アフガニスタンの現状
女の子が教育を受けられるのは小学校6年間のみ
アフガニスタンでは、旧ソ連のアフガン侵攻、その後の内戦やタリバンの台頭など、23年間に及ぶ争いが2001年に終結したものの、教師や学校施設の不足、家庭が貧困であること、などを理由に、いまだ多くの子どもが学校教育を受けられていません。また、長く続いた紛争やテロ、避難民の流入などにより、校舎のない青空教室で学んでいる子どももたくさんいます。
特に、女の子は男の子に比べ教育を受ける機会が少なく、女の子は中学校から大学に進学することができません。小学校を卒業できる男子は67%、女子は40%と、女の子の半分以上が小学校を卒業できません。(「世界子供白書2023」)。
女の子が学校に通えない理由としては家の手伝いや早い結婚の他に、女の子の教育に対する家族や地域の理解が得られない文化的な背景があります。
旧タリバン政権時代に女子教育の必要性が認められていなかったこともあり、アフガニスタンの15~24歳の女性の非識字率は58%、アフガニスタンに暮らす若い女性の半分以上が文字の読み書きができません。
12、13歳で結婚する女の子たち。妊娠・出産の環境は・・・
アフガニスタンでは、十分に教育を受けられないまま12、13歳で結婚し、出産を始める子どもたちもいます。
母体が十分に発達しない時期の妊娠・出産は、女性や生まれてくる赤ちゃんを危険にさらします。
妊娠した女性が文字が読めない場合、保健施設でもらったパンフレットに書かれた説明が読めず、子どもの予防接種や栄養についても理解できないことがあります。
女性の自由な外出を許さない家もあり、外へ出て医療機関で正しい知識を得るのが困難な女性たちもいます。
読み書きができれば、赤ちゃんを安全に産み育て、自分と家族の健康を守れる
そのような状況に置かれた女性や赤ちゃんの健康を守ろうと、ジョイセフは現地のNGOであるアフガン医療連合センターと協力して、2002年より母子保健活動を実施しています。文字の読めない妊婦さんが多いため、知識や情報を広めるのに息の長い努力と時間が必要です。活動を進めるうちに、母子の健康には地域や女性への教育が密接に関わっていることが明らかになってきました。小学校の初等教育の6年間だけでも受ける機会があれば、読み書きができるようになり、女の子はもちろん、男の子も、自分や家族の健康を守る知識・情報を身につけるようになるのです。