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経口中絶薬 日本で初の承認へ

2023.4.21

人工妊娠中絶を飲む薬で行う「経口中絶薬」について、厚生労働省の薬事分科会は、4月21日(金)承認を了承しました。

近く、正式に厚労省が承認することになります。日本はこれまで、おもに外科的な処置による人工妊娠中絶が行われてきましたが、WHOは、経口中絶薬が真空吸引法と並び、女性の身体に最も負担のかからない安全な中絶方法のひとつとして推奨しています。

日本で人工妊娠中絶を望む女性たちに、より安全な選択肢が増えたことは前進ですが、経口中絶薬を望む女性たちがどのようにヘルスケアを受けられるのかの詳細はまだ発表されていません。

経口中絶薬と緊急避妊薬(モーニングアプターピル)はまったく異なる薬です

経口中絶薬の認知度は低く、緊急避妊薬と混同している人も少なくありません。経口中絶薬と緊急避妊薬は全く異なる薬です。

服用の時期 服用の目的
経口中絶薬 妊娠が成立した後(着床後) 人工妊娠中絶・流産
緊急避妊薬 妊娠が成立する前(着床前) 妊娠(着床)を防ぐため

それぞれの薬は、目的も服用のタイミングも全く異なります。

特に大きな違いは、妊娠前の服用か妊娠後の服用か。
緊急避妊薬は、「名前の通り、緊急時に必要なのだから、諸外国と同様、処方箋なしで薬局で購入できるようにしてほしい」という市民の声が大きくなってから久しいですが、2023年4月現在、日本はまだ医師の処方によってのみ受けられる薬です。

避妊に失敗した場合などは、性交渉後72時間以内に緊急避妊薬を服用するのが望ましいとされています。緊急避妊薬については以下のデジタル漫画からも知ることができます。

“不安” 女子大学生・かな(20歳)の物語

 
このたび、日本で承認される「経口中絶薬」は、イギリスの製薬会社、ラインファーマが開発した「メフィーゴパック」で、2種類の薬を順番に服用することで妊娠の継続を止め、子宮を収縮させ、妊娠を終わらせることができるという薬です。

手術など外科的な処置をせずに人工妊娠中絶を行うことができます。日本で対象となるのは妊娠9週まで。日本での具体的な管理方法や費用などはまだ発表されていません。

国際的にスタンダードな情報として経口中絶薬について、わかりやすく説明しているIPPFの動画をご覧ください。

「経口中絶薬とは?」がわかるIPPFの動画

 
翻訳協力:リプラ(リプロダクティブライツ情報発信チーム)

Author

小野 美智代
カンボジアの友人の妊産婦死亡をきっかけにジョイセフに入職。広報G、市民社会連携G、デザイン戦略室長を経て22年10月より事務局次長に。自他ともに認める熱血なお調子者。走りながら考える、ゼロから生み出すことが得意。色はゴールド。旅と酒とRUNが好き。14歳と8歳の娘たちと同い年の夫の4人家族。夫婦別姓目的の事実婚&新幹線通勤歴18年。