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• 安全な母性

  safe motherhood 死亡や疾病のリスクの少ない妊娠・出産のこと。避妊、安全な出産、緊急産科ケア、安全な人工妊娠中絶サービスを受けられることが必須要件である。

• 安全なセックス

  safer sex 望まない妊娠のリスクと、HIVその他の性感染症を他の人に感染させるリスクを減らす性行動。たとえば、HIVその他の性感染症を感染させる精液、腟分泌物、血液が相手の体に進入するのを防ぐため、挿入なしのセックスやコンドームをつけた性交がある。

• 生理用ナプキン

  sanitary pad 綿または同様の繊維でできた吸収性のあるナプキン。月経血、または中絶後や分娩後の排出物を吸収するため外陰部にあてる。

• 陰嚢(いんのう)

  scrotum ペニスの背後にある精巣の入った皮膚の袋。

• セクターワイド・アプローチ

  sector-wide approaches (SWAps) すべての関係者が、単一の事業計画と予算をもつ一つのセクター(保健や教育など)を支援し、共通の財政と管理体制を通してその改善をはかること。

• 自尊感情、自尊心

  self-esteem， self-respect 自分自身に対する誇り。自尊感情は幼児期から思春期を通して現れ高まる(成人になるとそれが調整される)。自尊感情が高い(ただし高すぎない)と、望まない妊娠や人工妊娠中絶などの困難な状況に立ち向かう助けとなる。

• 精液

  semen 男性の生殖器で産生され、射精の際にペニスから放出される濃い白い液体。男性が精管結紮(けっさつ)(訳注：不妊(永久避妊)手術)をしていない限り、精子を含む。

• 精嚢(せいのう)

  seminal vesicles 男性の器官のひとつ。ここで精子と精液が混ざる。

• スクリーニング・テストの感度

  sensitivity of screening tests 検査によって、ある疾病をもっていることが正確に確定された人の割合(真陽性)。

• 敗血症

  septicaemia 病原性の微生物とその毒素が拡散し、体全体に感染する深刻な疾病。

• セロ一致のカップル

  sero-concordant couple HIVに関し、パートナー同士がともに陽性または陰性という同じ状態にあること。

• セロコンバージョン

  sero-conversion HIVなどのウイルスにさらされ、感染した後、その人の体内で起こる観察可能なレベルの抗原体の発達。

• セロ不一致のカップル

  sero-discordant couple パートナーの一方がHIV陽性で、もう一方が陰性という状態にあること。

• 生物学的性差

  sex ヒトの女性と男性を定義する生物学上の特性。一連の生物学的特徴は、男女を区別する結果になりがちだが、双方の特徴をもった個人もおり、男女の違いは互いにきっぱり分けられるものではない。

• 性比

  sex ratio ある人口の中の女性100人に対する男性の比率。世界的には出生時の性比は105だが、男性の死亡率が高いため、この比率は年齢とともに低下する。性比があまりに高い場合は、届け出のない女児の出生、多すぎる女性の死亡、または出生前の性の選別が考えられる。

• 性別適合手術

  sex reassignment surgery 性同一性障害のある人が、自分の体を性自認に一致させるために受ける性移行手術。ときに「性転換手術」と呼ばれる。

• 性の選別

  sex selection ある特定の性の子どもを得るため、自由意思による人工妊娠中絶や嬰児(えいじ)殺しなどを決断し、その行動をとること。世界的には男児が好まれる。それは、息子のほうが仕事を通して家族により多く貢献し、家系と家族のしきたりを維持し、両親に生活の保障を提供するという認識があるためである。

• セックス・ワーカー

  sex worker 女性、男性、またはトランスジェンダー(訳注：生物学上の性や伝統的性役割と性自認が異なる)の成人または青少年で、定期的またはときどき、性的サービスと引き換えに金銭、住む場所、物を受け取る人のこと。これらの活動を所得創出活動であると意識的に定義している人と、していない人がいる。

• 性差別(主義)

  sexism あるジェンダー、特に女性に対する偏見。

• 性的虐待

  sexual abuse 相手に害をおよぼす、または相手の合意を得ていない、あるいはその両方の要素を伴う性的行為。

• セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスサービス

  sexual and reproductive health services (SRHS) ⇒セクシュアル・ヘルス(SEXUAL HEALTH)、リプロダクティブ・ヘルス(PREPRODUCTIVE HEALTH)

