事務局長就任のご挨拶
2016.4.1
- お知らせ
皆さま、はじめまして。
4月1日をもって事務局長に就任いたしました、勝部まゆみと申します。
ジョイセフとの出会いは、国連開発計画(UNDP)のジュニアプロフェッショナルオフィサー(JPO)として西アフリカのガンビア共和国で勤務していた1980年代半ばにさかのぼります。UNDP事務所に毎月送られてきたジョイセフのニュースレターの記事に私が感じたのは、アジアやアフリカの人々と共に、プロジェクトを実施しているジョイセフのスタッフの、真剣な姿でした。
当時のガンビアや、その後日本赤十字社の仕事で赴任したエチオピアで私が経験したことは、圧倒的な貧困と、日本だったら救える命が失われていく厳しい現実でした。文字通り無力な自分に打ちのめされ、これほど貧しい国々が、将来変わる可能性があるのかとまで思いましたが、ジョイセフを通して、できることがあるかもしれない、という希望を見出したのもその時です。
ジョイセフの先輩に導かれ、同僚に支えられ、若い世代のスタッフに教えられて、気づけば四半世紀をジョイセフで過ごしました。セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの向上と、女性のいのちと健康を守るというジョイセフのミッションは、一貫しています。途上国の人々と共に、同じ方向を見てプロジェクトを実施する姿勢はこれまでと変わらず、これからも受け継いでいきます。
私が初めてアフリカの地を踏んでから30年以上が経過した今、多くの国々が発展し変化を遂げています。さらに昨年までのMDGs達成の取り組みによる成果も確認されました。一方で、残された課題は多く、紛争、テロ、気候変動、感染症など、国境を越えた新しい脅威の前に、開発途上国も先進国も、対等な立場で立ち向かわなければならない世界になりました。
2016年、誰一人置き去りにしない「持続可能な開発目標(SDGs)」の15年後の達成に向けて、世界が第一歩を踏み出しました。すべての目標の達成に不可欠なことは、ジェンダーの平等と女性のエンパワメントです。女性が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会であるはずです。また、そうでなくてはなりません。
ジョイセフは、国際協力の一端を担う日本生まれのNGOとして、市民社会の一員として、そのミッションの達成とSDGs推進への挑戦を続けます。
皆さまのご支援とご協力を、お願いいたします。
2016年4月1日
公益財団法人ジョイセフ
事務局長
勝部まゆみ