母子健康手帳の活用に向けて
2018.2.15
- レポート
- ベトナム
- ベトナム保健省の専門家より、母子健康手帳の活用と普及の必要性についての講義
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ベトナムの女性健康センターと助産師能力の向上プロジェクトでは、2017年9月26日に母子健康手帳の活用研修を行いました。
日本では、妊娠したら、届け出と同時に母と子の健康を守るツールとして母子健康手帳を受け取り、当たり前のように使っています。今、途上国だけでなく、世界の多くの国々で「誰一人取り残さない」ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた取り組みが行われる中、かつて日本の母と子の健康の向上に母子健康手帳が果たした役割が注目されています。
ベトナムでも、ベトナム保健省母子保健局とJICAの協力により、日本版をもとにベトナム版母子健康手帳が制作されました。プロジェクトでは、このベトナム版の手帳を外務省の日本NGO連携無償資金協力によって増刷し、女性健康センターで妊産婦健診を受診する女性に配付し、妊娠経過から出産、産後の母と子のケア、また子どもが5歳になるまでの成長の記録として活用します。
助産師から母親への効果的な説明のロールプレイ
配付に先立って、指導者となる産婦人科医や助産師、看護師やその他の保健スタッフも参加し、手帳の効果的な活用方法についての研修を開催しました。今後、母と子のケアにかかわるすべての保健スタッフが手帳の必要性や重要性を理解することで、質のよいケアや、患者に寄り添ったサービスが継続されることを期待しています。
母子健康手帳を活用する指導方法についてのグループワークの様子
今回の母子健康手帳活用研修は、全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)「ふれあいカンパ」の支援金を得て実施しました。電力総連の支援により、指導者の育成や、周産期ケア向上を目指したスタッフへの研修なども実施しています。
これからもスタッフ一丸となってよりよいサービスを提供していきたいと思います。
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ベトナムプロジェクト
ジョイセフは、2015年3月よりベトナム・フエ市で外務省の日本NGO連携無償資金協力を得てプロジェクトを実施しています。
このプロジェクトが目指しているのは、妊産婦ケアの質を改善し、女性の生涯にわたる健康を守るため、リプロダクティブ・ヘルスサービス提供の担い手であり、女性の身近な相談者でもある助産師を中心とした、思春期から更年期までの質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービス提供のモデルづくりです。
1年目に設立した女性健康センターでは、質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供すると同時に、併設する研修施設では農村・遠隔地で働く助産師を対象に研修を行い、遠く離れた村の保健施設でもよりよいサービスが届けられるよう、助産師の能力向上を図っています。