2019年と2020年の各項目の比較
分野 | 2019年 | 2020年 |
---|---|---|
政治 | 144位 | 147位 |
経済 | 115位 | 117位 |
教育 | 91位 | 92位 |
健康 | 40位 | 65位 |
総合 | 121位 | 120位 |
例年は年末に発表されていた世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)報告書2021が、2021年3月31日に発表されました。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界保健機関(WHO)によって世界的なパンデミックと公表されてから約1年。COVID-19の影響により、少しずつ縮められてきた男女格差が、この1年のコロナ禍によって再び広がり、世界的に格差解消にかかるとされた年数が、99.5年から135.6年に後退したと報告されています。
前年の2019年に153カ国中121位という過去最低を記録した日本は、2020年は120位。予想に違わずの結果です。政治、経済、教育、健康という個々の指標を見ると、すべてにおいて、1年前から順位を落とし、政治分野はワースト10を維持。
ジェンダー・ギャップ指数 2020年の日本の状況
グローバル・ジェンダー・ギャップ指数(The Global Gender Gap Index:GGGI)とは、 世界経済フォーラムが、毎年発表している、世界男⼥格差指数。各国を対象に、政治・経済・教育・健康の 4 部門について、男⼥にどれだけの格差が存在しているかを分析してスコア化し、そのスコアを元に各国の男⼥平等の順位をつける。(指数は⼥性/男性で算出、平等なら1、最低は 0)
年 | 調査 国数 |
総合 | 政治 | 経済 | 教育 | 健康 |
---|---|---|---|---|---|---|
ランク | ランク | ランク | ランク | ランク | ||
2020 | 156 | 120 | 147 | 117 | 92 | 65 |
2019 | 153 | 121 | 144 | 115 | 91 | 40 |
2018 | 149 | 110 | 125 | 117 | 65 | 41 |
2017 | 144 | 114 | 123 | 114 | 74 | 1 |
2016 | 144 | 111 | 103 | 118 | 76 | 40 |
2015 | 145 | 101 | 104 | 106 | 84 | 42 |
2014 | 142 | 104 | 129 | 102 | 93 | 37 |
2013 | 136 | 105 | 118 | 104 | 91 | 34 |
2012 | 135 | 101 | 110 | 102 | 81 | 34 |
2011 | 135 | 98 | 101 | 100 | 80 | 1 |
2010 | 134 | 94 | 101 | 101 | 82 | 1 |
2009 | 134 | 101 | 110 | 108 | 84 | 41 |
2008 | 130 | 98 | 107 | 102 | 82 | 38 |
2007 | 128 | 91 | 94 | 97 | 69 | 37 |
2006 | 115 | 80 | 83 | 83 | 60 | 1 |
2020年といえば日本は、第5次男女共同参画基本計画策定の年でした。パブリックコメントを通して集まった意見は約5600件、そのうち、記録的と言ってよい1000件以上が30歳未満の若い世代からの意見でした。
若者グループが当時の橋本聖子⼥性活躍担当⼤⾂・内閣府特命担当⼤⾂(男⼥共同参画)に直接要望書を届けたニュースも話題になりました。ジェンダーの平等推進に向けて日本の社会が大きく動き出すのではないか、という期待が高まったのです。
しかし、同時に、2003年に掲げられた指導的地位に占める女性比率の目標である「2020年までに少なくとも30%」は「20年代の可能な限り早期に30%程度」と下方修正、若い世代には圧倒的に支持され、世論調査では全世代を通して約70%が賛成している「選択的夫婦別姓」については、その言葉自体が第5次男女共同参画基本計画から消えました。
国際社会の目は、1年遅れのオリンピック・パラリンピックの開催を目指す日本に向けられています。
政府が設置した有識者による「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」の報告(2020年11月)は、日本国内でも女性への家庭内暴力や性被害の相談件数が増加し、女性の自殺者が増えていることを示しています。今、日本のジェンダー課題を浮き彫りにする日本の指導者たちの発言が、国際社会からの批判にさらされ、市民社会の一員である私たちには、声を上げ、行動することが求められています。
ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントの推進、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)の実現に向けて、私たちの活動に終わりはありません。これからも皆さんと共に、市民社会での連携を強化して活動を続けていきます。
- Author
JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします