活動する理由

ジョイセフのビジョン・ミッション

世界では、年間60万人が「女性だから」命を落としています。妊娠・出産における母体急変、安全でない中絶、子宮頸がん。予防できる、救えるはずの理由で、女性の健康と命が危険にさらされています。

ザンビアの母子

それだけではありません。「女の子」に生まれただけで、児童婚や性器切除を強いられたり、教育を受けられなかったり、自分らしい生き方の選択肢を奪われたりするということが、地域によってはあたりまえのように起きています。

この根底には、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)の課題があります。SRHRとは、自分の体、性や生殖について、誰もが十分な情報を得られ、自分の望むものを選んで決められること。そのために必要な医療やケアを受けられること。私たちが心も体も健やかに、自分らしく充実した人生を生きるうえで欠かせない「基本的人権」です。

ジョイセフと活動を共にするピア・アクティビストたち

低・中所得国で暮らす人々の中で、特に女性、障害者、性的マイノリティの人々など、今なお多くが取り残されています。性の話をすることが禁じられたり、多くの偏見や差別が存在したりしているからです。
また、医療や避妊、中絶などのヘルスケア、性教育を始めとする正しい情報が圧倒的に不足しているため、意図しない妊娠や妊産婦死亡が多発しています。無防備な性交渉の結果、性感染症もまん延しています。

とりわけ女性は妊娠や出産で人生が左右され、性感染症によるダメージも深刻ですが、文化や慣習、宗教などによって身体への自己決定権を持てず、自分で自分の健康を守れないことが珍しくありません。

ジョイセフは、SRHRを推進する国際協力NGOです。1968年に日本で発足して以来、40を超える国と地域で、下記の分野の活動をしてきました。

©Miki Tokairin / JOICFP

このように、SRHRを推し進める仕事は多岐にわたります。
どの活動においても、ジョイセフが目標とするのは一過性ではなく、ジョイセフの支援で生まれた良い変化が人々の手で持続し、さらに発展していくことです。医療・ヘルスケア・情報へのアクセスを改善し、SRHRをとりまく環境を整備しながら、一人ひとりの意識と行動に働きかける「人づくり」に力を注ぐことで、根本から現実を変えていきます。

SRHRは性別や属性にかかわりなく、すべての人の幸せに欠かせないものです。私たちジョイセフはSRHR実現の先に、一人ひとりの権利と選択が尊重され、ジェンダー格差から自由になり、より健康に自分らしく生きられる世界をめざします。