ザンビアってどんなところ?

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基本情報

国名 ザンビア共和国
Republic of Zambia
面積 752.61千平方キロメートル(日本の約2倍)
人口 2,001万人(2022年:世銀)
首都 ルサカ(海抜1,272メートル)
民族 73部族(トンガ系、ニャンジャ系、ベンバ系、ルンダ系)
言語 英語(公用語)、ベンバ語、ニャンジャ語、トンガ語
宗教 8割近くはキリスト教、その他 イスラム教、ヒンドゥー教、伝統宗教

※出典:外務省のページ(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zambia/data.html, 2024.7.23参照)

妊産婦死亡率 (1) 135*1
子宮頸がんの罹患率 34.1% (Human Papillomavirus and Related Diseases Report 2021, Kenya, Ghana, Zambia, Uganda)
身体的暴力を受けた15〜49歳の女性 36%(2018, ザンビアDHS)

妊産婦(にんさんぷ)死亡率:妊産婦が妊娠中もしくは出産してから42日以内に、それに関連することで亡くなる割合(対10万出生)
*1 https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/366225/9789240068759-eng.pdf?sequence=1

ザンビアってどんなところ?

1.「本物のアフリカ」が見られる豊かな自然

ザンビアは1964年に独立以降、60年間にわたって一度も内戦や紛争(ふんそう)(2)がない平和な国で、“The Real Africa”(本物のアフリカ)とも呼ばれるほど自然が豊かです。ザンビアとジンバブエの国境には「世界三大瀑布(ばくふ)」の一つであるヴィクトリアの滝(たき)があります。幅(はば)約1.7km、落差約110mにもおよぶ滝は、世界遺産にも登録されています。日本の約2倍の国土を持つザンビア国内には約20の国立公園があり、BIG 5と呼ばれるライオン、ゾウ、サイ、バッファロー、ヒョウのほか、キリン、インパラ、カバなど様々な動物を見ることができます。

(2)内戦や紛争(ふんそう)…内戦は、国内で勢力によって起こる戦争のこと。紛争は、広い意味でのあらそいごとのこと

2.世界有数の銅産出国

ザンビアの主要産業は鉱業で、銅は輸出額の約4分の3を占(し)めています。ザンビアの北部は鉱山地帯のため「コッパーベルト州」(Copper=銅)と呼ばれており、輸送するためにとても大きなトラックがたくさん行(い)き来(き)しています。銅のほかにもコバルトや亜鉛(あえん)などの鉱物も産出されています。鉱物資源の豊かさは国旗にも表されており、オレンジ色は銅を表しています。ちなみにザンビアで一番人気のスポーツであるサッカーですが、サッカーザンビア代表の愛称(あいしょう:ニックネームのこと)”Chipolopolo”(チポロポロ)は「銅の弾丸(だんがん)」という意味で、ホーム用のユニフォームも銅を表すオレンジ色です。

3.ローカルフード「シマ」

ザンビアの主食は「シマ」という、トウモロコシの粉を練り上げたものです。ほかのアフリカ諸国では「ウガリ」「ポショ」とも呼ばれますが、それらと比べるとシマは柔(やわ)らかく、ふわっとしているのが特徴(とくちょう)です。タンパク質は、ティラピアや小魚などの魚やとり肉のフライ、豆、炒(い)りたまごが多いです。野菜はサツマイモの葉やかぼちゃの葉、ナス、トマトなど、いろんな野菜の炒(いた)めものが出されます。とても熱々のシマをひとかけらとり、手の中でこねてからおかずと一緒(いっしょ)に食べるのが現地の食べ方です。

今起きている問題

世界で起きている気候変動は、ザンビアにも大きな影響(えいきょう)をおよぼしています。2023年に発生したエルニーニョ現象と気候変動により、ザンビアは記録的な猛暑(もうしょ)と雨不足に苦しんでおり、深刻な干ばつが広がっています。ザンビア政府は2024年2月、この干ばつを「国家災害」と宣言しました。

この干ばつによって、農業の作付面積220万ヘクタールのうち約半分の100万ヘクタールが失われ、100万世帯以上の農家に影響があると言われています。作物が育たなくなることで食べ物不足や飢餓(きが)が起こると予想されています。

また、ザンビアは水力発電に大きく依存(いぞん)しているため、雨の量が減れば電力不足が起こるとされています。経済を支える銅の採掘(さいくつ)は電力に依存しているため、電力不足は経済にも影響を与(あた)えます。

食べ物の不足、電力の不足は物価を高騰(こうとう)させ、国民の生活が苦しくなり、貧困(ひんこん)が悪化することが予想されます。家計が厳しくなると子どもたちは学校に行けなくなります。また、家計の負担を軽くするために児童婚(じどうこん)(3)をさせられる女の子が増えることも懸念(けねん)されます。また金銭のために行う性交渉(せいこうしょう)によって10代での妊娠(にんしん)が増えたり、ジェンダーにもとづく暴力(4)も増加すると言われています。

(3)児童婚(じどうこん)…18歳(さい)になる前に結婚(けっこん)すること(4)ジェンダー(社会的性差)にもとづく暴力…女性や女の子だけでなく、男性やLGBTの人々の権利を侵害する行為。相手が嫌がっているのに、無理に何かをして傷つけること。たとえば、体を傷つける暴力、無理やり性行為をすること、避妊に協力しないこと、中絶するように強要することなど。心の傷を与えるハラスメントや、仕事やお金に関する虐待も含まれる

まとめ

  • 気候変動で干ばつ(長期間雨が降らず、土がひどくかわいた状態)が広がっている
  • 干ばつによって、食べ物が不足し人々が飢(う)えるおそれがある
  • 雨の量が減って電力が不足し、経済に影響をおよぼす
  • 人々の生活が苦しくなり、児童婚、10代の妊娠、ジェンダーにもとづく暴力が増える可能性がある

プロジェクトを「知る」

  • ザンビアでの子宮頸がんの啓発教育活動レポート(2024年8月)
  • ザンビア・GBVを乗り越え復学した女性と、彼女を支えた母子保健ボランティア(2024年4月)
  • ザンビアの現場から。地元の人と考えるコミュニケーション戦略(2023年11月)
  • アフリカ4カ国の経験と知恵を方法論に。 各国のメンバーがザンビアに集い、学び合った 「持続可能な保健推進プログラム」とは?(2022年3月)
  • アフリカ4カ国  妊産婦と女性の命を守る5年計画プログラム最後の地域会議を開催 ~サステナビリティ「持続可能性」をテーマに、ガーナとザンビアの関係者全員が一堂に〜(2023年1月)