コロナ禍で迎える国際女性デー 2021

2021.3.5

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原点は100年以上前。男女不平等へのストライキから

3月8日は国際女性デー。原点は、1908年に、ニューヨークの縫製労働者が女性の労働条件の改善を訴えて起こしたストライキです。平等な社会の実現のために偉大な努力を続ける世界中の女性を称え、これまでの歩みを振り返り、さらなる前進を誓う日として、1975年に国連によって定められました。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進し、ジェンダーの平等と女性と少女のエンパワーメントの実現に向けた活動を国内外で実施する私たちジョイセフにとっても、重要な記念日です。

国際女性デーは、ここ数年、日本のメディアでも大きく取り上げられるようになりました。ただ、その背景が、必ずしも喜ばしいものでないことは残念です。

いまだに男女不平等?ジェンダーギャップ指数121位の日本

日本社会に根深い男女の役割に関する先入観やアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)が、ジェンダーギャップの改善を阻んでいます。2020年の第5次男女共同参画基本法策定プロセスでの、選択的夫婦別姓制度導入への強い抵抗などは、ひとつの例です。

また、この1年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大したことで、世界中で、家庭内暴力や、仕事を失い経済的困窮に苦しむ女性が増えました。

途上国では、家族計画のサービスや妊産婦ケアを十分に受けられなくなるなど、非常時には、社会的に不利な立場にいる女性がより大きな犠牲を強いられることが一層明らかになり、日本でも、多くの課題が表面化しています。国内外で圧倒的に女性が多い医療従事者や介護者への身体的、精神的、経済的負担への支援も遅れています。

Photo: KIMI

日本を世界と比較するデータで見ると、世界経済フォーラムによる2019年の日本のジェンダーギャップ指数では、周知のように世界153カ国中121位。

列国議会同盟(International Parliamentarians Union)による世界の女性議員の割合ランキングは、昨年12月の時点で、世界190カ国中165位。

エコノミスト誌は、毎年、OECD加盟国の主要29カ国を、教育、労働参加率、賃金格差、育児コスト、男性の育児休暇取得率、企業の管理職などの項目によってランク付けして「ガラスの天井指数(The Glass Ceiling Index)」を発表しており、2020年、日本は下から2番目の28位。

比較の方法は必ずしも公平と言えない点もありますが、いかにも、と感じるのは、国内で流れるジェンダー不平等についてのさまざまなニュースを裏付ける数字だからでしょう。

誰にとっても生きやすい社会の実現を

ありがたいことに、ジェンダーの平等を推進し、世界の女性の健康と命を守り、女性が自らの人生を選択できるよう支援する活動に賛同して、ジョイセフと伴走してくださるのは、女性・男性問わずサポーターが大勢います。

女性の権利を守り、ジェンダーの平等を求めることは、誰かの権利を奪うことではなく、誰にとっても生きやすい社会を作ることです。

COVID-19は、経験したことのない多くの犠牲や試練を世界中にもたらしていますが、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために、世界が連帯し、世界を変革するとはどういうことかを「過激な方法」で人類に教えている、とも思えます。

コロナ禍で迎えた2021年の国際女性デーを、世界の誰にとっても良い方向に変えていく起点にしたい、そんな信念をもって、ジョイセフは、これからも力を尽くします。

ジョイセフ業務執行理事・事務局長
勝部 まゆみ

ジョイセフの2021年 国際女性デーコンテンツ

今後もコンテンツが追加されていく予定です。お楽しみに!

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