5年ぶりに出生数が増加:100万8000人

2016.1.8

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  • ジョイセフコラム

昨年2015年の出生数が厚生労働省発表によると100万8000人で5年ぶりに増加しました(2016年1月1日付人口動態統計年間推計、推計値は2015年の1月から10月の速報値を基に1年分を推計算出しています。2015年の確定値は2016年9月に公表されます)。
この推計値によると、特に30代女性の出産が目立ち全体の出生数を押し上げたと解説されています。その理由として同省は「雇用情勢の改善などが影響した可能性がある」と分析しています。
出生数が200万人を超えた第2次ベビーブーム(1971~74年)をピークに、出生数は減少傾向が続いていました。2014年が100万3539人(確定値)で、当時、出生数が近いうちに100万人を割るのではないかとみる専門家も多くいました。
今回の推計値では2015年生まれの赤ちゃんは2014年よりも4000人増加したことになります。また30代の女性の1~6月の出産数が前年より1万人多かったこともわかりました。
 

戦後最多の死亡数:130万2000人-続く人口減少

死亡数は前年比2万9000人増の130万2000人で戦後最多となりました。死因は、ガンなどの悪性新生物(37万人)、心疾患(19万9000人)、肺炎(12万3000人)の順でした。2015年は出生数より死亡数が多く、依然として人口は減少しています。減少幅は29万4000人で、1899年に人口動態統計を取り始めた以降で最大減少幅となっています。

婚姻63万5000組・離婚22万5000組

婚姻件数は前年比9000組減の63万5000組。離婚件数は同3000組増の22万5000組でした。
このような状況を踏まえての私見ですが、女性やカップルの出産と育児の環境はまだまだ改善の余地が多いと考えています。少子化対策や出生率の回復を目的にした政策でなく、個人やカップルの希望や生活に寄り添う健康および福祉の豊かさを目指す包括的で一人ひとりに優しい政策や制度設計が求められていると思います。日本政府や地方行政のさらなる努力をお願いします。

(2016年1月、東京にて)