3月31日に発表された最新のジェンダー・ギャップ指数(2020)では、日本が121位から120位となっています。
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I LADY.ディレクター 小野 美智代
緊急復興支援 柚山 訓
開発事業統括 山口悦子
ケニア・タンザニア担当 藤島 一貴
アドボカシーマネジャー 斎藤 文栄
小野
国際女性デーが日本でも知られるようになってきた昨今、今年は特にオリパラ開催が迫る中、大会組織委員会会長だった森喜朗元首相の例の発言をきっかけに、ジェンダーや女性差別に関してメディアもSNSもそして世論にも火が付きました。
ジョイセフは、まさにこのテーマと切っても切り離せないところで活動しているわけなので今日はこのテーマ「ジェンダー」について語りましょう。
ではそれぞれ、自己紹介からまいりましょう。
私たちの生きてきた過程が、今ここ(=ジョイセフ)にいる理由
藤島
元々は民間セクターで働いていて、ジェンダーや国際協力に関心が深かったわけではありません。 しかし5年前に、会社の寮で倒れて3週間入院したことが大きな転機です。
大きな病気にかかったこともなかった私が、初めての検査入院。しかもそれだけで200万円ほどかかって。その時に日本の先端医療技術、そして日本の高額医療に対する補償制度、国の保健財政は素晴らしいと思ったんです。
その裏返し?で、自分のように医療を受けられない人も世界には大勢いるのではないかと調べ始めた。そこからジョブシフトしました。
小野
ジョイセフの前はJICAでしたよね?退院後すぐに?
藤島
退院後1年半後にJICAに転職しました。
ただ、自分の原体験がなかったら、そのままずっと企業戦士でいたと思いますね。
ヘルスへのアクセスがない人をなくしたい、そういう環境をなくしたいと。
そこから今でもこのようなことを常に思い起こしながら、ジョイセフで働いています。
斎藤
面白いですね。アクセスですか。私は人権から入りました。英国での大学院時代に「国際人権」を学んで、その中で妊産婦死亡率を下げることは「社会権」のひとつだと知ったわけなんですが。
そこで、妊産婦死亡率を下げることも人権のひとつと学んだことで、一人ひとりがどこにいても人権を享受できる環境をつくることが大事だと強く感じました。
健康へのアクセスを増やすということを、私は人権という観点から捉えていて、SRHRについてもっともっとできることがあるのではないか、と思いジョイセフに入りました。
保健へのアクセスを増やしたいという藤島さんのような人たちと話をしていると、行きつく先は同じなのに、アプローチは真逆でいつも面白いなと思います。
柚山
実は私も原体験がきっかけです。
妻が妊娠中、切迫流産で入院し、3カ月くらい点滴をしていました。出産に立ち会って命の誕生に感動した。
これがもし日本でなかったら、子どもは未熟児で生まれたか、もしくは死んでいたか。さらには母体にも影響があったかもしれないと。
自分はかつてカンボジアで2年働いていたので、国際協力の分野で仕事をしていきたい、やるなら「母子の命を守る仕事がしたい」と強く思った。ネット検索をしたところ、まずジョイセフにたどり着いたわけです。
山口
自分はアフリカの現状を知ったことがきっかけです。生まれる場所は自分で選べないのに、生まれた場所によって選択権にあまりに差があることに愕然とし、不公平だと感じて、何らかの国際協力の仕事をしたいと思ったから。
元々ガバナンスを学んでいて、不平等というものをガバナンスの観点から何とかできないかと考え、民間コンサルタント会社で働いていました。私がそこで働いていた当時(2004年)は、アフリカでエイズが流行し、多くの人が亡くなっている状況だったので、アフリカでエイズ対策のプロジェクトをしたいと。ちょうどその時、ジョイセフでアフリカのエイズ分野のプロジェクトをやっていて、それに応募したんです。
小野
アフリカ、エイズ、そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)だったのね
山口