• 性的暴行

  sexual assault 他の人に身体的または心理的暴力をふるったり、圧力をかけて性行為を強いること。

• 性的強迫

  sexual compulsion 頻繁に、できれば多くの相手とセックスしたいという衝動にとりつかれること。

• 性機能障害

  sexual dysfunction 性機能障害は、一般につぎの4つのカテゴリーに分けられる。性欲不全、性的興奮不全、オーガズム(性的絶頂感)不全、性交痛。

• セクシュアル・ハラスメント

  sexual harassment 身振り、言葉、体に触れるなどして、相手の望まない性的行動をとること。

• セクシュアル・ヘルス

  sexual health セクシュアリティに関して、身体的、情緒的，精神的、社会的に良い状態(ウェル・ビーイング)にあること。単に疾病や機能不全、虚弱質でないということではない。

• 性自認

  sexual identity 自分自身の性的指向、ジェンダー、ジェダー役割、ジェンダー自認に対する感じ方。

• 性交

  sexual intercourse， intercourse ペニスの挿入を伴う性行為。オーラル・セックス、アナル・セックス、ペニスと腟のセックスがある。

• 性的指向

  sexual orientation 性的に第一に惹かれる相手が、同性か異性か、または両性かをさす。ほとんどの社会は、同性愛、両性愛を人間のセクシュアリティの普遍的一部として容認していない。ゲイ、レズビアンあるいは両性愛者の多くは、自分の性的指向に沿った性体験をしておらず、またそれを選べる状態にない。

• セクシュアル・ライツ

  sexual rights 国際家族計画連盟(IPPF)は、1995年に北京で開かれた第4回世界女性会議で合意された以下のセクシュアル・ライツの定義(行動綱領、パラグラフ96)を支持している。「女性の人権には、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスを含め自らのセクシュアリティに関する事柄を、強制や差別、暴力を受けることなく管理し、それらについて自由かつ責任ある決定を行う権利が含まれる。性的関係や妊娠・出産に関する女性と男性の平等な関係には、人間の誠実さや高い倫理観を全面的に尊重することを含め、性行動とその結果に対する相互の尊重と同意および責任の共有が必要である」。

• セクシュアリティ

  sexuality 個人の性に関する知識、信条、態度、価値観および行動のこと。そこには以下のことがらも含まれる。性的反応システムについての解剖学・生理学・生化学；アイデンティティ・性的指向・役割と人格；思想・感情・人間関係。セクシュアリティの表現は、倫理的、霊的、文化的、道徳的関心によって影響を受ける。

• セクシュアリティ・カウンセリング

  sexuality counselling 利用者が、自分自身のことや性的関係、親密な関係に関する悩みについて、差別のおそれなく話せるような雰囲気をつくることを目指したカウンセリング。
  ⇒セクシュアリティ(SEXUALITY)、カウンセリング(COUNSELLING)

• セクシュアリティ教育

  sexuality education 青少年が、セクシュアリティについて決断するために必要な、また身体的・情緒的にも、個人的および相手との関係性においても、セクシュアリティを楽しむために必要な知識、技能、積極的姿勢、価値観を身につけられるよう考案された教育。
  ⇒包括的セクシュアリティ教育(COMPREHENSIVE SEXUALITY EDUCATION)

• 性感染症

  sexually transmitted infections (STIs) 主に人と人との性的接触で広がる感染症。性的に感染する細菌、ウイルス、寄生虫は30種類以上ある。その中には、特にHIVや梅毒のように妊娠中と出産時に母子感染するもの、血液製剤や組織の移植を通して感染するものもいくつかある(世界保健機関(WHO)の定義)。

• 副作用

  side-effects 副作用は、避妊薬(具)や薬剤の好ましくないまたは望まない効果だけに使われることが多いが、ほとんどの避妊薬(具)には有益な副作用(副効用)もある。したがって、副作用には双方を考慮する必要がある。

• ソーシャル・マーケティング

  social marketing コンドームのような社会的目標にかなう製品をある価格で販売する際に、民間企業のマーケティング手法を適用させること。

• 男子優先

  son preference 女の子よりも男の子を望むこと。

• スクリーニング・テストの特異度

  specificity of screening tests 疾病にかかっていない人たちと、検査により疾病が確定された人の割合。

• 殺精子剤

  spermicides 精子を不活性化させ死なせる化学的避妊薬で、子宮頸管に障壁をつくる。コンドームやペッサリーと併用するとさらに効果があがる。一部の性感染症は予防するが、HIVの予防効果は証明されていない。殺精子剤には、クリーム、ゼリー、泡沫剤、腟坐薬、錠剤、フィルムの形をしたものがある。

• 精子

  sperm， spermatozoon， spermatozoid， spermatozoa 精子とは、成熟した男性の精巣で産生される生殖細胞(⇒配偶子GAMETE)のこと。Spermはspermatozoon(sperm cell)と同義語として使われる。Spermatozoaはspermatozoonの複数形。Spermは精液(semen)と同義ではないが、よく混同される。
  ⇒精液(SEMEN)

• 散発性流産

  sporadic abortion 継続的ではない自然流産のこと。

• 扁平上皮内病変

  squamous intra-epithelial lesion (SIL) 子宮頸管内膜の扁平上皮細胞に、前がん症状その他の異常がある状態。

• セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス

  SRH ⇒セクシュアル・ヘルス(SEXUAL HEALTH)、リプロダクティブ・ヘルス(REPRODUCTIVE HEALTH)

• 法定レイプ

  statutory rape 同意年齢未満の未成年者との性行為。他のタイプのレイプと異なるのは、強制や脅迫が明らかに存在しなくてもよいこと。未成年者は法的に同意を与えることはできないため、いかなる性行為も強要とみなされる。
  ⇒同意年齢(AGE OF CONSENT)、レイプ(RAPE)

• 性感染症

  STD Sexually transmitted diseaseのこと(訳注：最近ではSTIsを使う)。
  ⇒性感染症(SEXUALLY TRANSMITTED INFECTIONS)

• 不妊症

  sterility 子どもを産むことのできない状態。受胎できない(女性不妊)、あるいは卵子に授精できない(男性不妊)状態のこと。同義語にbarren、infertilityがある。

• 不妊(永久避妊)手術

  sterilization ⇒自由意思による避妊手術(VOLUNTARY SURGICAL CONTRACEPTION)

• 殺菌する(医療機器を)

  sterilize (medical equipment) 高度の消毒では殺せない、胞子を含む微生物を破壊すること。

• 汚名

  stigma 社会の支配的な層が自分たちを正当化するため、HIV、ジェンダー、セクシュアリティ、行動など特定の属性を根拠に、ある人々の集団に対し否定的な態度をとること、またそれが温存されること。汚名は、社会の中で疎外された人々と関連づけられることが多く、直接あるいは連想で人々に影響を与える。

• 死産の

  stillborn 「死産」を意味する形容詞。生まれた時点で生きている証拠がみられない新生児。生きて生まれた(liveborn)新生児ではない。

• 外科的人工妊娠中絶

  surgical abortion 外科技術を使って行われる人工妊娠中絶。真空吸引法(手動または電動)、拡張と掻爬(そうは)による方法、拡張と摘出／排出による方法がある。

• 生存率

  survival rate 特定の疾患をもつ調査対象者の中で、ある一定の時間が経過した後もまだ生存している人の割合。

• 持続可能性

  sustainability 良質なサービスを提供するため、組織としての力を向上させる能力。持続可能性には、利用者の基盤拡大や、政策提言と資金調達のための国内の仕組みを通して収入を創出すること、またその一方で、外部援助資金への依存度を少なくすることが含まれる。

• 徴候体温法

  sympto-thermal method ⇒周期的禁欲法(PERIODIC ABSTINENCE)

• 症状

  symptom 患者が疾患との関連で体験する体の機能についての感覚または変化のこと。

• 症候性アプローチ

  syndromic approach 発症している症状の主要原因に関する知識に基づいて、感染症を治療すること。たとえば、子宮頸部の感染であれば、淋病とクラミジアの両方に効く抗生物質で治療できる。その場合、どちらの病原菌かを診断するための検査を最初にすることはない。

• 梅毒

  syphilis 細菌による性感染症。治療しないと全身性の感染症に進行し、全身のマヒと認知症を引き起こすことがある。妊娠中または分娩時に胎児に感染することもある。