世界で肥満・太りすぎが21億人、 しかし、2ドル未満で生活している人は24億人
2014.6.12
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- ジョイセフコラム
国際社会での格差は広がっていると言わざるを得ません。
2014年5月に発表された2つの報告は、貧富格差のを明確に示してくれています。
肥満・太りすぎ
世界の人口のほぼ30%の人々が肥満・太りすぎであると米国の研究グループが発表しました。1980年から2013年までの期間に、188カ国のデータを分析し、このような結果を導き出しています。とりわけ、中近東・北アフリカ、北アメリカ、中央アメリカ、太平洋地域、カリブ海諸島における肥満度は他の地域と比べて高いと、米国シアトルにあるワシントン大学附属研究所が発表しました。
女性の肥満の顕著な国々は、エジプト、サウジアラビア、オマーン、ホンデュラス、バーレインで、男性のそれは、ニュージーランド、バーレイン、クウェート、サウジアラビアそして米国となっています。
また、この33年の間に、1980年に8億5700万人であった肥満人口が、2013年には、21億人に増加しています。
さらに問題は、子どもの肥満です。約50%の子どもや思春期の若者が肥満であるとも報告されています。
さらに、世界の半分の肥満は、以下の10カ国で占めていることも併せて発表されています。それらは、米国、中国、インド、ロシア、ブラジル、メキシコ、エジプト、ドイツ、パキスタン、そしてインドネシアです。
しかし、2ドル未満で生活している人が世界に24億人
また、一方では、貧困状況の人々が24億人と世界銀行が発表しています。肥満の多い国でも、国内での格差の存在していることが歴然としています。私たち人類は、平等社会を長い時間かけて訴えてきましたが、現実は、このような皮肉な状況を創ってしまっているのではないでしょうか。そして格差は広がっています。肥満国10の国々を挙げましたが、その中に、いわゆる開発途上国や貧困状況を抱えた国々も入っています。また、世界銀行は、「さらに、12億人もの人が電気のない生活を送っている。約10億人が家から一番近い舗装道路までの距離が2キロ以上ある。世界の人口の60%が、インターネット接続がありません。10億人以上が1日1.25ドル未満で生活しています。そして、2ドル未満で生活している人は24億人であると報告しています。
上記の国々を見ると、肥満・太りすぎは、必ずしも先進国や豊かな国々の問題でないことが分かります。貧困層の多い国々においても、お腹を満たすために、いわゆるジャンク・フードなどの多量な摂取により、その結果、肥満や太りすぎとなっているケースも多くあることは事実ですし、栄養のバランスの課題も背景にあるのではないでしょうか。
わたしたちは、このような状況や世界に広がる格差社会を一体どのように見ればよいのでしょうか。どこから何を始めるべきなのでしょうか。
(2014年6月、東京にて)