ジョイセフに入った後に、SRHRを学んでいく中で、女性の権利としてのSRHRが、時と場所によって命の選択にもなることを強く感じ、それが今は、私のモチベーションになっています。
さらに、ジョイセフに入ってから、日本国内の問題について初めて知って、それまで自分ごととしてとらえていなかった。今は日本国内のことを意識しながら見られるようになっている。
自分は、海外の開発プロジェクトを担当しているが、海外とか国内の区別なく、いっしょに前に進んでいったらいい。「橋渡し」のような役をジョイセフはやっていけるのではないかと思っています。
「橋渡し」をしていく団体でありたい
小野
私は、自分が生まれた時に、祖父をはじめ親戚中にがっかりされたと。その理由が女だったから。おめでとうという言葉はなく、「次、頑張ってね!」と母は言われたとか。以降ずっと旧家の嫁として母は男の子を生まなかったことをずっと引け目に感じていたんです。
だから、私、なぜ男の子でないとダメなんだろうとずっと考えてましたね。母を悲しませる理由を。物心つくかつかないかの頃からジェンダーを意識していたと思います。それが、今、夫婦別姓のために事実婚を続ける理由です。
あ、疑問に持たれるかもしれないですが、私は、夫婦別姓とリプロダクティブ・ライツはすごくつながっていると考えているんです。現在の日本でも家父長制の名残りが強く残っている地域があって、女性は嫁いだ家のために子ども(跡取り)を産むという意識がある。結婚式で、子孫繁栄をと「家」のために祈祷する神社がある。地方では、子どもが産めなければ離婚、三行半(子どもがいないことを理由に夫が妻に渡す離縁状)の江戸時代の名残りもあると聞きますしね。
日本も世界も根底にある課題は「ジェンダー」
小野
ジョイセフに入った後で、そういったジェンダーにまつわる慣習や文化が世界の各地にあるとわかりました。
ジョイセフに入った直近のきっかけは、カンボジア人の友達を亡くしたこと。当時23歳だった友達は嫁ぎ先で出産の時に亡くなりました。出産で死ぬ、って日本では聞いたことのない話がカンボジアでは珍しくないと聞き、さらにショックで。ここから一気に国際協力への関心が。
藤島さんの話と共通しますが、日本では当たり前の環境、ヘルスサービスへのアクセスがないという状況の国・地域があると知ったわけです。
また出産でなくなるのは女性だけですよね。
しかも日本だったら助かるはずだっただろう命。この不公平な状況を変えたいという怒り、悔しさ。それが15年以上前から変わらない私のモチベーション。私生活と仕事は常に連動しています。
斎藤
自分も地方(新潟)出身で、大学卒業したら見合いしろと言われていました。でも見合いなどするはずもなく・・・。
卒業後に就職した先では、頻繁にセクハラが横行していました。当時は、それが悪いことでもないという文化の中で、胸を触ってくる人がいたり、毎朝あいさつ代わりにおしりを触ってくる上司がいたり、ヌードカレンダーが貼ってあったり。
今思うとすごいセクハラ!(汗)お茶くみは女性しかせず、当時は自分もフロアの男性全員のお茶の好みを覚えて、この人はミルクティー、この人は日本茶と出していました。
毎朝女性だけが掃除をしていて皆の机の上を拭くという感じで。学生の時には特にジェンダーのことを意識してなかったのに、社会に入ってからこれはおかしいと。そう考えると、母も嫁として虐げられているなと気になってきたわけです。
リプロダクティブ・ヘルス/ライツこそがジェンダーの根幹
斎藤
米国に留学し女性学を学んでいた頃、1990年代半ばの米国は中絶反対派が中絶クリニックを襲撃する事件が相次いでいて、反対派のキャンペーンに偵察に行って命からがら戻ってきた、という人にも出会ったけど、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(以下リプロ)については、ふーんという感じでまだ他人事でした。
日本に帰ってから議員秘書として働き、国の政策について考えるようになってもまだ他人事でした。その後の英国留学で国際人権を学んだ時に、国の政策が十分でないために妊娠・出産が原因で亡くなる人が世界で年約30万人と知り衝撃を受けました。
