国際女性デー、世界では?

2020.2.28

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発端は、女性労働者の訴えから。

 3月8日は国際女性デーです。ジョイセフはこの日を大切な日のひとつに据えていますが、そもそもなぜこの日が「女性の日」なのでしょうか。
 人類の歴史を振り返ると、これまで女性には権利が認められない時代が続いてきました。フランス革命で掲げられた1789年の「人権宣言」はあくまで「男性市民のための権利宣言」で、女性はその男性に従属すべき存在とされていたのです。

 1791年、オランプ・ド・グージュというフランスのフェミニズム運動の先駆者が、この「男権宣言」を女性にも拡張して書き直した「女性のための人権宣言」を発表し、「女性には処刑台に上る権利があるのだから、議会の演壇に上る権利もある」と訴えましたが、彼女の訴えは届きませんでした。国家反逆罪で有罪となり、マリー・アントワネットに続き、ギロチンで処刑された2人目の女性となったのです。
 しかしその後も、世界各国で、女性に男性と同じ権利を与えよと求める声は高まり続けました。1908年3月8日にはアメリカのニューヨークで、1万5000人の女性工場労働者が給与・待遇の改善と参政権を求めるデモを敢行。翌年、アメリカ社会党が、この日を「全国女性の日」と位置づけて、全国で集会を行いました。1910年には、第2回国際女性労働者会議でドイツの女性解放運動家クララ・ツェトキンがこの日を「世界のすべての人が、同じ日に、女性の日として祝う」ことを提案して採択され、翌1911年に初めて国境を越えて「女性の日」を祝ったのです。

1975年の国際女性年が、世界に広がる契機に

 その後、2度の世界大戦を経て、女性にも徐々に権利が認められるようになりました。1975年の「国際女性年」、国連が初めて3月8日を国際女性デーとして祝います。その後、1977年の国連総会で正式に「女性の権利と国際平和を祝う日=国際女性デー」と決議したのです。

 国連は、3月8日の国際女性デーに当たり、毎年テーマを定めています。2020年のテーマは「平等を目指す全ての世代:女性の権利を考えよう」(仮訳)。
 2020年は、北京で開催された第4回世界女性会議で、ジェンダー平等の実現と女性のエンパワーメントに向けた行動計画として「北京行動綱領」を打ち出した1995年から25年が経過する、節目の年です。これを受けて、今までの歩みを振り返るとともに、まだ達成まで道のりの遠いジェンダー平等の実現に向けて、あらゆる世代が力を合わせて取り組んでいくことを目標に掲げています。

国によってさまざまなイベント、祝日になる国も

 日本でもようやく認知度が高まってきた「国際女性デー」ですが、世界ではアフガニスタンやカンボジア、ブルキナファソなど、この日を国の祝日に定めている国が20カ国以上あります。
 祝日にこそなっていないものの、国内でさまざまなイベントが行われる国も少なくありません。イタリアでは、この日は春の象徴である黄色いミモザの花を女性にプレゼントする「ミモザの日」として親しまれています。
 アメリカでは、3月いっぱいを歴史における女性の貢献を振り返る「女性史月間」と定めて、アメリカ議会図書館や国立公文書館でその年のテーマに沿った展示を行うなど、さまざまなイベントが行われます。

 フランスでは、国に貢献した偉人をまつるパリのパンテオンで女性偉人の歴史を学ぶツアーや、フランス革命時にマリー・アントワネットやオランプ・ド・グージュを含む多くの死刑囚が収容されたコンシェルジュリー監獄でフランス革命にかかわった女性たちについて学ぶ勉強会が開かれたりします。
 最近では、民間企業・団体発の国際女性デーを意識した企画も増えてきました。インターネット検索サイトのGoogleも、毎年3月8日にはロゴを国際女性デーに合わせたものに変えています。
 バービー人形を販売するマテル社は、国際女性デーに合わせて、女の子たちに将来の夢を与えてくれる「ロールモデル」シリーズを発売しています。バービー人形生誕60周年の2019年には、プロテニスプレイヤーの大坂なおみさんや、女優でユニセフ親善大使の黒柳徹子さんをモデルにしたバービー人形が発売されたことを聞いた方もいるかもしれませんね。

日本でも広がる国際女性デーの輪

 近年は、日本国内で国際女性デーにさまざまなイベントや企画が行われるようになりました。新聞・雑誌などでも国際女性デーに合わせたさまざまな特集が組まれています。
ジョイセフは、国際女性デーに合わせてホワイトリボンランやチャリティーピンキーリングの新作を発売するなど、この日をより多くの皆さんに知ってもらい、「国際的に」共通するジェンダー平等や女性特有の課題について考えていただくとともに、世界の女性と妊産婦の健康支援につながる活動を続けています。

 ジェンダーギャップ指数が世界でも最下層に低迷する日本で、少しでもジェンダー平等の議論が広まるように、皆さんもぜひ一緒に国際女性デーにアクションを起こしてみませんか。

参考:
国際女性デー 公式サイト
https://www.internationalwomensday.com/About

UN WOMEN 2020年国際女性デー
https://japan.unwomen.org/ja/news-and-events/news/2020/1/iwd

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