岡山県助産師会と、真備町で初のサロンを開催
2019.8.23
- 緊急復興支援
- 実施レポート
- 西日本豪雨被災女性・母子支援
2018年7月の西日本豪雨災害では、被災直後と半年後、1年後に訪問した岡山で、復興には時間がかかるという現実を改めて感じています。建物は整然と並んでいて一見普通なのに、よく見ると1階は真っ暗。水に呑まれた爪痕が残ったままでした。
左の写真は指定避難場所 の公民館ですが、半年後でもまだこのような状況でした。
今回被災から1年後の7月に真備町(岡山県倉敷市)で開催した“Mom Meets Mom ホットサロン”の会場となった児童館では、半年前は、1階は前述の公民館と同じような状況で工事中でした。写真下は児童館のフロアの様子です。1年経って、真備で初めてホットサロンを開くことができましたが、1階は完全に修復されていて、廊下に出ていた遊具などは片付けてあり、きれいになっていました。
1年経ってやっと真備でサロンを開催できたことで、会場となった児童館には多くのママたちが参加してくれました。主催は、ジョイセフが支援を行っている岡山県助産師会です。
この日、助産師会会長の東森さんは「やっと真備で行うことができて、被災したママたちがたくさん来てくれるようになった。やはり地域が近いほうが参加しやすい」と話していました。これまで、「大島花子さんのミニライブ」など真備では会場が確保できず、隣の総社市で行っていました。
今回、復旧した児童館の建物でサロンを実施したところ、23名のママたちが参加してくれました。
前回はママと一緒にきていたお兄ちゃんやお姉ちゃんは、今日は開催日が平日だったため学校に行っていて来られず、赤ちゃんとママたちの時間でした。
ベビーマッサージや、アロマハンドマッサージなどを通して、日ごろの育児のことや、楽し気な日々の話が赤ちゃんたちの声と一緒に会場のあちこちであふれています。
途中、お菓子を食べたり和やかに過ごし、最後に、子どもたちにはお菓子のお土産、ママたちには支援物資を手渡しました。
何人かのママたちにお話を聞きましたが、今日来ている子どもたちは、被災時はまだ小さかったので、本人たちには記憶にないと思うとのことでした。ただ、ママたちは、その時は大変で、真備にとどまることはできなくて、実家や親せきなどあちこちへ行っていて、1年近くたって戻ってきたとのこと。「家はアパートの1階だったけど水没してしまい、もう帰れない。今回、被災時に住んでいたところのそばに家を建てることにした」とか。
この日ここにきている人たちは戻ってきた人たち。自宅が水没してもまた、この地にもどってくるわけを尋ねてみました。答えは「便利なところだったから・・」「夫がもどると言うから」など。全員には聞ききれませんでしたが、それぞれ楽しそうにサロンに参加していました。
助産師会の東森会長は「小学校へ“いのちの授業の話”をしに行った際に、学校の先生から、先日の雨の時に、災害を思い出して泣き出す子がいたと聞いた」と話されていて、子どもたちとママたちへの心のケアの重要性を改めて考えました。