「妊産婦死亡の動向2000-2017」 国連機関が発表

2019.9.20

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世界の年間妊産婦死亡数は推計29万5000人
女性が妊娠と出産で命を落とす女性はいまだ1日に800人以上

2019年9月19日、世界保健機関(WHO)、ユニセフ、国連人口基金(UNFPA)、世界銀行、国連人口部により、妊産婦死亡に関する新しい報告書「妊産婦死亡の動向2000 – 2017(Trends in Maternal Mortality:2000 to 2017)」が発表されました。

報告書によれば、2017年時点の世界の妊産婦死亡数の推計値は29万5000人です。

今もなお、世界では1日に800人以上の女性が、妊娠、出産が原因で亡くなっています。さらに、地域による格差も依然として大きく、妊産婦死亡の66%(19万6000人)はサハラ以南のアフリカ諸国、20%(5万8000人) が南アジアの国々で起きています。15歳の少女が、将来、妊娠、出産で亡くなるリスクは,日本では1万6700人にひとりですが、サハラ以南のアフリカ諸国では37人にひとりです。持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに、防ぐことができる妊産婦死亡をなくすことを目指しています。しかし、報告書は、現在の改善のペースでは、2030年までに、100万人以上の救うべき命を救えないとしています。妊産婦死亡は、国際社会が真剣に取り組まなければならない大きな課題であり続けているのです。

国際社会が妊産婦死亡率(Maternal Mortality Rate: MMR)の現状から目をそらさず、世界の国々と地域における保健システムの充実やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けて努力し、女性のエンパワーメントや教育の機会を左右する社会経済的な要因にも目を向けて、家族計画や健やかな妊娠、安全な出産を保証する適切な行動をとらなければならないと、報告書は結んでいます。

ジョイセフも、世界の女性と妊産婦の命と健康を守るという使命を果たすための努力を惜しまず、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)、ジェンダーの平等、女性と少女のエンパワーメントを推進し、UHCの達成に向けて、国際社会の一員としてこれからも歩んでいきます。

引き続き、皆さまのご支援とご協力をお願いいたします。

公益財団法人ジョイセフ
業務執行理事・事務局長 勝部まゆみ

 

Photo: Miki Tokairin

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