遠隔医療システムXMIXを活用した妊産婦検診の改善に向けた案件化調査

すべてのプロジェクトミャンマー母子保健プライマリヘルスケア / 地域保健強化保健システム強化ヘルスプロモーション3.すべての人に健康と福祉を17.パートナーシップで目標を達成しよう

プロジェクト名 遠隔医療システムXMIXを活用した妊産婦検診の改善に向けた案件化調査
実施国 ミャンマー
活動の目的 ミャンマーの農村部をカバーする遠隔医療システムの導入により、妊産婦、新生児、幼児の死亡率及び疾病率を改善する
実施地域 マグウェイ地域‐ナトマック、タウンドンジ、ミョーチット、シンバングウェ各タウンシップ
対象人口 人口400万人
実施期間 2016年10月‐2017年9月
スキーム等 JICA(国際協力機構)
共同実施機関(現地) ミャンマー国保健スポーツ省
共同実施機関(日本) TRIART
背景 ミャンマーでは人口の約70%が農村地域に居住しています。ミャンマー国保健スポーツ省は、都市部と農村部における保健サービスへのアクセスの格差を削減し、2030年までにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを実現するため、特に農村部に居住する母親や5歳以下の乳幼児に向けた支援を行うことを決定しました。
ミャンマーの妊産婦死亡率は、出生10 万対178 で、1990 年の推計値453 と比べて改善されてきていますが、ASEAN10 カ国の中では、乳児死亡率(乳児死亡率は出生数1,000件中40)とともに、ラオスに次いで高くなっています。母子保健サービスの向上は保健省の重点目標で、ミャンマー国民民主連盟(NLD)の公約(マニフェスト)でも、「妊産婦・新生児・乳幼児の保健や栄養の向上」のための介入に最も高いプライオリティ(重点)がおかれています。一方、母子保健の改善のためには、母子保健事業の人的、技術的、財政的、資源的などあらゆる面からの改善が求められています。
今回の調査はミャンマーの農村地域における医療サービス、とりわけ母子保健(MNCH)サービスを向上させるため、日本で開発された遠隔医療システム “XMIX”を試験導入し、テスト運用を通じて、ミャンマー保健省の保健目標の達成のために資する可能性について、調査研究したものです。
主な活動
  1. 遠隔医療システム“XMIX”のテスト運用による実用性の検証:
    通信環境が悪い僻地においてもスマホ・タブレットでも利用できる高速での情報伝達を可能とする遠隔医療システム“XMIX”をミャンマーでテスト導入しました。XMIXは、これまでの遠隔医療システムに比べて、初期導入費用や保守費用を大幅に削減できるという利点があります。日本ではすでに、山間部の病院など、これまで助ける事ができなかった患者(例えば脳卒中患者)を助ける事ができる環境を実現した導入実績をもつ技術です。安価でセキュアで低通信速度地域でも利用ができることがXMIX の強みです。
    ①ミャンマー国保健スポーツ省の複数部局;中央、地方、地域オフィス及び活動地域における4タウンシップオフィスへのインタビュー、導入についての意見収集
    ②マグウェイ管区内のタウンティンギー町で、タウンシップ病院、ステーション病院、農村保健センター、サブ農村保健センターで1か月のテスト運用。
    ③テスト運用について、利用者への事後インタビュー実施。
  2. ビジネス展開の可能性についての情報収集: 
    ミャンマー国内の医療機関同士および国内と外国病院間での医療コンサルテーションニーズについて、外資系病院、内資系病院、公的医療機関の3つで調査
  3. WHO、UNICEFなどの国際機関へのインタビュー、意見交換、情報収集