2023年の開催は日本で
世界の7カ国(仏、米、英、独、日、伊、加)とEU(欧州連合)のトップがテーブルに着き、世界の経済や地域の情勢、さまざまな国際的な課題について、意見を交わし合う場である、G7サミット。G7は「Group of Seven」の略で、2023年は日本・広島で開催されます。
G7には「エンゲージメント・グループ」と呼ばれる公式グループがあり、それぞれ各国の企業や非営利団体、市民団体などが集って政策提言(コミュニケ:communiqué)をまとめています。W7(Women 7)とはそのひとつで女性の権利に特化したもの。ほかには、B7(Business 7)、C7(Civil 7)、L7(Labour 7)、S7(Science 7)、T7(Think 7)、U7(Urban 7)、Y7(Youth 7)の7つのグループが発足しています。
W7が初めて立ち上がったのは、2018年カナダ・ケベック州シャルルボワで行われたG7サミットでした。以降フランス、イギリス、ドイツを経て、今回で5回目。ジョイセフは、一般社団法人 SDGs市民社会ネットワークとともに、事務局を務めることになりました。
2023年4月16日(日)には、東京・築地でW7サミットを開催し、コミュニケを発表する予定です。
W7の共同代表を務めたジョイセフ斎藤文栄が、グループとしての活動を振り返ります。運営としての熱意や舞台裏をお話しています。
2023年W7で提言すること
今回は、日本初の試みとして取り組んだことが2つあります。
1つ目は、インターセクショナリティ(注1)にも注目したことです。障害のある方、LGBTの方も参加し、「ジェンダー×障害」「ジェンダー×LGBTQ」などのさまざまな課題を取り上げています。2つ目は、ユースが主役となって全体を引っ張っていくことです。そのために、日本の実行委員会に3人のユースを招き入れ、共同代表は20代の福田和子さんが務めます。G7へのコミュニケを作成するなかでも世界のユースの声を集めました。
(注1)複数の要素が組み合わさることによってより複雑化した差別を可視化するための概念。例えば、「人種」と「性別」という複数のアイデンティティの重なりによって生まれる差別により、特定の職業に就けないことがあるなど。
また、W7を活動するにあたっては、アドバイザーを一般から募集しました。これまでのW7で行われてきたのと同じく、メンバーの4割が「グローバルサウス」と呼ばれる開発途上国からの参加も含まれています。
こうして集まった38カ国から87人のアドバイザーに私たちも加わり、5つのワーキンググループに分かれて、2カ月間の議論を経て5つのコミュニケにまとめました。
- 女性のエンパワーメント、有意義な参加、リーダーシップ
- 女性の経済的正義とケア・エコノミー
- 身体の自律性と自己決定:ジェンダーに基づく暴力(GBV)、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)、および性的指向、性同一性・性表現、性特性(SOGIESC)について
- 持続可能性と正義のためのフェミニスト外交:ジェンダーに配慮した複数の人道危機への対応」「女性、平和と安全保障」
- ジェンダー平等のための説明責任と資金調達
より詳細なコミュニケは、こちら(英語)で読むことができます。日本でのW7の成果として、また国際社会の動きを知る一つの手段として、ご覧ください。
[4/18追記]
4月17日(月)に、ジョイセフ・アドボカシーグループのメンバーが、イタリア、ウガンダ、ネパール、米国、マリから参加した仲間とともに、岸田首相へW7コミュニケを手渡しました。
ジョイセフは以後も、SRHRに関わる課題を解決するためにアドボカシー活動を行い、あらゆる人々との対話を進めてまいります。
- Author
JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします