【ジョイセフフレンズ通信10月号】冨永愛アンバサダーと章胤さんと一緒に見たウガンダ。ウガンダに暮らす女性たちのリアルと見えた未来。
2023.10.11
- ジョイセフフレンズ通信
ジョイセフフレンズのみなさん
こんにちは
10月からジョイセフに入職しました縣 佳子(あがた よしこ)です。
17歳と15歳の2人の娘の母親で、私自身もジョイセフフレンズです!
これからジョイセフフレンズ担当として、みなさまに情報をお届けしていきます。どうぞよろしくお願いします。
ところで、今日10月11日は「国際ガールズ・デー」です。
「国際ガールズ・デー」とは、世界中で女の子の権利が守られ、性別やジェンダーの格差に阻まれることなく幸せに生きられるよう、国際社会が思いをひとつにして呼びかけ合う記念日だそう。
素敵な日ですね。
ですが、お恥ずかしながら!!
私はジョイセフに入職するまでこの日のことを知りませんでした。
我が家のガールズ達も知らないので、本日発売の新色ピンキーリングをプレゼントしながら、ガールズ・デーと世界中の女の子の権利について話してみようと思います。
今回のレポートはウガンダの女性たちのリアルを担当の甲斐よりお届けします。
【活動レポート】
海外事業グループでウガンダを担当している甲斐です。8月に冨永愛アンバサダー、ご子息の冨永章胤さん、支援企業のサラヤ株式会社の方々にウガンダのフォートポータルという町での活動を見てもらいました。今回はその報告をします。
フォートポータルはウガンダの西の端にある町で、コンゴ民主共和国との国境に近い観光で栄える町です。
ウガンダは、1年中気候が良く、雨にも恵まれ、作物もよく育つ国です。周辺では、鳥の鳴き声が美しくさえずり、花が咲き乱れています。そんな天国のようなウガンダですが、アフリカの中でも、最貧国の一つです。人口の2割が極度の貧困にあり、15歳~29歳の若者の4割が学業にも職業(職業訓練を含む)にも就いていない状態にあります。独立後、内戦や紛争が繰り返され、インフラや産業が発展しなかったことにより貧困が広がりました。貧困が理由で、幼いうちに学校をやめて家政婦として働くようになり、家主や出入りする大人たちによって13歳、14歳で妊娠させられ、出産する女の子たちが後を絶ちません。ウガンダでは若年妊娠の割合が25%。つまり4人に1人の女性が10代で妊娠していることになります。
ウガンダでは、このような背景から女性の子宮頸がん、HIV、その他の性感染症が深刻な問題となっています。子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)の感染経路である性行為は、HIVやその他の性感染症の原因ともなるためです。
ウガンダの子宮頸がんの罹患率は人口10万人に対して30(世界平均が13.3)と高く、女性の主な死因の一つです。また、プロジェクトを実施しているフォートポータルでは、HIVに感染する女性の割合は17.8%と大変高くなっています。
ジョイセフはこのような状況を打開するため、現地のカウンターパート、リプロダクティブ・ヘルス・ウガンダ(RHU)とともに、ウガンダでの子宮頸がん予防・治療、HIV、その他の感染症の予防と検査、貧困からの女性の自立を促すシングルマザーのための就業支援活動を、サラヤ株式会社の支援のもとに行っています。
Photo by @mumuko_artist
<プロジェクトで実施する、子宮頸がんやHIVの啓発活動に参加していた10代の女性へのインタビュー>
ナイトさん 16歳
「家が貧しくて小学校3年で学校をやめて家政婦として働きに出た。14歳の時その家の警備員が言い寄ってきた。その男性は愛し合っていれば妊娠しないのだと言っていたがそれは嘘で、私は妊娠した。妊娠のことは全く知識がなく、マラリアにかかった時に病院に行って妊娠のことを告げられ、怖くなった。男性は妊娠を打ち明けるとどこかに行ってしまい、両親からは追い出され、今は祖母と暮らしている。友人が中絶できる薬があると言っていたがそれで死んだ人もいると聞いて迷い、出産した。今日の助産師さんの話で、ここで様々な保健サービスを受けられるとわかったので、避妊サービスと性感染症などの検査を受けて帰りたい」
自立支援の研修後にビーズアクセサリーを作って市場で売るトピスタさん
Photo by @mumuko_artist
「10人の子どものいる家に生まれた。貧しかったので遅れて小学校に入り、小学校4年を終えたとき13歳で妊娠した。家政婦をしていた家の家主に無理やり性行為を求められた。そのことが恥ずかしく、家に帰らずに点々としていた。現在4人の子どもがいるが全員父親が違う。最後の男性に逃げられ、子どもたちを食べさせるために実家に戻ってきた。今は母と兄弟、子どもたち11人で暮らしている。4人目を妊娠して男性に逃げられ、途方に暮れていたときにボランティアが来た。経済的に自立するために研修を受けないかと言われた。もしかしたら私でも新しい人生を歩めるかもと希望を抱いた。研修は産後1週間目のタイミングだったがチャンスを逃したくなくて生まれたばかりの子どもを連れて参加した。研修に来ている女性の中には自分のように乳児を抱える女性たちがたくさんいた。今は研修で習ったビーズでアクセサリーを作って市場で売っている。これで子どもたちの食べる物が買えている。母親にこれ以上迷惑をかけられないのでお金が貯まったら自分の家を持ちたい。」
自立支援の研修後、チャパティ屋の屋台を友人3人で始めたプリティさん
Photo by @mumuko_artist
「私は11歳で孤児になった。5人きょうだいの一番上だったので母親代わりだったが、11歳の子どもにできることは少なく、毎日私もきょうだいもお腹をすかせていた。14歳の時男性が面倒見るからと声をかけてきて妊娠した。産前健診でHIV陽性とわかった。男性は私が妊娠中に亡くなった。すでに5人のきょうだいを面倒みていたのに、そこに乳児が加わった。生活は一段と厳しくなり、次の男性に声をかけられた時、HIVに感染していることを打ち明けられず、私はその男性にばれないようにと、妊娠がわかった時に逃げた。生活は限界で鬱になった。そこに友人のマリオンがボランティアを連れてやってきた。マリオンは同じHIV陽性の友人。『どうしても研修を受けさせたい友達がいる』とマリオンが私ともう一人のHIV陽性の友人、シアマをボランティアに紹介してくれた。研修は楽しく、自分は無力ではないと思った。子宮頸がんの検査も受け、家族計画のことも学んだ。自分は多くのリスクにさらされていたと気づいた。家に帰ると地域に差別され、自分がHIV陽性である現実を突きつけられる。マリオンとシアマと3人で開いたこのチャパティ屋は私の居場所。ここでは3人で未来を語れる。もっと稼げるようになって、子どもたちを学校に通わせたい。子どもたちには私と同じ道を歩んで欲しくない。日本の皆さん、プロジェクトでチャパティの作り方を教えてくれてありがとう。もっとこれからもいろいろなことを学び挑戦したい。」
Photo by @mumuko_artist
※この支援プロジェクトでは、貧困のため10代で妊娠したシングルマザーに対する自立支援の研修も行っています。研修内容は料理、裁縫、アクセサリー作りの3種類と、経理です。研修で学んだ女性たちには少額の資金(150000シリング=約6000円)が提供され、それを使って屋台を始めたり、材料を買ったりして販売し、生計を立てています。
今回、18歳の冨永 章胤さんに同行いただいたのは、ジョイセフスタッフにとっても学び多い経験となりました。10代の男性にとって、同世代の女の子たちの若年妊娠について目の当たりにし、意見を求められる事は、とても向き合いづらいことなのではないかと初めは心配しました。ですが、実際にはナイトさんそして、プリティさんへのインタビューは章胤さんが実施してくれ、彼女たちが抱える問題や未来に対する正直な思いは、彼女たちと年齢の近い10代の章胤さんの友人のような同じ目線かつ率直な質問で聞くことができたものでした。
一緒に視察してみて、若年妊娠をはじめ若い世代が抱える問題にはジェンダー関係なくまた、若者自身も参加することが重要だと思いました。
Photo by @mumuko_artist
【ジョイセフフレンズ限定公開】Meets Kenya 高尾美穂先生が見たケニア 帰国報告会開催しました!
高尾先生と一緒にケニアでの活動、視察を実施し、9月28日に報告会を開催しました。動画を共有しますので、お仕事や家事のお供にお耳だけでも!是非ご視聴ください。
動画はこちら
【人気のチャリティーピンキーリングに新色が登場!】
世界中の女の子の幸せを願い、これまで30種を超えるテーマで展開してきたチャリティーピンキーリング。国際ガールズ・デーを記念して、10月11日から5種類のリングが販売開始です。リング1つにつき100円、リング&イヤーカフセット1つにつき200円が、ジョイセフを通じて世界の女の子を支援する活動に使われます。
【Protect※I LADYコラボ】【Glow※I LADYコラボ】【Word※思い出のランドセルギフトコラボ】が新たに仲間入りし、人気のため完売していた【Life】【Peace】が復刻しました。小指につけるのもよし!大きめを買って他の指につけるのもおすすめ。フレンズの皆さんからご家族やご友人へのプレゼントにも。是非お求めください。
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- 栗林桃乃
- 国内外のジェンダーの課題に興味を持ち、大学時代〜現在ジョイセフフレンズとしてジョイセフの支援をしている。いつかジョイセフで活動をと志し、2022年にジョイセフに入職。前職はホテリエ。接客で身につけた対人スキルと2年ほど広報・企画として働いた経験を活かし現在はジョイセフで活動中。国内支援者連携窓口、思い出のランドセルギフト事業統括。日本の若者を性に関する悩みや課題から解放したい思いでI LADY. の活動もサポート。性にとらわれない生き方を実践したい。パートナーとコーギー犬との3人家族。趣味はパートナーと走るロードバイク。