これは国家の責任として、何とかしなければならないのでは?という議論になった時、初めてそうだなと。自分たちの責任でもあるな、真剣に取り組まねばならないな、と納得したんです。それで日本に帰ってきて、リプロのことに取り組むならジョイセフだと思い、お世話になることになりました。
なぜ自分の中で長いこと腑に落ちなかったかというと、リプロは、最も自分に関わること、自分の選択に関わってくることなので、自分では課題化しにくい面がある。そこを課題化していくと逃げ場がなくなる、なので自分の中で敬遠してきたというところがあったのかなと。
でも今はリプロこそジェンダーの根幹ではないかと思っています。そう思うようになったのもジョイセフに入り、いろいろな人と出会って、この問題の大切さをさらに感じてきた、というのもあります。
小野
面白いですね。これまで生きてきた過程がジョイセフにたどり着いた理由で、ジョイセフの分野、ミッションがさらにモチベーションになっている。
斎藤
ジョイセフはすごくいい立ち位置にいると感じていて、途上国のことをやりながら、日本のことも俯瞰的にみられるというか。さっき出てきた「橋渡し」。その中でジョイセフが有機的な流れをつくっていけたらいいんじゃないかなと思います。
日本は、開発途上国より男女不平等の国?!なぜ?
小野
日本のジェンダーギャップ指数が世界153カ国中121位(2019年)、ジョイセフが支援している途上国よりも低いという実態、どう思う?
藤島
民間企業を出てから、その後劇的に変わった可能性もありますが、5年前まで女性がお茶くみをしていました。
取引先が来たらお気に入りの女性を対応に充てるということもやっていて。大企業なので、年度初めにE-learningがあり、どういうことをしたらセクハラになるのか、ジェンダーなどの問題も最新の教材で学ぶ機会がありましたが、仕事優先という感じで(身につかない)。
事務職で働いている女性たちは、自分たちの問題として捉え、学んでいるので、毎回アップデートしていく。そういったところで、学ばない「おじさん」たちとの乖離、差がリテラシーの面でどんどん開いている現状があるのではないかと思います。
最近、当時の同期と話したんですが、全く変わっていないと感じました。ハード的なところ、教育の機会は増えていそうですが、男性コミュニティの中では実態が追い付いていないのでは、と思います。森氏発言の件も、こういった男性コミュニティの中で話されていることがポロっと出たということではないかと思う。
外圧が、自分の中の差別・偏見・ステレオタイプに気づくきっかけに
山口
森氏の件、 日本だけのことだったら、ここまで大きな騒ぎにならなかったのではないかな。国際オリンピック委員会(IOC)の最大のスポンサーが問題視したのは大きかった。外圧でこの件が問題視されたと考えると残念だけど、日本だけでなく世界的にも良い議論のきっかけになったのかなという気がしています。
世界が日本よりずっと進んでいるように見えても、LGBTQ+の問題に声を上げ、権利を主張している人がいる。それはつまり彼らの権利が阻害され平等ではないということでもある。人々をステレオタイプ化してしまうのは人間の性(さが)のようなものかもしれず、そのようにして誰もが世界を見る視点を持っているのかもしれない。
男性、女性、ゲイ、日本で働く女性を「バリキャリ」と言ったりする、そういった誰もが他者をステレオタイプ化する中で「不平等」というくくりで語られるようになってきた。自分も含め、ステレオタイプ化して他者を見ているのではないか、男女だけでなくいろんな角度から自分の言動、考えを見直すきっかけになったのではないか、と思いました。
小野
外圧というのは確かにあったと思う。オリンピックは、外の賛同を得られないと前に進めない、というところで。
外圧といえば、ジョイセフには、もっと海外の、グローバルスタンダードな情報、ジェンダーやSRHRの情報を流して欲しい、というリクエストをよく受ける。そういう役割も求められているのかなと。
柚山
そういったリクエストをしてきた人は一定の関心をもっている人。そうではない人もいて、いろいろなレベルがあると思う。なので今回の森氏の発言をきっかけに考える人が増えたのは良かったと思う。
その人の知識や意識の程度に応じて働きかけも違ってくるのではないかと思う。根っこから男尊女卑思想を持っている人には大きな働きかけが必要かもしれない。ただ、無意識に今の日本の状況、その中に男女差別もあって、そういった状況を受け入れているような人には「きっかけ」がひとつあればいい。
自分の周りを見ても夫婦仲良く、優しい旦那さん(男性)が多いので、そういった人たちには権利のアプローチというより相手への思いやりとか愛情というアプローチでいいのではないか。いろんな人がいるので、アプローチも違っていいし、そういった違いも受け入れるくらい心が広くあってもいいと思う。社会的背景、問題によるところも多いので、あいつはダメ、この人はおかしいというのではなく、ここに違うアプローチができればいいのかなと思う。
斎藤
権利アプローチというのは開発業界でよく言われますが、むしろ共感力というか、他の人の痛みをわかって、おかしいことに声を上げている人、矛盾を感じている人たちの力になるというのが大事なことであり、そこをジョイセフとしても社会としても支えていけたらいいのではないかと思っています。
私は、ジョイセフがこれからどういうことをしていきたいか、聞いてみたいのですが。
「橋渡し」ができるのがジョイセフ。その強みを生かしたい
小野
先ほどから「橋渡し」というワードが出ていますが、ジョイセフはいろんな人たちをつなげていく役割ができると思います。先日日本の被災地支援の経験から立ち上げた、いざという時に備えるためのオンラインプラットフォーム(コミュニティ)などもそうですが。
今回の森氏の発言に象徴されるように、男はこうだ、女はこうだ、とか、「0型はこうだ」「A型はこうだ」と血液型でカテゴライズする人を日本ではよく見かけます(笑)。人をステレオタイプに型にはめる風潮が往々にしてあります。
ちょっと話はズレますが、日本は公立でも中学生になると制服が主流。そのルールが良いか悪いかは別にして、型から外れる人を叩く風潮はすごくあるなと思う。
SNSなどを見ていても人と違うことを発言すると叩かれる。地域差があるけれど地方の方が、黙っていた方がいい、個性よりも同様を美徳とされる風潮が強いように感じます。
何が言いたいかというと、多様性を大事にしたい。ジョイセフのI LADY.プロジェクトでも、「そんなに大勢アクティビストがいて何をするのですか?」とよく聞かれますが、I LADY.に生きる(=Love yourself, Act yourself, Decide yourself.を実践している)アクティビストの多様な生き方を見せたい。今回の座談会もそう。ここにいる5人が違うバックグラウンドがあり、そして異なる意見、考えを持っている、そういうところを見せていきたい。
柚山
先ほど出たオンラインプラットフォームの事務局をしています。
「4H」と名付けて(for Her, for Health, for Heel, for Help)、 その対象ユーザーは女性が中心ですが、男性に積極的に参加してもらうことを進めていきたい。男性もいざという時に頼りになると思ってもらえるように、女性男性双方の認識・理解の広がりを促進したり、発信したりしていきたい。橋渡しする事務局として。
藤島
自分の場合、小学4、5年の保健の授業で男女の違いを学んで、恥ずかしかった記憶がある。そのようなことを初めて学ぶ時期に、きちんと性に向き合うことが大事だと思う。
形成されてしまった後で意識を変えていくのは難しいし、自分が所属している文化や常識に染まる前に、適切な知識を身に着けることが大事なのではないかと。
山口
私は先ほどの多様性を出していくということは大賛成。LGBTQ+はじめそういったアイデンティティを持つ人たちをジョイセフは受け入れるオフィスであってほしいし、その人たちが堂々と「自分はこうなんです」、と言える団体であってほしい。
今は何が正しくて何が正しくない、というような時代ではないし、そういったことを発信していけるジョイセフであってほしい。
「女性のための」、はもう古い。SRHRは、「すべての人に」必要なことだから
山口
途上国で男性参加のプロジェクトなどを今までやってきて、最近の学会発表などを聞いていると「男性が女性を支えるから男性参加」という流れから、男性は男性でSRHRのいろいろな課題を抱えていて、それを解決することも重要だという考えが出てきています。SRHRは女性のものという考え方はもう古い。男性も女性もすべての人が性と生殖に関する課題を抱える可能性がある、という視点で私たちはアプローチしていく必要がある。
タンザニアでは実現には至らなかったが、途上国のプロジェクトでも男性クリニックを立ち上げようとしたり、少しずつ試みを始めています。
性に関しては、藤島さんの恥ずかしかったという話、それは99.9%の人が同じようにたどった道と思う。なぜ、同じ臓器で、胃とか腸なら聞いても恥ずかしくないのに、生殖器だと恥ずかしいのか、そこの考え方を変えていくような発信をジョイセフができたら。SRHRが誰にとっても話しやすく、どんどんよいものになっていくと思います。
斎藤
ジェンダーは単なるきっかけにすぎず、一人ひとりが生きやすい社会をつくっていくことが大事だと思う。
その社会には女性も男性も子どもも老人も入る。ジョイセフも何でもできるわけではなく、手の届く範囲のことをやっていくしかない。
例えば男性参加のプロジェクトをしたり、若者支援で、若者が声を上げやすいようにお手伝いしたり。色んな人がその場、地域で生きやすいように支援していくということがジョイセフの根幹なのかと思います。
柚山
やはり女性の健康やエンパワーメントのためには、男性の理解も不可欠だし、意識も変えていく必要があります。
自分は、家族の経験から女性の健康とか出産が命がけであること、SRHRの大切さに気づくことができた。だからこそ思うのは、そういうきっかけがない人は、気づかないと思う。
気づかないまま、森氏のような発言をする人が周りにいる環境で育ち、そのようなものだと思い、ジェンダーを気づかず、無意識に差別してしまう人もいると思う。
しかし、それはそもそも日本の社会に問題があり、経験がないと気づけない場合が多い。だから一概に男性がダメ、父親がなっていないというのではなく、日本社会で生きていく中で男性が自然にそういうことに意識を向けられるようにしていくと良いと思う。
自分はジョイセフでは数少ない男性スタッフとして、また2人の娘の父親として、そういう点に自分の役割もあるのかと感じている。
小野
平時からこういう雑談ができるジョイセフでよかったなと改めて。
こういう言い方をすると誤解を生んでしまうかもですが、森氏の失言が、海外メディアでも報じられ、日本でも大きな話題となり、ムーブメントになったことは、ちょっとうれしくて。「ようやくこの時がきた」と。
やはりSNSの影響は大きい。昔は不満があっても、それを個々がマスに発信する手段が少なかった。今SNSを通じて、昔は聞こえてこなかった声が一気に聞こえてくるようになった。
2020年の夏に、ジョイセフのI LADY.のユースたちが立ち上げた「#男女共同参画ってなんですか」 は、若者の勢い、巻き込む力がものすごくて。森氏発言に対する抗議の声、1週間で15万の賛同署名を集めたのも若者ならではのやり方、SNSで広がったからこそでしょう。この若者の声が、ここ最近の日本政府の動き、今回の組織委員会会長交代の人事やその後の動きに、確実に影響を与えていて、少なくとも変化のスピードが増しているのを感じます。ちょっとずつですが、ヒビは入ったなあと。
「女はこうだ」「男はこうだ」と性別でくくるのではなく、一人ひとりの違いを尊重し認めあって新しい価値を生み出していくことが大切。ジョイセフはそのことを考える機会をつくっていきたい。ある意味では考えるきっかけを与えてくれた森元首相に、ありがとう。と私は言いたい(笑)。
SRHRを推進する団体としてジョイセフは、日本と世界、国連や国際機関と日本の市民社会、専門家と支援者、保健医療従事者やヘルスワーカーと住民、そして市民社会とメディアやオピニオンリーダーの「橋渡し」をする。
そこから新たな「連携」が生まれて、ジェンダーギャップの縮小に拍車をかけたい。ようやくうねり出したこの大波に、ジョイセフも乗って、さらにウェーブを起こし続けていきたいですね。
- Author
JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします