ジョイセフのことを知ったのは、2010年のことです。
その年の7月に「うまれる」という映画が公開され、Twitterでいろんな情報が拡散されていました。映画の上映会と大葉ナナコさんのトークライブがセットになったイベントに参加する機会があり、大葉ナナコさんの講演の中で「世界では、1日に1000人も妊産婦が亡くなっている(※2010年当時)」という話にとてもショックを受けたんです。亡くなっている数字よりも、私は助産師を目指す過程で何を学んできたんだろう? 何も知らなかった。そのことがショックだったのです。
同じ女性としても、妊娠や出産でそんなに多くの人が命を落としている現実を知らないまま助産師の活動はできないな、とも感じました。
しかしその時の私にできたのは、現実を知って、チャリティグッズを購入することくらいでした。
「勝手に応援団」から始まり
ついに「ジョイセフフレンズ」へ
翌年の2011年3月に、東日本大震災があり、私が暮らす千葉も揺れました。いろいろな報道も見て、感じることはありましたが、同時に何もできない! という歯がゆさも湧き起こりました。
そんなときでした、ジョイセフを通じて現地の妊産婦さんを支援できることを知ったのは。同時に強く共鳴した私は、ほどなく発売されたチャリティーピンキーリング「HOPE」をたくさん買い、友人たちに配って「ここに寄付すると誰が何のために使っているかも分かるから」と伝えて回りました。
寄付金を誰がどのように使っているか、しかもそれを使って、困っている妊産婦のところに助産師が支援するというジョイセフの取り組みは、応援しないわけにはいかない。そんな気持ちでした。
その頃の私は、住んでいる地域で子育て支援をやっていました。そこで6月に、自らチャリティーイベントを開催。ここから少しずつ、動き始めたのです。
浦安や松戸でもイベントを開催しましたし、勝手にジョイセフ応援者と自負して、チャリティーピンキーリングを買って配り歩きました。「それ何?」と聞かれたらいつでも話せるようにと、チャリティーピンキーリングは常に身に付けて。
ジョイセフのスタッフともつながり、ご縁があって、2014年にはGIRL meets GIRL カレッジの講師もさせてもらいました。
ジョイセフの活動を知るたびに、自分の中で膨らんでいく「応援したい」という気持ち。また、日ごろから募金には協力するタイプなのですが、勝手にジョイセフを応援するようになってからは、「応援するところを決めていくことは大切」と考えるようにもなってきました。
そして、ジョイセフフレンズに。
ジョイセフさんを知るにつれて、もっと学びたい、SRHRが日本は遅れていることを助産師として伝えたい、フレンズという立場として周りの人にジョイセフを紹介していきたい、という3つの大きな思いが膨らんだことが決め手ですが、要するにジョイセフさんともっと密接に関わりたかったんです(笑)。
自分の中では大きな決断でした。でも子育てが少し落ち着き始め、行動範囲を拡げたいと考えていたタイミングだったということもあり、とても前向きな選択をしたと今振り返っても思えます。
知れば知るほど
やりたいことも増えていく
私は助産師です。助産師は女性が生まれてから死ぬまで、その伴走者でありたいと考えています。私は、ジョイセフフレンズになり、ジョイセフの活動を通じて世界の現実を知ることができたことで、じゃあ日本は?というビジョンを持ちやすくなりました。
これからもいろいろな知識を得て、それをいつかはライフスキルとして伝えられるようになりたいと思います。
例えばアフリカでは、ジョイセフさんの支援を受けて現地で母子保健推進員が養成されています。私個人のレベルであれば、助産師の立場として、周りの助産師に伝えていくことはできます。
助産師は知識のアップデートをしていくべきだと思うし、伝える力、見守る力といった助産師の存在そのものがこれからの社会では必要になると思っています。
そのためにフレンズとして何ができるのかを考えていきたいし、活動していきたいですね。
フレンズとしての一番の思いは、多くの人の理解を深めていくためにもジョイセフの存在をもっと知ってもらうことが重要だということ。そのためには、ジョイセフさんから直接の発信だと少し専門的な言葉があって伝わりづらいこともあると思うので、学びを深め、知識を高め、自分の言葉で伝えていきたい。もちろん、ジョイセフの活動の中で役立てることがあればお手伝いしたい気持ちは常にあります。しかも強く!(笑)
ほかにも、ジョイセフフレンズ同士のオンラインサロンも運営してみたいですね。きっとフレンズのみなさんで高め合えると思います。交流していく中で、いろいろなアイデアも生まれそうですし、そういうフレンズのつながりを深めていくことも重要だと感じています。
フレンズももっと増やしていきたいです。そのためには、ジョイセフ主催で国内向けの勉強会をやってもらえるとうれしいし、SRHRを伝えられる人の育成など、フレンズの知識向上をうまくサポートしてくれたらいいと思います。そうすると日本の女性もエンパワーされるし、その中から海外の女性や子どもたちをサポートしてくれる人も出てくるでしょう。そもそも、母親をサポートすることは子どもをサポートすることですから。
母が元気になると子どももきっと元気になる。そのきっかけをジョイセフならつくることができると信じています。だからこそ、SRHRの大切さを日本の女性に伝え、日本の女性のSRHRを高める仕組みをつくり上げてほしい。
そしてそのお手伝いを、思いっきりやっていきたいですね。
- Author
JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします