ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラムが閉幕。世界で5万人近くが参加し、ジェンダー平等へ新たなコミットメントを誓約
2021.7.7
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2021年6月30日から3日間、UN Women(国連女性機関)およびメキシコ、フランス両政府の共催による国際会議ジェネレーション・イクオリティ・フォーラム(ジェンダー平等を目指す全ての世代のためのフォーラム、以下GEF)が対面とオンラインのハイブリッド方式で開催されました。
コロナ禍の影響で1年の延期を余儀なくされたGEFは、第4回世界女性会議(北京会議)から25周年の節目に、ジェンダー平等の進捗を確かめ、さらに加速することを目的としています。
北京会議の成果物である国際合意文書「北京行動綱領」は、ジェンダー平等を達成するために必要なアクションを示しています。25年の間にどれだけのことを成し遂げてきたのか、そして何をやり残しているのか。コロナ禍でこれまで勝ち取ってきた女性の権利が大きく後退したとされる中、GEFでは25年前の北京会議を知る世代から、これからの世界を担うユース世代まで、全ての世代(ジェネレーション)の人々がオンラインで参加、議論を交わしました。
6月30日、パリで行われた開会式では、主催のUN Womenプムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長、エマニュエル・マクロン仏大統領、アントニオ・グテーレス国連事務総長、欧州理事会シャルル・ミシェル議長、各地域からのユース代表など世界のリーダーやアクティビスト等が登壇。ジェンダー平等の実現に向けた決意を述べました。
カマラ・ハリス米副大統領は、ホワイトハウスからオンラインで参加。次のように世界に呼びかけました。
就任からの5カ月間、多くの指導者と会い、新型コロナウイルス、気候変動、安全保障への脅威、民主主義への脅威など、多くのグローバル課題について話し合ってきました。
そういった会議では、女性と少女の参加者が公平であるように、常に求めてきました。世界のさまざまな課題について考えるためには、まずはジェンダー公正とジェンダー平等について考え、対応しなければならないからです。
G7サミットの指導者たちは、専制主義の脅威と闘おう、民主主義の原則に立って力を合わせていこうと誓いました。民主主義を強化するために、ジェンダー平等のために闘わなければなりません。
女性が資金を得て小さな事業を始めた時、リプロダクティブ・ヘルスケアを受けて健康でいられるようになった時、暴力を受ける不安から解放された時、女性はもっと深い意味で政治に参加でき、民主主義は強くなります。
今回、参加しているユースリーダーのみなさん、世界はみなさんのリーダーシップを必要としています。ぜひ、2つのことを覚えておいてください。
1つは、民主主義の道具、つまり言論の自由と投票権です。これらの権利がなければ、そのために闘ってください。私たちが一緒に闘うことも知っておいてください。
2つ目は、声を聞いてもらえない人々の声を聞いてください。自分とは違う経験を尊重し、受け入れましょう。排斥されている人がいれば、輪の中に招き入れましょう。そして自分自身の物語、その力強さを忘れないでください。
インド人の母とジャマイカ人の父という移民の両親を持つハリス氏。これまで白人男性しか選出されなかった米国の副大統領に、移民2世、有色人種、女性というインターセクショナリティ(交差性)を持つ彼女が就任したことは、全ての女性や若い世代、マイノリティにとっての希望であり、まさに世代間の平等フォーラムの象徴とも言えます。
ヒラリー・クリントン米元国務長官はチリ出身のユースリーダー、フリエタ・マルティネス氏と対話しました。クリントン氏は1995年、ジェンダー平等の推進にとって歴史的な国際会議、第4回世界女性会議(北京会議)で、「女性の権利が基本的人権とは別物とされてはならない。女性の権利は人権である。」という力強いスピーチで会場に拍手と歓声の渦を巻き起こし、ジェンダー平等の推進に力を尽くす世界各地からの参加者、団体の連帯を強めました。
北京会議後の26年間、ジェンダー平等へ向けた成果をどのように評価するか、この会議を通じて起きて欲しいことはあるかと尋ねたクリントン氏に、マルティネス氏は次のように答えました。
何よりも女性と少女が意志決定に関われるようにすることです。私は今日、中南米にあるさまざまな課題、気候危機、人権問題、社会正義のために日々闘う若い女性、仲間たちを代表してここに立っています。しかし彼女たちには意見を発するための手段や、機会、場所がありません。とても孤独です。
自分たちの社会で何が問題となっているのか、現状を一番理解し、変化を求める気持ちや能力もあるのに、若い女性活動家は問題解決の場に参加できず、孤独を感じながら日々一人で闘っています。
彼女たちがあらゆる政策決定のプロセスに参加でき、変化を起こせるようにしてください。ただ感動的なスピーチをしたり、見た目だけの写真撮影に呼ぶのではなく、対話に参加できる仕組みが必要です。意義のある参加ができ、説明責任が果たされてこそ、前進ができます
クリントン氏はマルティネス氏のコメントに対し、
26年前の会議で、女性の権利は人権であると話しました。それから進歩してきましたが、まだ十分だとは言えません。さらなる前進のため、新たなコミットメントが必要です。
権利はあっても、それを行使する力がなければ意味がありません。力を得るためには、まずフリエタをはじめ、今日ここに世界中から集まったユースの連帯とコミットメントが必要でしょう。さらに、国家、企業など、経済と社会のすべての側面で権利を行使する力を与えてくれる制度が、二度と女性を無視できないようにしなければなりません。
私たち、特に若い世代の女性が変化を求める声は、これからは信じられないほどに強く、対象が明確になるでしょう。今日ここにいる古くからの仲間たちと、UN Womenがこれまで何年も先頭に立って闘ってきたことを感謝します。私たちは今、持てる力のすべてを行使して、変化の先頭に立つ若い世代をエンパワーしなければなりません。私たちがそうしようと思えば、世代間の平等を成し遂げられます
と会場に呼びかけました。
GEFは、実質オンライン開催だったことでかえって世界中から参加が可能となり、3日間で5万人近くの参加があったそうです。日本の若者もオンラインで登場、若者の参画の重要性などを発信していました。
GEFに参加する政府、企業、市民団体、学術界、メディア等は、ジェンダー平等達成に貢献するための公約を掲げ今後最長5年の間に実施します。ジョイセフも、公約を提出。日本で初めてのコミットメントメーカーとして認定されました。詳細はこちらをご覧下さい。
ジョイセフは引き続き、ジェンダー平等を実現するために活動していきます。
ジョイセフは、昨年、第5次男女共同参画基本計画の策定に向けて、若い世代のアドボカシー活動を支援しました。活動の様子は#男女共同参画ってなんですかをご覧下さい。
また、ジョイセフは、SDGs市民社会ネットワークのジェンダー・ユニットの共同幹事をしています。MLには500人以上が登録して情報交換を行なっています。ML登録ご希望の方は、advocacy (at) joicfp.or.jp までSDGsジェンダーML登録希望と氏名・御所属を明記の上、ご連絡ください。
この機会に、ジョイセフフレンズとして、毎月継続的な支援をお願いします。