平均寿命さらに延びる :女性87.05、男性80.79歳
2016.8.5
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平均寿命、過去最高に
2015年の日本人女性の平均寿命は87.05歳、男性は80.79歳。いずれも過去最高を更新したと厚生労働省が発表しました。各国や地域と比較すると(別表)、女性は香港に抜かれて4年ぶりに世界第2位に下がり、男性も第3位から第4位に下がりました(厚生労働省、7月27日発表「簡易生命表」による)。
2015年の平均寿命は2014年と比べると、女性が0.22歳、男性が0.29歳ずつ延びました。
男女ともに、がん、心疾患、脳血管疾患の「3大疾患」による死亡が減ったことが大きな要因と厚労省は分析しています。3大疾患で死亡する確率が、女性が46.92%、男性が51.60%と報告されています。厚労省は「医療技術の進歩や健康志向もあり、平均寿命は今後も延びると予測される」と述べています。
日本人の平均寿命は戦後間もない1947年(昭和22年)で女性が53.96歳、男性が50.06歳で「人生50年」の時代でした。
その後、女性は1960年(昭和35年)に70歳、1984年(昭和59年)に80歳を超え、男性は1971年(昭和46年)に70歳、2013年(平成25年)に80歳を超えました。女性は2014年(平成26年)まで3年連続で世界1位でしたが、平均寿命が0.57歳延びた香港に2015年には首位を譲りました。下表が上位5カ国の比較表です。
平均寿命の上位5カ国・地域
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女性(歳) 香港 87.32歳 日本 87.05歳 スペイン 85.58歳 韓国 85.50歳 スイス 85.2歳 (厚労省、日本は2015年、他はそれ以前のものも含む)
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男性(歳) 香港 81.24歳 日本 81.0歳 スペイン 81.0歳 韓国 80.79歳 スイス 80.4歳
「健康寿命」が重要
ここで挙げている平均寿命は、いわゆる生物学的な年齢で、「健康上の問題がない状態で日常生活を送れている」健康寿命も含まれますが、男女とも「平均寿命」と「健康寿命」の差は歴然としており、公表年によって違いますが、平均値で、男性で9年前後、女性で13年前後の差があると推計されています。逆に言えば、この年数の期間が、病気や寝たきりも含めた状況で生存しているということになります。
やはり、健康寿命を高めるためにも、私たちは、日頃から健康に気をつけた生活習慣を維持していかなければならないでしょう。そのためにも、運動、休養、栄養、生きがいづくり、などいろいろな視点での個人による自らの取り組みや行政や民間による包括的な健康づくり支援が欠かせません。
また、最近特に言われてきているのが社会的・経済的な「生きがいづくり」です。高齢者の、社会における積極的な参加や収入を得ることのできる経済活動への支援の見直しが必要となっています。公的年金だけに頼ることのできない社会になってきており、働くことの意義が見直されています。また働く場を提供する社会の側のさらなるシステムづくりが求められると思います。今、高齢者の就業が新たな課題として重要さを増しているのではないでしょうか。
(ジョイセフ 常務理事 鈴木良一 2016年8月、東京にて)