ネパールの女の子への啓発プログラム 18名のピア・エデュケーターが新たに育成

2017.12.27

  • レポート
  • ネパール

2016年の秋から始めたネパールでの女の子への啓発プログラムは、2年目の2017年は、カトマンズ盆地での実施に加え、マクワンプール郡のヘトウラ市周辺でもプログラムを開始しました。

マクワンプール郡とは?

新たなプロジェクト地であるマクワンプール郡は、カトマンズから約132キロ(山道のため車で4~5時間かかります)南に位置し、地形的には緩やかな山間部と平野の両方が混じった地域です。多くの少数民族も住んでおり、彼らは農業に頼った生活をしていますが、多くの場合、農業だけでは生活費や学費などをまかなうことが難しく、高利貸しからお金を借りている人々も少なくありません。そのために、多くの若い女性が海外のサーカスや出稼ぎに行く過程の中で、人身売買の被害者となることも多々あり、若い女性たちを対象とした啓発が必要とされています。

18名のピア・エデュケーターが新たに育成されました

若い女性たちに向けた啓発を広げるために、啓発活動を行っていく同世代のピア・エデュケーターを育成しました。ピアになるための研修は、3日間かけて以下のような幅広いトピックについて触れながら行われました。

  • 包括的性教育(CSE)とその意義
  • セクシュアル・ヘルス、リプロダクティブ・ヘルス
  • 家族計画
  • 安全な人工妊娠中絶
  • 安全な妊娠・出産
  • 性感染症、HIV/AIDS
  • ジェンダーに基づく暴力(人身売買などの問題も含む)
  • 性に関する権利
  • 人間関係、関係構築
  • 多様性   等

そこでは、CSEの研修と同時に、メーキャップの研修も行われました。カトマンズ盆地で行われているプロジェクト同様、メーキャップをCSEのクラスを受けるひとつのきっかけとして、そして自己肯定感を高めるきっかけのひとつとして利用しています。2016年に資生堂のメーキャップ・アーティストの方から直接指導を受け、すでにカトマンズ周辺のプロジェクトでメークを活用しているピア・エデュケーターたちが、マクワンプール郡のピアたちにメーキャップを教えていました。

研修を受けたピアたちによるセッション

研修を受けたピアたちは、その後学校のほか、ユースセンターなどの学校外でも、若い女性たちを対象にセッションを行いました。これまで4回のセッションを開催し、60名の若い女性たちに対し、メーキャップレッスンと同時に、包括的性教育のセッションを行いました。今後も、マクワンプール郡の女性たちに向け、啓発の働きかけを続けていく予定です。