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- パプスメア(検査)
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Pap smear (and test)
子宮頸部細胞診のこと。子宮頸部から採取した細胞をスライドグラスに薄く広げて染色し(訳注:塗抹標本)、顕微鏡で子宮頸部と頸管の細胞の異状(前がん変化)を調べる検査法。「パプ」は、この方法を発明したパパニコローの名前にちなんだもの。
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- 親の同意
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parental consent
未成年者は人工妊娠中絶(またはいかなる医学的・外科的措置も)を決定する際に、親の一方または両方を関与させなければならないとする条件のこと。この必要条件は、面倒をよくみず、虐待をする可能性もある親の子どもが、妊娠について親に打ち明けざるを得ない、あるいは安全でない違法な施術者を探さざるを得ない状況をつくるおそれがある。青少年のほとんどは、少なくとも親の1人を関与させることを選ぶ。
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- 合法的人工妊娠中絶に関する親への通告
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parental notification for legal abortion services
未成年の娘が人工妊娠中絶を受ける前に、親の一方に通告することを必要条件とする法的規則。この条件は、面倒をよくみず、虐待の可能性もある親の子どもが、妊娠について親に打ち明けざるを得ない、あるいは安全でない違法な施術者を探さざるを得ない状況をつくるおそれがある。青少年のほとんどは、少なくとも親の1人を関与させることを選ぶ。
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- 出産経歴
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parity
1人の女性の妊娠回数。この場合の妊娠は、妊娠20週以降の出産または体重500グラム以上の乳児の出産につながるもの。
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- 父性
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paternity
生物的および/または法的に父親である状態をいう。Fatherhoodも同じ。
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- 患者フロー分析
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patient flow analysis
⇒クライアント・フロー分析(CLIENT FLOW ANALYSIS)
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- ピア・プレッシャー
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peer pressure
同じ背景をもつピア(仲間、同年齢集団など)として、その集団の規範に合わせようと努力すること。
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- 骨盤検査
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pelvic examination
女性生殖器(外陰部、腟、頸管、子宮、卵巣、骨盤組織)を検査すること。
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- 骨盤内炎症性疾患
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pelvic inflammatory disease (PID)
骨盤器官、とくに子宮と卵管の炎症。性感染症にかかった女性にみられる代表的な合併症で、慢性的腹痛、月経障害、卵管妊娠、不妊など、長期にわたる疾病に結びつく。
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- 周閉経期
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perimenopause
閉経前後の移行期(期間は公式には特定されていない)。
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- 周産期死亡
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perinatal death
妊娠28週以後の胎児の死亡(訳注:日本では妊娠満22週以後の胎児の死亡)、または生後1週間未満の新生児の死亡。
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- 周産期死亡率
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perinatal mortality rate
総出産千件あたりの周産期死亡数。
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- 周期的禁欲法
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periodic abstinence
妊娠を避けるため、女性の妊娠可能期に腟性交をしないこと。
基礎体温法 basal body temperature (BBT) method
排卵後、体温が上がり、次の月経まで高温期が続く。月経の初日から高温期の3日目まで、性交は避けたほうがよい。
カレンダー法またはリズム法(オギノ・クラウス法)(訳注:日本ではオギノ式として知られる) calendar or rhythm (Ogino-Klaus) method
月経記録から妊娠可能期を予測する。妊娠可能な第1日目は、最も短い月経周期で計算した月経初日から18日を引いて割り出し、妊娠可能な最終日は、最も長い周期で計算した月経最終日から11日を引いて計算する。
頸管粘液法または排卵法(ビリングズ法) cervical mucus or ovulation method (Billings method)
月経周期中は、エストロゲンの量の変化に応じて頸管粘液が変化する。その変化を観察することで排卵期前後の妊娠しない時期が特定できるので、その時期に性交をすれば避妊できる。
標準日避妊法 standard days method (SDM)
月経周期が26日から32日と規則的な女性の場合は、月経8日目から19日目までの間は、避妊なしの性交を避ける。
徴候体温法 sympto-thermal method (STM)
排卵期を予測・検知するために、基礎体温法と頸管粘液法を組み合わせて基準とする方法。
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- パイロット・スタディ
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pilot study
調査を開始する前に実施する小規模テスト。たとえば、調査対象の人口と同じような属性をもつ人々に、新しい質問表をテストすること。これにより、問題や懸念される領域が明らかになり、本格的な調査を開始する前に解決策に取り組むことができる。
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- プラセボ(偽薬)
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placebo
臨床試験(治験)で対照群(コントロール・グループ)の参加者に与えられる不活性の治療のこと。試験群に投与される活性治療薬と外見では区別できない。参加者は自分がどちらのグループに区分けされているかわからないので、試験治療薬の効果とケアや配慮の効果を区別することができる。
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- 胎盤
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placenta
胎児が成長するための栄養を与える器官。胎盤(後産(あとざん))は妊娠中に形成され、赤ん坊が誕生して数分後に子宮から排出される。
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- HIVとともに生きる人(々)
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PLHIV
PLHIVはPerson or people living with HIVの略。
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- 方針
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policy
目標達成に向けた工程を実行するための一連の決定事項。目標は努力する対象となるものである。
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- 人口分布
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population distribution
コミュニティ、地区、首都、国、地域(訳注:アジア地域などと表される広範な地域のこと)など、ある一定の地域に広がる人口の地理的分布。人口分布を知ることは、管理運営の責任者が新しい事業やサービス施設の場所を計画するうえで重要である。
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- 人口増加率
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population growth rate (PGR)
ある期間、通常は1年間の人口増加で、その期間の開始時にパーセンテージで表記される。人口増加率は出生、死亡、人口移動を反映する。年間4%の増加率の場合、その国の人口は18年で倍増し、1%だと倍増には70年かかる。世界の人口増加率は1.2(2005-2010年の平均推計値)である。
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- 人口推計
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population project
出生、死亡、人口移動の今後の傾向を想定し、将来人口の規模と特徴を算定すること。
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- 人口ピラミッド
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population pyramid
横棒グラフを使い、年齢別・男女別の人口構成を示したもの。一番下に若い年齢層を配置する。人口増加が早いと、新しいコーホート(訳注:同期間に生まれた集団)はそれぞれその前のコーホートより大きいため、人口構成はピラミッドに似るが、人口増加が遅い場合はより均等な年齢分布になる。
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- 積極的予防
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positive prevention
HIVとともに生きる人々が自らのセクシュアル・ヘルスを守り、性感染症を回避し、HIVとエイズの進行を遅らせ、自分の子どもも含め他の人に感染させないようにするよう支援する一連の行動。
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- 人工妊娠中絶後
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post-abortum
人工妊娠中絶直後の期間のこと、ただし期間は決まっていない。
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- 性交後避妊法
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post-coital contraception
⇒緊急避妊法(EMERGEMCY CONTRACEPTION)
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- 暴露後予防法
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post-exposure prophylaxis (PEP)
無防備な性交、注射針の共同使用、職業上の針刺し損傷など、HIV感染リスクの高い暴露の後に、予防のための抗レトロウイルス薬を投与すること。効果的であるためには、治療は暴露後72時間以内に開始し、4週間継続する必要がある。
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- 産褥(さんじょく)
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post-partum
出産直後に起こる状態。出産によって起こる一時的な状態をさして使われることが多いが、産後6週間の状態を特徴づける用語としても使われる。
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- 貧困削減戦略ペーパー
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poverty reduction strategy paper (PRSP)
経済開発を促し貧困を減らすための、複数の経済・社会部門にまたがる国家計画。貧困削減戦略ペーパーは、市民社会および世界銀行(WB)、国際通貨基金(IMF)などの開発パートナーの参加を得て政府が作成する。
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- 子癇(しかん)前症
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pre-eclampsia
妊娠20週以後に起こる高血圧症で、尿蛋白過剰か、体の一部または全身的な浮腫(むくみ)のいずれか、あるいはその両方(ただし痙攣はない)を伴う症状。子癇に進行することもある。
⇒子癇(ECLAMPSIA)
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- 前胚
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pre-embryo
発育開始後数日間の受精卵のこと。
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- 妊娠満期に満たない乳児
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pre-term infant
未熟児と同義。
⇒未熟児(PREMATURITY)
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- 生存可能以前の乳児
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pre-viable infant
胎児が子宮外で生存できる能力を獲得する前に、妊娠20-24週で生まれた乳児。
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- 妊娠
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pregnancy
着床から(「中絶反対」派によると受精日から)出産まで、女性の体内に胎児がいる期間。
子宮外妊娠 extra-uterine pregnancy
⇒子宮外妊娠(ECTOPIC PREGNANCY)、奇胎妊娠(MOLAR PREGNANCY)
妊娠の三半期 trimesters in pregnancy
第1三半期は妊娠14週未満、第2三半期 は14-28週未満、第3三半期は28週から出産までのこと(訳注:日本では0-15週を前期、16-27週を中期、28週以降を後期としている)。
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- 流早産
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pregnancy wastage
妊娠中のいずれかの段階で胎児を失うこと。自然流産(流産)と死産を含むが、人工妊娠中絶による意図的な喪失は含まれない。
