世界人権宣言75周年に際するCSO声明にジョイセフが賛同しました。

2023.12.13

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2023年12月10日は、世界人権宣言が発行されてから75回目の世界人権デーです。
国際的に人権を守る活動を行う市民社会団体が共同で発行した「世界人権宣言(UDHR)75周年記念 国際市民社会組織共同声明」に、ジョイセフは賛同しました。

相次ぐ戦争や紛争など混乱が続く中、SRHRを含む人権侵害が世界中で発生しています。ジェンダー平等やSRHRに対抗するバックラッシュの動きも活発化しています。
ジョイセフはSRHRを含む基本的人権をすべての人が享受できる世界を目指し、本声明に賛同します。


(和訳)世界人権宣言(UDHR)75周年記念 国際市民社会組織共同声明

本日、世界人権宣言(UDHR)が75周年を迎えました。
UDHRは、すべての国とすべての人々において保護されるべき基本的人権について初めて言及した、画期的な人権宣言書です。

この75年間、人権の基準を追求しつづけ、UDHRに盛り込まれた人権の普遍性、相互依存性、不可分性、平等性、自由、そして尊厳といった理念を尊ぶために邁進してきました。

条約の批准などを通じ、各国では国際人権法にのっとった政治的・法的コミットメントが多く交わされてきました。条約機関、有識者、国連の専門家(*国連人権理事会「特別手続」のマンデートホルダー(個別の人権課題に関する特別報告者、独立専門家、作業部会)らは、持続可能な開発と平和を擁護する人々のため、人権保護の意義をくり返し明確にし、相応の対応をとってきました。

一方、市民社会組織(CSO)も、UDHRの普及において極めて重要な役割を果たしてきました。特に人権擁護団体は、本宣言に盛り込まれた権利の実現推進の最前線に立ち、たびたび攻撃にさらされたり、敵対的な状況に置かれても、UDHRの精神を根づかせる活動を続けてきました。

本声明に署名したCSO及び人権擁護団体は、普遍的権利を訴えつづけ、「すべての人は差別されることなくあらゆる権利を実現する権限を持つ」という、根本的でありながらいまだ実現されない原則のために闘い続けています。

特に交差的差別を受けている個人や集団は、基本原則さえ享受できていません。そして反権利主義、ジェンダー差別、人種差別、障害者差別、同性愛嫌悪、トランス嫌悪、外国人嫌悪、反ユダヤ主義、反イスラム主義、反移民などの運動の高まりは、社会正義運動(フェミニスト運動、女性の権利運動、LGBTIQの権利運動など)による社会の進歩を脅かしています。

UDHRが掲げる生命、健康、身体の尊厳、非差別、教育、同意による結婚と婚姻の平等、あらゆる形態の拷問その他の残虐、非人道的、品位を傷つける扱いからの解放、性と生殖に関する権利、多様性を持つすべての女性と女児の権利、そしてLGBTIQの人々の人権は、家父長制に則った差別的な現状維持を目的とした保守派勢力の活動によって弱体化され、政治的な駒として利用されています。

私たちは、国連において反権利的な活動家や組織が存在感を増し、集結している動きに懸念を抱いています。これらの勢力は、人権の保護が最も必要とされる歴史的・構造的に周縁化されてきたグループに不利益をもたらし、狭く退行的な観点でUDHRを利用し、人権に関する文言を都合よく変更して、権威を手中におさめようとしています。

今日、私たちはUDHRの75周年を祝い、近い将来の基準達成のため、すべての人々の権利、平等、正義を実現する基盤となる公約を、いま一度、自らの手に取り戻します。

私たちは、国連や多国間機関、そして自国において、この力強く包括的なビジョンを支持するよう呼びかけ、人権尊重実現のための法律及び政策を整えることを今後も要求していきます。