🌏世界のSRHR〜人工妊娠中絶について〜
2024.12.19
- 特集!
SRHR(性と生殖に関する健康と権利)は、国内だけでなく、世界規模で重要とされています。
今回はその中でも、人工妊娠中絶の権利についてフォーカスを当てた投稿です。
人工妊娠中絶を選択する権利は、自分のからだと生き方を自分で決められる権利(自己決定権)の重要な一部です。裏を返せば、中絶を禁止・規制する体制は、当事者からそうした権利を剥奪し、かつ健康を損なわせることにつながりかねません。
世界的に中絶への規制緩和が進む中、2022年6月24日に米国連邦最高裁判所が「憲法は中絶の権利を与えていない」という判決を下したことは、全世界に衝撃を与えました。
IPPFのアルバロ・ベルメホ事務局長はこの判決を「女性の健康と権利に対する最大の打撃」とし、「中絶は、憲法上保障されるべき命を守る保健医療ケア」であると訴えました。さらに、こうした米国の動きが、すでに保守化傾向の台頭でSRHRの後退が懸念される状況に拍車をかけ、世界各地で「反中絶派、反女性派、反ジェンダー平等運動が活発化し、生殖に関する様々な自由が制限される」危険性についても言及しています。
そして今、トランプ氏の米国大統領返り咲きに伴う2025年のGGR再導入により、以前と同様、もしくはそれ以上のSRHRへの打撃が懸念されています。米国の政策案の中で、トランプ氏の政策アドバイザーたちは、GGRの適用範囲を大幅に拡大し、人道支援金を含め、米国・非米国組織すべての援助を対象にするとしています。米国は、世界最大の保健分野の資金提供国であることから、これは米国だけでなく世界中の人々にとって重要なSRHRサービスへのアクセスが悪化する状況を意味します。
ジョイセフは、こうした動きを阻止すべく、さまざまな活動を通して批判の声を上げ続けていきます。
- コミュニケーション デザイングループ
- ジョイセフ コミュニケーションデザイン室メンバーによる投稿です。様々なトピックの情報・写真・動画を紹介していきたいと考えています