ザンビア独立記念日祝賀会に出席して
2015.11.13
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- ジョイセフコラム
ジョイセフは、現在ザンビア共和国で「妊産婦・新生児保健ワンストップサービスプロジェクト」(2014年~2017年、外務省日本NGO連携無償資金協力事業)をコッパーベルト州で実施しています。これはザンビア政府保健省およびIPPFザンビア(ザンビア家族計画協会(PPAZ))との連携協力プロジェクトで、ザンビアでの高いニーズに応える母子保健事業として今注目されています。その関係もあり招待を受けて、ザンビア独立記念日祝賀会に参加する機会を得ました。
ザンビアは、1964年10月24日にイギリスから独立。今年が51年目となります。初代のカウンダ大統領も91歳でなお健在。現在第6代目のルング大統領が本国では祝賀式典を開催し「One Zambia, One Nation(1つのザンビア、1つの国)」と国民の団結を呼びかけたと聞いています。
10月27日東京都内のホテルで開催された祝賀会で、あいさつに立った着任早々のンディヨイ・ムティティ大使は、「ザンビアは、国として、アフリカで最も平和で民主的な国のひとつであります」と高らかに宣言。事実7つの国に国境を接していますが大きな国境紛争に至ったことはほとんどありません。中立政策を維持していて、隣国との平和外交にかなりの努力が傾注されています。この努力は国境紛争や内戦の多いアフリカでは顕著な特徴であると言えます。それがザンビアに対する信頼の表れとなっています。
その平和な国も最近は、特に経済的な課題を抱えています。ザンビアの主な輸出品目が銅鉱石で、輸出額の約6割を占めているモノカルチャー経済の典型と言えます。その銅鉱石の値段が下落し続けていること、雨量が少なく水力発電による電力供給が現在十分に行われていないこと(ザンビアはもともと電力輸出国)、中国の経済が低迷しておりその影響を受けていること、自国通貨ザンビア・クワチャの下落が今年に入って特に勢いを増していることなど経済的な課題が山積しています。クワチャ安は強く懸念されます。日用品などの輸入品も多く、高いインフレーションに見舞われ国民生活への影響が現れるのではと懸念されています。
しかし、これまで、ザンビアはモノカルチャー経済からの脱皮を目指して、海外からの投資の促進や農業や観光業などに焦点を当てた産業構造改革を推進してきました。現在まで多くの課題を乗り切ってきたザンビアが出す「次の経済政策」が、逆に周辺諸国からは注目されています。
2016年のアフリカ開発会議(TICADⅥ)を控えたこの時期に、日本政府としてもてザンビアをはじめとするアフリカ諸国との連携協力により、新たな、アフリカにおける連携協力の強化を示すためにも絶妙のタイミングではないでしょうか。
ザンビア独立51年目の祝賀式典に出席して、ザンビアの人々とりわけコッパーベルト州の村の人々の明日に思いをはせていました。
(2015年11月、東京にて)