ジョイセフアンバサダー/ジョイセフフレンズ/モデル 冨永愛


  
私は2010年、ジョイセフが主催した女性のSRHRを推進する世界の妊産婦の命を守る運動「ホワイトリボン」のイベントに参加したことをきっかけに、マンスリーサポーターの「ジョイセフフレンズ」になりました。そしてジョイセフの支援先のひとつであるザンビアを訪れ、現地の女性の声や現状を多くの人に知らせたいと強く感じ、アンバサダーに就任しました。

ザンビアで見たこと、聞いたことが胸に焼き付いています。自宅での出産があたりまえで、産婦さんが横たわるのは土に敷いた布の上。へその緒を切るカミソリは錆び、助産師ではなく身内の女性が赤ちゃんを取り上げていました。多量の出血や感染症などが起きたら、どうしようもありません。

女性たちは死を覚悟して、子どもたちに別れを告げてから出産に臨みます。それでも村の人々は「病院でのお産などありえない」と言う。その状況を変えるためには、性に関する正しい知識を伝え、一人ひとりのSRHRへの意識を高めるところから始める必要があります。

たとえば、性行為によって子どもができる仕組み。助産師がいる医療施設では、自宅よりもはるかに安全に出産できるという事実。適切な避妊で妊娠の間を空けることにより、女性たちの健康が守られ、村の子どもたちも元気な母親のもとで十分な世話を受けて、健やかに成長できること。

このようなSRHRの知識を、ジョイセフのプロジェクトでは村のリーダーをはじめ、地域の人々に伝えます。草の根から働きかけることによって、人々の意識が変わり、女性たちをめぐる状況が少しずつ改善していくのです。

ジョイセフはどの国のプロジェクトでも、年月をかけて現地の人々と協力し、女性の健康が守られる仕組みやコミュニティを作っています。妊産婦健診、避妊を含む家族計画、若者への性教育、衛生や栄養の知識。人々にその重要性を理解してもらい、ノウハウが村から村へと伝わっていく。本物の変化をもたらす「持続可能な支援」だと思います。

私がジョイセフフレンズになった2010年、世界では毎日、1000人近くの妊産婦が亡くなっていました。それが今では約800人に減少しています。私たち一人ひとりの力は限られていても、みんなで力を合わせれば、少しずつでも確実に世界を変えていくことができる。これからもジョイセフと一緒に進んで行きたいと思っています。