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- 早産、未熟児
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premature birth, prematurity
妊娠37週未満の出産。呼吸、授乳、その他の面で困難を伴う。早産は多くの要因と結びついている。早産は、新生児死亡原因の約27%を占める。
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- 出産前の性の選別
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prenatal sex selection
妊娠初期に胎児の性別がわかった段階で、胎児を中絶することを決断すること。これは通常、男子優先の強い社会で起こる。男児を1人またはそれ以上望む場合に、女の胎児が中絶される。
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- 有病率
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prevalence
ある時点におけるある人口の中での疾病状態を測定すること。点有病率としても知られる。ある期間(たとえば1年)を通して測定することもあり、その場合は期間有病率と呼ぶ。期間有病率は点有病率と発生率を組み合わせたものである。
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- 予防対策
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preventive measures
手を洗う、薬その他の治療法を提供するなど、感染や疾病を予防するための行動。
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- プライマリー・ヘルスケア
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primary health care (PHC)
すべての人に入手可能な基本的保健サービス。国の保健制度の中では、個人、家族、地域住民の最初のコンタクト・ポイントで、住民の家や職場にできるだけ近いところで保健ケアを提供する。継続的保健ケアの基本要素を構成するもの(1978年9月のアルマ・アタ宣言に基づく)。
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- 人工妊娠中絶推進派
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pro-abortion
「pro-choice」(プロ・チョイス=選択の自由派)の蔑称で人工妊娠中絶の推進を示唆する。選択派の立場は、女性の体は女性自身が管理すべきであるということであり、いかなる意味でも人工妊娠中絶を推奨しているわけではない。
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- プロ・チョイス(選択の自由派)
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pro-choice
女性には人工妊娠中絶を選択する権利があり、支払い可能な価格で、安全で合法的な人工妊娠中絶を、権利として利用できるようにすべきであるという信念。
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- プロ・ライフ(生命尊重派)
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pro-life
受精卵は(受胎時において)人間であり、法で保護されるべきであるとの信念に基づく思想。人工妊娠中絶はいかなる理由であってもできない。
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- 受胎生成物
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products of conception
受精卵から派生する組織の医学的総称。接合体、胚、胎児、羊膜、羊水、胎盤のこと。
残留受胎生成物 retained products of conception
受精卵から派生した組織で、自然流産や人工妊娠中絶の後、あるいは出産後、子宮内に残留しているもの。(大量)出血や感染の原因となることがある。
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- プロゲステロン
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progesterone
排卵後および妊娠中に卵巣から分泌される黄体ホルモン。受精卵の着床にそなえて子宮内膜に作用し、排卵後の基礎体温を上昇させ、胎盤の発達を促し、母乳哺育にそなえて乳房にはたらきかける。
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- プロゲストーゲン
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progestogen
プロゲステロンのような薬学特性をもつ合成物質。プロゲストーゲンはホルモン避妊薬として使われ、緊急避妊法としても利用される。
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- 遷延(せんえん)性破膜
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prolonged rupture of membranes
胎児を包んでいる液体で満たされた袋が、分娩の24時間以上前に破れること。
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- プロスタグランジン
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prostaglandins
さまざまな哺乳類の組織の中で産生される一群の物質で、効能があり多機能に作用する。その一部は子宮内で生成され収縮を促す。プロスタグランジンは薬として使用でき、子宮収縮、人工妊娠中絶、早産、満期出産を起こすことができる。
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- 提供者主導の検査とカウンセリング
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provider-initiated testing and counselling
選択的HIV検査への取組。疾病がHIV感染によるものであると思われるすべての利用者に対し、HIV検査を推奨する。あるいは、HIVが流行している地域の保健施設に来るすべての利用者に対し、標準的医療行為の一部として検査を推奨する。
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- 前期思春期
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puberty
身体的、心理的変化の時期で、子どもから大人への発達を象徴する。女子の場合は、乳房の発育(thelarche)、陰毛の出現(pubarche)、月経の開始(menarche)、男子の場合は、ヒゲと陰毛の発生、射精が代表的変化である。前期思春期は、子どもを産む能力がそなわった時期に終了する。Adolescence(思春期)と同義ではない。
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- 産褥(さんじょく)敗血症
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puerperal sepsis
産後42日(産褥期)以内の生殖器官の感染。
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- 化膿性子宮頸管炎
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purulent cervicitis
膿のようなおりものを伴う子宮頸管の炎症。淋病かクラミジア感染によることが多い。
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- 膿(うみ)
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pus
感染した組織でつくられる黄白色の液体。