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全国の若い世代へ届けたい! 「性と生命のライフスキル」を、ジョイセフの出前講座で学びませんか??

2024.7.23

ジョイセフによる若い世代をエンパワーするプロジェクト「I LADY.」(アイレディ)では、全国の学校で「出前講座」を実施しています。ジョイセフの講師が学校を訪問し、月経や妊娠、性感染症、ジェンダー平等など、性と生殖に関する学びを提供するプログラムです。

医療や衛生の面で恵まれていると思われがちな日本ですが、実は選べる避妊法の種類が著しく少なかったり、ジェンダー格差が大きかったりと、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)の観点からは多くの課題が指摘されています。
学校でも2023年度から生命(いのち)の安全教育が始まりましたが、妊娠の過程を取扱わないとする「はどめ規定」もあり、若い世代は性に関する正しい知識を得る機会がないまま、インターネット等に溢れる情報に惑わされているのが現状です。

2016年から実施しているジョイセフのI LADY.プロジェクトは、性の情報から取り残されがちな若者へ向けて、SRHRを軸とする「自分らしく生きるためのライフスキル」を発信してきました。現在は首都圏以外の学校を対象に、2024年11月までの期間限定で、無料の出前講座キャンペーンも行っています。

どうしても、堅苦しくなったり照れが生じてしまう「性」の授業だからこそ、I LADY.では等身大に、気軽に考えてもらえるプログラムを用意しています。今回、実際に講座を担当しているジョイセフの人材養成スペシャリスト・林未由さんから、出前講座の内容や魅力について話を聞きました。

 


ジョイセフのプロジェクト「I LADY.」による出前講座とは?

ジョイセフ編集部(以下、編集部):さっそくですが、I LADY.(アイレディ)の「出前講座」とは、どのようなものですか?

ジョイセフ林(以下、林):この出前講座は、私たちジョイセフスタッフが全国の中学・高校・大学などにお伺いして、メッセージを伝えていく活動です。

まず、2016年にスタートしたI LADY.(アイレディ)というプロジェクトの名前についてふれておきたいと思います。「I」を主語とし、「Love」自分を大切にする、「Act」自分から行動する、「Decide yourself」自分らしい人生を、自分で決める。この頭文字から名付けました。「LADY」とは、英語で女性という意味を連想する言葉ですが、ジョイセフが動詞として位置付けた造語です。

現在では性別に関わりなく、誰もが「自分で決めて、自分らしい人生をデザインできる人になってほしい」というメッセージをこめて、プロジェクトを展開しています。

ジョイセフは「SRHR」を国内外で推進している団体です。SRHRというのは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツという、長いカタカナの頭文字をとったもの。このSRHRは日本語で「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。月経だったり、セックスすること、それから妊娠出産、デートDVなど、生きていくことに深く関わるキーワードをたくさん持っている言葉です。

SRHRに関わる決断というのは、例えば人生の中で誰とパートナーになるのか、結婚する・しない、赤ちゃんを迎える人生にするか、しないのであれば避妊はどうするのか、自分らしい方法は何か。このように、いろんな決断にこのSRHRの知識が関わってくる。

ですからこの I LADY.の出前講座を通じて若い人たちが自分らしい決断をして、自分らしい人生を歩んでいけるようにという思いを込めて、この活動に取り組んでいます。  私たちジョイセフスタッフが全国の中学・高校・大学などにお伺いして、メッセージを伝えていく活動です。

ジョイセフは「SRHR」を国内外で推進している団体です。SRHRというのは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツという、長いカタカナの頭文字をとったもの。
このSRHRは日本語で「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。月経だったり、セックスすること、それから妊娠出産、デートDVなど、生きていくことに深く関わるキーワードをたくさん持っている言葉です。

このSRHRに関わる決断というのは、例えば人生の中で誰とパートナーになるのか、結婚する・しない、赤ちゃんを迎える人生にするか、しないのであれば避妊はどうするのか、自分らしい方法は何か。このように、いろんな決断にこのSRHRの知識が関わってくる。
ですからこの I LADY.の出前講座を通じて、若い人たちが自分らしい決断をして、自分らしい人生を歩んでいけるようにという思いを込めて、この活動に取り組んでいます。

出前講座のイメージ。講師の問いかけに一人ひとりが自分事として考え、話し合う姿も見られる

包括的性教育の進まない日本で、若い世代が情報から取り残される

編集部:日本では、こうした包括的性教育がなかなか進まないようですね。中学校の学習指導要領でも、妊娠に至る過程、つまり性行為だと思いますが、これは取り扱わないといういわゆる「はどめ規定」があります。その一方で少しずつ、たとえば「生命(いのち)の安全教育」というものが始まっていますが、あまり具体的な内容には踏み込めないということで、現場の先生方も戸惑っているというお話を聞きます。

しかし実際のデータを見ますと、大人の考えと若い世代の行動は違うようです。日本財団が日本の17歳から19歳の若い世代を対象に2021年に実施した調査によれば、「性行為の経験がある」という回答が23.6%でした。さらにその中で「15歳以下で初めての性行為を経験した」と回答した方が22.2%にも上ります。このように、若い世代は大人の想像を超えて性的な活動に入っているけれど、正しい知識がなく、インターネットにあふれる情報やSNS、友達からの不確かな情報、そういったところでしか情報が取れないという現実があると思われますね。
*日本財団18歳意識調査

林:はい。学生から「自分のスマホで(性に関するテーマを)検索すると、インターネットのアルゴリズムに検索履歴が残るので、検索すらできない」という話を聞いたこともあります。本当に情報から取り残されてるんです。

編集部:性行為には妊娠や性感染症の可能性がありますし、心身を大きく左右し、「生きること」そのものに関わってきます。にもかかわわらず、若い人たちが情報から取り残されているのですね。だからこそジョイセフはこの出前講座をはじめ、SRHRについて伝える取り組みを行っているわけですが、具体的にはどのようなテーマを、どのように学ぶのでしょうか。

オリジナルのツールを使ってディスカッションを展開

林:学ぶトピックは、お申し込みいただいた学校の先生方と打ち合わせしながら決めていくことが多いです。一例として「ボディイメージ」というテーマでは、「自分の体が好きですか」というような問いかけをします。

たとえば拒食症になってしまうのは、ほとんどが10代の女性だと言われます。自分の体に自信を持てなかったりですとか、そういったアイデンティティに深く関わる部分の話もしますし、あとは月経ですね。生理痛に耐えながら試験を受ける女子生徒さんがたくさんいると思います。うまく付き合う方法として、ピルなどは親御さんの世代ですと否定的に思うケースもあるかもしれませんが、薬でコントロールできれば月経がそんなにつらいものではなくなる。そうした知識もお伝えすることがあります。

それから今、よく話題になる「性的同意」のお話があります。セックスすることにYesなのかNoなのか、意志確認をしっかり取ることですね。そしてジェンダーについては「男らしくあれ」「女らしくあれ」みたいな性別的役割の押し付けから解放されるメッセージを伝えています。あとはセクシュアリティ、「性の多様性」が今言われていますけれども、「どんなあり方であっても、あなたでいいんですよ」というお話をすることも多いです。

ジョイセフにはいろんなツールがあります。たとえば「SRHR  NOTE」という、見た目には教科書には見えないような性と生命の教材を作りました。
この中には性に関する事柄、さっきお話したような月経や性的同意、セックス、セルフプレジャーつまりマスターベーションのことですね、そうした先生方や親御さんからは伝えにくいことも1冊にまとめたものがあります。
この教材を使って生徒さんたちと学んだり、あとはタロットカードのようなデザインの「I LADY CARD」というツールがありまして、それぞれに「妊娠検査で陽性だったらどうする?」というようなディスカッションテーマが書いてあるのを見ながらみんなで話し合ったり。ほかにも、女性の体をかたどったエプロンに子宮を描いた紙芝居をセットして、妊娠の経過や月経の仕組みなどをお伝えする「ジョイセフエプロン」もあります。

ジョイセフオリジナルの教材いろいろ。「ジョイセフエプロン」は長年にわたり海外支援で使用している

パートナーと対等なコミュニケーションができ、自分も相手も守れるように

編集部:この「SRHR NOTE」は、別名「性と体のMYノート」という呼ばれ方もしているみたいで、いろいろ自分だけのことを書き込んだり、本当になんだか「親友」みたいになっていけるような存在ですね。

林:なんて素晴らしい表現! そうなんです。(自分の思いや気づきを可視化できる)セルフチェックシートや、メモしておけるスペースがたくさんあるんですよ。中でも画期的なところは「(カップルが)お互いのセックスに関する考えを確認できるノート」というページです。
セックスのことって、カップル同士だったとしても相談している人っていうのはすごく少ないんですよね。たとえば今日セックスするとして、どういうことをされたいか、されたくないか。こちらからしたいか、したくないか。
キスしたいとか、ハグとか、そういうキーワードがいろいろ書いてあって、それを指さすことでコミュニケーションができるので、口下手な人でも思いを伝えやすくなっています。あとは「さわって欲しい/さわられたくない場所は?」という項目では、ペニスとかクリトリスとかちゃんとした言葉が入っていますので、それを指さしながらおたがいに確認できます。
あと、SRHR NOTEを使って「今日の避妊はどうする?」みたいな話もできるんですよ。

ジョイセフの調査でも、「避妊をしないでセックスをした理由」について、「したいと言ったけど相手がしてくれない」「言い出しにくかった」という回答をした女性が多いのですが、そういうことがないように、「避妊アイテムをどうする?」という話も入れています。

編集部:このノートは、カップルでのコミュニケーションのツールにもできるのですね。ひと昔前ですと「Yes/No枕」なんていうアイテムくらいしかなかったですが、こういったツールを見ながらコミュニケーションできれば、スムーズに性的同意について話し合えますね。

林:はい。性的同意は毎回必要なものなのですから、「今日はどうする?」みたいな感じで、楽しんでこのページを開いてもらえたらとても嬉しいなと思います。

編集部:そうですね。その日の体調とか気分によって「今日はここまでにしたい」とか、いろいろあるでしょうし。

林:そういう話がしやすくなるように、ハードルを下げるための工夫を入れていますので、ぜひ使ってほしいなと思います。講座を実施するときにはこのノートを学校にお買い求めいただいて、それをもとに展開していくというのを想定しています。

「SRHR NOTE」は手にとりやすいシンプルなデザイン。性に関する正しい情報が網羅されている

編集部:このノート、本当にいま若い人に必要な情報がたくさん入っていますね。
実際の講座の様子も少し伺ってみたいのですが、こういったツールを初めて見た生徒さんたちからの反応や、気づき、変化などはいかがですか?

主体性を持って、私らしく生きる。「I LADYist宣言」は自分に送るエール

林:たとえば、ある北海道の中学校にお伺いしたとき、「ジョイセフエプロン」というツールを使いました。

最初に先生がエプロンをつけたら、生徒たちがワイワイ盛り上がって。男の先生のお腹の中に赤ちゃんが入ってきたように見えるわけです。このツールで、妊娠のきっかけになるセックス(性交渉)の経過も伝えることができます。

「ここから精子が出てきて、ひとつが選ばれて卵管で卵子と結びついて、こんなふうに大きくなっていくね」なんていう話をしたら、「エプロンがすごく面白かった」という反応をしてくれた生徒もいましたし、皆、興味津々で見ていました。

そこで、今度は同じツール(ジョイセフエプロン)で「月経を説明してみる」というプログラムもしてみました。男子の生徒がみんなの前で、「女の人の、命の玉? が出てきて」と頑張って月経について説明してくれたり、事前に「これは何ですか?」とこっそり確認しに来る生徒がいたりして、とても面白く授業を展開できたと思います。

その授業のとき、モニターにさまざまな避妊法の選択肢を映したまま休憩時間に入ったんですよ。そうしたら、男子たちがざわざわとモニターの前に集まって来て、「これは知ってるけど、これは?」みたいな話をしていたりとか。

男子生徒も女性の生殖のしくみについて理解を深めていくその授業のとき、モニターにさまざまな避妊法の選択肢を映したまま休憩時間に入ったんですよね。そうしたら、男子たちがざわざわとモニターの前に集まって来て、「これは知ってるけど、これは?」みたいな話をしてくれていたりとか。

編集部:避妊の選択肢って、一般に知られていないものがたくさんあったりしますものね。

林:はい。そんないろいろなお話をして、最後にI LADY.の講座では「I LADY.に生きてくださいね」というメッセージを伝えて、「私はこんなふうに生きる」っていうのを宣言してもらって授業を終えるんです。「I LADYist宣言」って呼んでいるもので、これまでの講座でもいろんな熱い宣言がたくさんあったんです。
例えば、「私は明るく生きる」とか「好きな色で生きる」とか。

編集部:「自分の色で生きる」って感じですね。

林:はい。このときには多様性の話をして、「自分のグラデーションはどこでもいいんだよ」という話をしたときには、そんな自分色の話になったりしました。

あとは、「私は自分の意思を尊重して生きる」「男だから女だからとかじゃない」とか、「価値観を大切にして生きる」「私は周りに左右されずに自分を信じて生きる」などなど、すごく熱い宣言をいただいて、何か私たちの思いが伝わっているなと思いながら、すごく満足して学校を後にしたのを思い出します。

編集部:そういう声を聞けるのは嬉しいですよね。まだ若い学生のときに、そういう考えを自分から言葉にしたっていうのは、その人の一生に影響があるような大きなことなんじゃないかと思いました。
たとえば男子ですと、本当に月経のことはミステリーというか、何が起きているのか謎だと思うのですけれど、こうやって科学的なちゃんとリアルに描かれた絵を使って、生徒も先生も一緒に学べるというのは、非常に良いツールだと思いました。

「性行為の前にHPVワクチンを」聞いてざわめく高校生たち

編集部:男子生徒のお話がありましたが、女子校でも出前講座をされたそうですね。

林:はい。たとえば京都の中高一貫校で、大きな体育館で講義をさせていただきました。なかなかこういう(ジョイセフエプロンのような)ツールで、近くで見ながらというのはできなかったんですけれども、子宮頸がんのこと、あとはSRHRのこと、避妊のことも少し話しました。

その中で、子宮頸がんを防ぐHPV(ヒトパピローマウィルス。主に性行為で感染する)ワクチンの説明をしたんです。HPVワクチンって小学校6年生から打てますけれども、なぜそんなに早く接種するかというと、セックスを始める前に打ち終わっている方が効果がより高いと言われているんです。
もちろんセックスを始めた後でも十分効果がありますけれども、そういったことをお話ししたらですね、高校3年生あたりがザワザワしていたと先生が言っていたんです。
それは、まさに「初めてのセックスの前の方がよかったの?」みたいな戸惑いがあったのではないかと思います。そういう感じで、先生方も「あそこでザワザワすると思わなかったです」と後からおっしゃってましたけれども、やっぱり性のことって、10代の女の子たちにとても身近なところにあるんですよね。

やはりそういったところで、ちゃんと事前に情報や知識を持って子宮頸がんを防ぐHPVのワクチンを受けたり、知識を持ったりすることで、安心度もやはり変わるんだろうなという実感を持ちました。

包括的性教育で「自分を大切にすること」を学ぶと、性行動の開始は遅くなる

林:講座では、ジョイセフが実施している「性と恋愛の意識調査」のデータも紹介しています。こうしたデータから見えてくるのは、日本では一人ひとりの性の主体性が弱く、「自分事」として考えていない傾向です。

たとえば「避妊をしないでセックスしたのはなぜ?」という質問に対して、「妊娠しないと思った」「何も考えていなかった」といった回答がとても多い。生徒たちと一緒にこうしたデータを見ていくと、「なぜ、セックスをするのに自分の身を守らない人がいるんだろう?」という疑問の声が上がり、そこからディスカッションも深まっていきます。

講座を受けた生徒たちからは、「もっと早いうちからこういうことを知りたかった」という感想もたくさんいただいてきました。やはり学校や家庭ではなかなか話されないこと、けれども自分の身を守るために絶対に知っておくべきことですので、本当にニーズが高いということを再認識しています。

正しい知識を得ながらディスカッションを深めていく中で、自分を守り、主体的に生きるマインドが育まれる

編集部:先ほどの「はどめ規定」や「寝た子を起こすな」という考え方の背景には、性の知識、正しい避妊の方法であったり、性行為で感染するHPVから始まる子宮頸がんであったり、そういった話題にふれることで、子どもたちが早くから性的に活発になってしまうという、そういう教育上の心配があったのだろうとは思います。でも、実際のデータなどを見ますと、それは実は逆であるという話もありますね。

林:本当にそうなんです。きちんとこうした包括的性教育をすることで、セックスの開始年齢が遅くなると言われています。やはりよく知らないから知ってみたいですとか、「ピアプレッシャー」と呼ばれる友達同士の圧力ですね。「まだセックスしてないの?」というような。こうしたプレッシャーに惑わされて、自分の意思とは反しているかもしれないのに、早く性的行動を起こさなければいけないと思ってしまう若者がいたりします。

そういったところも「自分らしいタイミングでいいんだ」と伝えていく。それが本当に自分らしい最初のセックスの手助けになりますので、ぜひ。「寝た子は起こすな」といいますが、もうみんな寝てません(笑)。

性教育のヒントは「食育」にあり?

編集部:寝ていなかったですね。とは言いつつも、「生命(いのち)の安全教育」というものをいざ国が始めようとしても、なかなか現場では進めるのが難しい、どうやって導入したらいいのかわからないという戸惑いの声が先生方から上がっていると聞きます。そうした経緯もあって、今回ジョイセフのI LADY.で講座を始めたということですよね。

林:そうなんです。先生方の中には、自分が生徒だったときに、性教育というものを受ける機会がなかった方も多いと思います。先生方が使う学習指導要領も、このようにあまり踏み込んだ内容ではないので、まだ準備できていないと感じる先生方が多いようです。

そういったときには、ジョイセフのような団体や、他にもこうした取り組みをしている団体や助産師さんなどもおられますし、いろんな外部の協力を得て、多角的に性のことを伝えていくっていうのはとても大切だと思います。

ただ一方でですね、「一度こうした講座を実施すれば大丈夫」というふうには思ってもらいたくないんです。性のことってすごく身近であるにもかかわらず、全然話されていないですよね。

他の例で考えてみますと、最近日本は食育をすごく頑張っています。2008年ぐらいから地域の農家さんと協力したり、子どもたちが自分で野菜を育てて、それを図工で描いてみたり、いろんな方法や授業で食育を扱っています。それと同じ感じで、性に関しても、先生方がご自身の言葉で話していただきたいなと思うんですよね。そこをどうやって話すか、入り方が難しい。でも、私たちの講義を一緒に受けていただくことで、「そういえばこないだジョイセフの人が言ってたこのテーマだけれども、みんなはどう思う?」みたいな感じで、性教育のディスカッションをスタートさせていくきっかけに使ってほしいというふうに、すごく思っています。

無料キャンペーン以外にも、出前講座は随時受付中!

編集部:このジョイセフ「I LADY.」の性に関する出前講座は、まだまだ受付中でしたね。

林:はい。2024年11月29日まで、月に1カ所程度回ろうと思ってます。ポツポツ埋まってきてはいるのですが、空きがある月もありますので、ぜひ、われこそはと思う学校さんは手を挙げていただきたいなと思います。あとは学校全体ではなくても、たとえば部活ですとか、有志の方々が集まるようなところであれば、学校全体という限定ではありませんので、ぜひお声がけをいただきたいと思います。

編集部:今回のプロジェクトの対象は、東京などの大都市圏というよりは、より情報を届けたい地方の学校なのですよね。

林:はい、今回の無料の出前講座キャンペーンは、東京・埼玉・神奈川・千葉が対象外になってしまうんです。ですが、別途お謝金をいただくような形になりますけれども、講義などの申し込みは随時受け付けてますので、首都圏の方々もぜひ検討いただければと思います。

今回、全国の首都圏以外のところで無料での出前講座を行うことになったのは、地方で講座を行うと、現地の先生や男女共同参画センターの方から、「SRHRの情報がなかなか届いてこない」という声を聞くことがあるためです。またジェンダーの課題もより多く残るという声が多く聞こえてきますので、そういったところに、やっぱり現場で情報を届けていく活動をしないといけないということで、今回は一都三県の首都圏は除く感じで企画させていただきました。やはり北海道や京都に伺った際も、昭和的なというか、固定された考えの方もおられるという声を聞くことも多くありました。やはりそういった地域においても、昔ながらのジェンダーが平等でない考え方にとらわれることなく、子どもたちが自分の人生を生きていくための何か一つのヒントになったらいいなと思っています。

2024年11月29日まで、ジョイセフのプロジェクト「I LADY.」による全国への出前講座の無料キャンペーンを実施中です。この機会に、自分らしく生きるための「性と生命のライフスキル」を身につける授業を、あなたの学校で取り入れてみませんか? 今回、キャンペーン対象外となっている首都圏(東京・埼玉・神奈川・千葉)でも、通常の出前講座を随時行っています。ぜひご相談ください。

【出前講座について、詳細は↓こちらをご覧ください】
出前講座 詳細ページへ

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