世界人道デーに考える:みんなでひとつのヒューマニティ
2016.9.8
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- ジョイセフコラム
8月19日は「世界人道デー」でした。
本稿では、国連人口基金ババトゥンデ・オショティメイン事務局長のメッセージを紹介します。
1億3000万人が人道支援を待っています
私たちは、遠く離れた人々にも手を差し伸べ、弱い立場におかれている人々を助け、1億3000万人以上の人道支援を必要とする人々を支援するという責任を共有しています。そのうちの4人に1人は、出産適齢期を迎えた女性や少女です。
「差し迫ったニーズを満たすことだけではなく、リスク削減、平和構築、レジリエンス(強靭性)の強化、そして長期的開発支援までも視野に入れて活動を行うことが必要である」と述べています。そして、「国家として、そして国際コミュニティとして持続可能な開発目標(SDGs)を実現するために取り組むことは特に重要で、SDGsを達成するためには、危機にさらされている女性や少女、若者たちに手を差し伸べなければならない」と訴えています。
さらに続けて、「想像してみてください、家族のために食料や水を探しに出かけるために、自らを性的暴行の危険にさらさなければならない状況を。想像してみてください、妊娠して、命に関わるような問題がないように願いながら、たった一人で出産をむかえる気持ち、あるいは銃撃、空爆を恐れながらクリニックや病院を探す気持ちを」と述べています。
6500万人が強制移動させられ、うち2100万人が難民:その47%が女性、51%が18歳未満の若者です
現在、6500万人以上が慣れ親しんだ場所から強制的に離れなければならず、そのうち2100万人は難民となっており、その47%は女性、そして51%は18歳未満の若者です。そして、その一人ひとりが、自分と家族のより良い未来を求めて、家や持ち物、そして大切な人たちを残して国を去るという耐えがたい選択をしているのです。
「すべての女性に安全な出産が保障されるべきです。しかしながら、人道的危機にある不安定な場所においては、多くの女性と思春期の少女たちが、妊娠や出産が原因で命を落としています。健康に関するサービスへのアクセス、安全な出産、望まない妊娠やHIVの感染予防は、食料や水、避難場所と同じくらい重要なのです。」
「世界中の一人ひとりが、差別されることなく、人権を保障されるべきです。それにもかかわらず、危険にさらされている人々は、彼らの健康、安全そして尊厳を脅かすような耐えがたい選択を、日々迫られているのです。」
ジョイセフは、地震などで被災された方々への人道支援を通して、女性や妊産婦の命や健康を救うことができればと、できうる限りの力を出して、日々の活動を行っています。
(ジョイセフ常務理事 鈴木良一 2016年9月、東京にて)