る幅広く包括的な開発目標の設定となっています。これらを実際活動のレベルまで落として、関係機関や関係ステークホルダーに周知し、実施・モニタリングするとなると、実に気の遠くなるような時間と労力が必要となるのではないでしょうか。決めたのはよかったけれど、絵に描いた餅となってしまってはならないと思います。

とりわけジョイセフのミッションや活動項目と関連する、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)分野」は、2つのゴールのもとにターゲットとして入っています。それらは、目標3.の「保健ゴール」で、「家族計画も含むセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・ケアサービスのユニバーサルアクセスの確保」、そして目標5.の「ジェンダーゴール」で、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスおよびリプロダクティブ・ライツ」として組み込まれました。ジョイセフはこれらの目標における女性の健康と権利の視点が揺らいではならないと引き続き訴えてまいります。

ジョイセフはSDGsの進捗を監視しながら、実践のみならず、アドボカシー活動や啓発活動を強化することが責務であると考えます。皆さまのご支援ご協力を改めてお願い申し上げます。  

(2015年10月、東京にて)